総括
FX「中国新体制発足直後に人民元、株価が急落。社会主義現代化」人民元見通し
（通貨5位（5位）、株価10位（10位））
予想レンジ 人民元/円 20.0-20.5
（ポイント）
＊中国新体制発足直後に人民元と株価が急落
＊人民元続落、国有銀行はドル売り。当局は安定を協調
＊中国は市場主義と資本主義から離れていくのか
＊3Q・GDP成長率は前年比3.9％
＊9月鉱工業生産は6.3％で8月の4.2％を上回る
＊9月小売売上は2.5％で8月の5.4％を下回る
＊9月貿易黒字は847.4億ドルで8月の793億ドルを上回る
＊9月輸出は5.7％増、輸入は0.3％増
＊22年実質成長率、2.8％に下方修正 世界銀行
＊ロシア産原油を大量購入
＊バイデン米大統領は、米軍が台湾を防衛と発言
＊米国は中国からの輸入品に対する制裁関税措置を継続
(習近平時代、人民元や株。今後は？）
人民元安、株安が進んだ。習近平総書記が、統制強化路線を継続して経済や民間企業の成長を抑制するとの懸念が強まっている。中国の新しい指導体制でも、市場に造詣の深い人は入っていないようだ。今年はそれを見越してか、元安、株安が進んでいる。ただ円よりも強い。習総書記に異論を唱える人がほぼおらず習氏が統制を強固にする中で、中国の経済成長は来年以降も低迷するとの懸念がある。市場主義、資本主義から乖離するのか。
（習近平時代の過去10年のドル人民元）
ややドル高人民元安で推移
（習近平時代の過去10年の人民元円）
人民元円は12円から20円へ円安人民元高
（習近平時代の過去10年の上海総合指数）
過去10年は株価は上らなかった。今後も不安なので、今年も安い
（社会主義現代化）
習氏は新指導部発足に伴って記者会見し「今世紀半ばまでの社会主義現代化の目標に向けて進軍する」と述べて3期目以降の長期政権を担う意欲も見せた。「中国の発展は、世界と無関係ではない。世界の発展にも中国が必要だ」とも述べ、安全保障や人権などの重要分野で中国経済とのデカップリングを図る米国をけん制した。
テクニカル分析（人民元/円）
ボリバン3σ上限から2σ下限へ急落
日足、ボリバン3σ上限から2σ下限へ急落。10月21日-26日の下降ラインが上値抵抗。10月24日-26日の上昇ラインがサポート。5日線下向き、20日線上向き。
週足、3週連続陽線のあと2週連続の陰線へ向かっている。ボリバン2σ上限から反落。9月19日週-26日週の上昇ラインがサポート。10月17日週-24日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、8月の下ヒゲの長い陽線で9月はボリバン2σ上限に達す。10月も陽線スタートだったが、次第に寄り引き同時に近づく。7月-8月の下降ラインを上抜く。6月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
人民元続落、国有銀行はドル売り。当局は安定を協調
10月25日、26日人民元相場はドルに対して続落。ただ、国有銀行がドル売りを行ったもようで、下げは緩やかとなった。
中国の大手行は25日遅くにオンショアとオフショア市場でドル売りを実施した。
ロンドンやニューヨーク市場の取引時間帯に国内銀行がオンショア市場で活発に取引するのは異例。
中国銀行保険監督管理委員会は、「中国経済には強い弾性があり、回復の可能性は大きく、回復の余地も広い」とした上で、「人民元が強くなる長期的な基調は変わらない」と強調した。中国の国際収支が黒字であることや、外国投資の大規模な純流入を挙げ、「人民元レートの安定を強く裏付ける」と指摘。「長期的に経済が上向くファンダメンタルズは変化しない」とも強調した。中国では金融リスクは抑制されており、全般的な金融システムは安定的で健全だとも表明。金融システムに対するリスクを回避し金融の安定を保証する努力を強めるとした。
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