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FX/為替「1㌦145円定着へ期待、『米ドル1強』の風向き変化はしばらく先か 10月7日の米国雇用統計の予想と戦略 2022年10月号」By 外為どっとコム総研

米雇用統計の予想と戦略


更新日時:2022年10月11日 13時00分 結果を更新
執筆日時:2022年10月06日 13時00分
執筆者 :株式会社外為どっとコム総合研究所 小野 直人

1㌦145円定着へ期待、『米ドル1強』の風向き変化はしばらく先か 10月7日の米国雇用統計の予想と戦略

目次

 

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1.はじめに

2022年10月7日(金)、日本時間21時30分に米国の9月雇用統計が発表されます。これまでの大幅利上げで需要が鈍化している様子を示すデータが散見される一方、金融当局の積極的な利上げ支持が和らぐ様子も見られません。今年末から来年1-3月期にも、利上げサイクルが一巡するとの見方が基本ベースであるなら、そろそろ金融当局者の発言に変化の兆しが見られ始めても不思議はありません。今回の雇用データが、当局者の姿勢変化の着火剤となるか注目されます。では、早速、前回の振り返りです。

2.前回のおさらい

・8月NFPは31.5万人増
・失業率は悪化

9月2日に発表された、米国の8月非農業部門雇用者数(NFP)は31.5万人増と、市場予想の30.0万人増を少し上回りました。また、失業率は3.5%から3.7%へ悪化し、時間給は前月比で0.5%から0.3%へ鈍化しました。内訳を見ると、ヘルスケア、専門職・企業サービス、小売がヘッドラインの数字を押し上げました。今回の結果を受けて、市場からは金融当局は米経済がリセッション入りせず、ソフトランディングがまだ可能との認識を一歩、強めるだろうとの声が聞かれました。

図表1.分野別新規雇用者数(千人)出所:米国労働省

NFP表

米ドル/円は一時140.798円と1998年8月以来約24年ぶりの高値圏へ上伸しました。ただ、その後、米10年債利回りが3.17%台まで低下すると、139.92円レベルまで反落するなど、荒っぽい展開となりました。米国株式市場はダウ工業株30種平均が反落し、7月18日以来約1カ月半ぶりの安値となりました。終値は前日比337.98ドル安い31318.44ドルで引けました。

図表2.前回発表前後のドル円の動き

USDJPY15分チャート
米ドル/円 15分足
出所:外為どっとコム「ネオチャート

3.今回の見どころ

・雇用市場の引き締まりは緩和
・失業保険申請件数の低下で市場の基調は底堅い
・雇用コスト増加分の価格転嫁続く
・年内利上げ見通し(11月0.75%、12月0.5%利上げ)へのインパクトは限定的

米国の雇用情勢はFRBの大幅な利上げが行われる中で、労働者数の増加ペースは緩やかに減速傾向を示しています。また、労働力供給の回復や賃金上昇の伸び鈍化など、これまで引き締まりが懸念されていた部分にも改善が見られ始めていることは好感できます。今回のインフレはサプライチェーンの混乱、コロナ禍からの需要回復、労働力不足と広がりましたが、原材料や資源価格の上昇は一服し、モノへの需要も抑えられ、残る労働市場の需給バランスが取れてくれば物価上昇もようやく一息つけるところまで来ている感じです。FRBは、こうした状況を望ましい形に向かっていると見ているのではないでしょうか。

もっとも、中小企業は未だ人手不足の状態で、新規失業保険申請件数も足許では7月18日週の26.1万件をピークに低下基調を辿るなど、需給の引き締まりの芽が再び強まりつつあるところは気がかりです。教員採用の時期を通過したほか、バカンスシーズンを終えてレジャー・娯楽分野の採用も一服し、NFPは前月比減少が見込まれていますが、雇用拡大ペースが思ったほど減速していない可能性はあります。また、賃金上昇圧力も緩んでいるとはいえ、時間給は右肩上がりで雇用コストの
増加分を価格へ転嫁する企業側の動きも続いていますので、インフレ低下の後ずれ観測はまだ消えていません。今回の雇用統計が、現在のFRBの年内利上げ見通し(11月は0.75%、12月は0.5%)に与えるインパクトは限定的になりそうです。

図表3.米NFPの推移 ※データ:米国労働省

米NFPの推移

今後のFRBの金融政策を見通す上で、時給や労働参加率などのサブ指標にも目を向けるべきかもしれませんが、NFPの強弱が市場の初期反応の大部分を占めることは間違いなく、まずはNFPの結果に注目です。そのNFPですが、市場予想は26.0万人(10月6日、13時時点の大手通信社の調査)と前月から低下が見込まれています。そこで、①は前月を上回る31.6万人、②は予想は上回るが前月に届かない26.0~31.5万人、③予想以下で20.0万人以上の20.0~25.9万人、④は19.9万人以下と4つに分けたいと思います。①はFRBのタカ派観測の進展が期待出来そうで、②は現行の引き締めペースが継続、③は来年の引き締めペース鈍化、④は来年後半の利下げ期待拡大となるでしょう。

☆想定するシナリオ

パターン NFP(万人) 想定される米ドル/円の値動き 理由
31.6以上 発表後、1.5円上昇 引き締めペース拡大
26.0~31.5 発表後、70銭上昇 現行引き締めペース維持
20.0~25.9 発表後、70銭で振幅 来年の引き締め鈍化
19.9以下 発表後、1.5円下落 来年後半の利下げ期待

※本指標発表後、1時間の値幅(過去3カ月):平均1.1円

図表4.[雇用統計の実績と予想]

年月 非農業雇用者数変化(万人) 失業率(%)
予想値 実績値 修正値 予想値 実績値 修正値
2022年09月 26.0 26.3 3.7 3.5
2022年08月 29.8 31.5 3.5 3.7
2022年07月 25.0 52.8 52.6 3.6 3.5
2022年06月 26.8 37.2 39.8 3.6 3.6
2022年05月 32.5 39.0 38.4 3.5 3.6
2022年04月 39.1 42.8 43.6 3.5 3.6

 

年月 平均時給/前月比(%) 労働参加率(%)
予想値 実績値 実績値
2022年09月 0.3 0.3 62.3
2022年08月 0.4 0.3 62.4
2022年07月 0.3 0.5 62.1
2022年06月 0.3 0.4 62.3
2022年05月 0.4 0.4 62.3
2022年04月 0.4 0.3 62.2

◇関連の経済データ実績

年月 ISM製造業雇用指数 ISM非製造業雇用指数
2022年09月 48.7 53.0
2022年08月 54.2 50.2
2022年07月 49.9 49.1
2022年06月 47.3 47.4
2022年05月 49.6 50.2
2022年04月 50.9 49.5

出所:Bloomberg、外為どっとコム「経済指標カレンダー

4.今回の戦略

・143.127円バックに買い検討

失業保険申請件数の低下や消費者信頼感の改善を踏まえ、②をメインシナリオと考えます。発表前のレベルによっては調整が必要ですが、米ドル/円は、円買い介入当日である9月22日の高値(145.906円)と安値(140.347円)の中央値である143.127円をバックに買い目線で臨みたいと考えています。

図表5.米ドル/円チャート-4時間足

USDJPY
出所:外為どっとコム「ネオチャート

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