家電量販店に勤務していたKさんは、職場での会話をきっかけに投資を始め、さまざまな失敗を経験しながら、チャイナショック相場で月間利益300万円を達成。外為どっとコムでの取引だけでも、約8年間で3,500万円超の利益を獲得するなど、今では押しも押されもせぬトップトレーダーのKさん。KさんはどうしてFX取引で収益があげられるようになったのでしょうか?約11年間に及ぶKさんのFX取引の経験を振り返りながら、着実に利益をあげるトレード手法の秘密に迫ります。
ハンドルネーム :K氏
年齢性別 :30代男性
職業 :無職
FX取引歴 :約11年
収支 :約8年間で3,500万円超(2014年6月~2022年7月取材申込時点)
トレードスタイル:スキャルピング、デイトレード
投資商品 :FXのみ
趣味 :麻雀(オンラインゲーム) オンライン格闘技ゲーム(観戦)
▼目次
1.職場の会話がきっかけ
2.どんどん減った投資金
3.自動売買でも利益は得られず「損切り」する羽目に
4.チャイナショックで月間利益300万円の大復活
5.「損切りルール」の徹底
6.テクニカルもファンダメンタルズも使わずエントリーは感覚で
職場の会話がきっかけ
編集部:- まず、FX取引を始めたきっかけを教えてください。
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Kさん: - FX取引よりも先に株式投資を始めていました。といっても、数カ月始めるのが早かっただけなんですが。当時の僕はまだ24歳で家電量販店に勤務するサラリーマンでした。
編集部:- 会社員だったのですね。株式だけじゃなく、FX取引もやろうと思った理由はあるのでしょうか?
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Kさん: - メーカーから売り場に派遣されていた販売スタッフの一人から、「株式投資を始める」って話を聞いたんです。仕事の合間にした何気ない会話がきっかけで、「単純に自分もやってみようかな」と思ったんです。
編集部:- それで株式投資を始められたのですね?
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Kさん: - はい。そうです。
編集部:- 株式だけじゃなく、「FX取引も始めよう」と思ったのはなぜですか?
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Kさん: - 会社員ですから、日中は仕事をしていますので株式は頻繁にトレードできないですよね。せっかく投資をしているのに、「やっていても、なんだかつまらないな」って思っちゃったんですね。
ちょうどそのとき、たまたま雑誌で、FX取引の記事を読んだんです。「こんな金融商品があるんだ」って、FX取引のことを初めて知って、いろいろ調べたら仕事が終わった時間帯でも、自分で売買ができることがわかったんですね。
編集部:- 証券取引所は、「平日の朝9時から夕方15時まで」と決まっていますからね。会社に勤めながら、平日の日中に売買を繰り返すのは、かなり難しいですよね。自分の時間で売買できるのが、FX取引だったということですね?
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Kさん: - 株式にも「先物取引(の夜間立会)」がありますし、「PTS(取引所外取引)」もありますから、仕事が終わってからでも、売買することはできますが、そういう取引方法があるというのは後から知りました。
編集部:- 確かに一般的には知られていませんね。ところで、FX取引のやりかた(注文方法など)は、すぐに分かりましたか?デモトレ等で取引の練習はされましたでしょうか?
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Kさん: - 僕が始めた当時は「デモトレ」を用意しているFX会社も少なかったんじゃないかな。だから、自分は最初からお金を入金して本番でFX取引をはじめました。
どんどん減った投資金
編集部:- 運用資金はいくらでスタートされたのでしょうか?
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Kさん: - 20万円くらいだったかな。
編集部:- 貯めていた会社のお給料でスタートされたということですね?FX取引を開始されて最初の運用資産20万円はどうなりましたでしょうか?
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Kさん: - お金は「順調」に減りました(笑)。
編集部:- 率直なお話どうもありがとうございます。それでも継続されたわけですよね?
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Kさん: - 株式投資のために口座を開設した証券会社のFX口座を、そのまま使っていたんですが、その後、別のFX会社に口座を切り替えました。その切り替えのタイミングで40万円の追加資金を投入し運用を継続しました。
編集部:- なるほど証拠金を増やして、FXトレードが続けられるようにしたのですね?
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Kさん: - ただ、残念なことに、その資金も半分くらいに減らしてしまったんです。ちょうどそのころ、職場の上司から、「上司の知り合いがMT4でFX取引の自動売買をしている」という話を聞いたんです。
編集部:- 確かに「自動売買」がすごく人気を集めた時期がありましたね。
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Kさん: - それを聞いたときに、「それっていいじゃん」って思ったんです。
編集部:- なるほど、裁量トレードでは上手くいかなかったけれど、「自動売買ならうまくいくかもしれない」と思ったのですね?
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Kさん: - そうです。しかも、「利益が出ている」っていう話でしたから。それで1〜2年間ですが、僕も自動売買を試してみたんです。
自動売買でも利益は得られず「損切り」する羽目に
編集部:- FX取引を始めたころ、どんなやり方でトレードしていたのでしょうか?
Kさん:- 当時はFX取引の雑誌を見て、そこで紹介されているボリンジャーバンドの逆張りばかりをしていました。
編集部:- 「売り」も「買い」も両方で、逆張りですか?初心者にとって、「売り」は難しいようですが。Kさんは問題なくできましたか?
Kさん:- やっぱり「買い」から覚えましたね
編集部:- ただ、そのトレードが残念ながらうまくいかなくて、「自動売買」を使われることになったのですね?
Kさん:- そうですね。しばらくの間、裁量トレードは一切やめて、自動売買だけでやっていました。でも、まあ「自動売買」って言うのも難しいですね(笑)。
編集部:- 実際に「自動売買」を使ってみた感想を教えてください。
Kさん:- 当時の自動売買のEAは、「ナンピンして損切りしないので負けません」というタイプがすごく流行っていたんです。僕もそれを使っていたんですが、あるとき、「含み損」がすごく大きくなってしまい、それに耐えられなくなってしまって、自分で「損切り」をしてしまったんです。
編集部:- 期待した「自動売買」でも、残念ながら結果的にうまくいかなかったと。
Kさん:- そうですね。ただ、今でも「自動売買」は使っているんですよ。
編集部:- そうなのですね?
Kさん:- 確かに損失が続くと、自動売買を続けるのは難しくなります。でも、いろんな種類のEAがあって、それを選ぶ楽しさがあるんですね。
チャイナショックで月間利益300万円の大復活
編集部:- いろいろな手法を試しながらFX取引にチャレンジしてきたKさんですが、現在のような「トップトレーダー」になるには簡単な道のりではなかったのですね?
Kさん:- 実はちょうどそのころに仕事を辞めました。それでもFX取引は続けていたんですが(笑)。
編集部:- いやいや、それはまた「一大決心」をされましたね?
Kさん:- いやいや、僕にとっては「ダメだったら家業を継げばいいかな」くらいの「ゆるい決心」だったんですけれどね。
編集部:- ご実家を継がれる選択肢もあったのですね?
Kさん:- ただ、相場はちょうど「チャイナショック」が起きた時期で、かなりボラティリティがありました。しかも、今のようにスプレッドが広がらないので、利益の出やすい相場環境だったせいか、普通に売買していたら、なぜかどんどんと利益が出てしまいまして。
編集部:- ええっ、そうなんですか?
Kさん:- 「これいけんじゃねー」みたいにその頃は単純に思っちゃったんですね(笑)。
編集部:- Kさんは当時のことを冗談めかしてお話されていますが、きっと、いろいろと経験されて、そういう結果を生み出すだけの変化が、その背景にはあったんじゃないかと思うんですが?その辺り詳しく教えてください。
Kさん:- う〜ん、振り返ってみると、一番の変化は、自動売買のEAをずっと研究してきた結果、利益を出しやすいEAを見つけたことですかね。自動売買の中では比較的有名なEAなんですが、それを自分の手(裁量)で、マネするようになったことでしょうかね。
編集部:- 是非、もう少し詳しく教えてもらえますか?
Kさん:- 簡単に説明すると、「たくさん買われすぎでいる」とか、「売られすぎている」とか、そういうときに「逆張り」をするというやり方です。
編集部:- チャイナショックでの成功は、どれくらいの利益が出たのでしょうか?
Kさん:- 最初の1カ月目は20万円で約2万円の利益ですが、2カ月目はそれに10万円を追加して売買して100万円の利益が出て、4カ月目は130万円くらいで約300万円の利益が出ましたね。
「損切りルール」の徹底
編集部:- うわっ、それはかなりの急成長ですね!成功された理由はなんなのでしょうか?
Kさん:- いや〜、本当にたまたまだと思います(笑)。なんで利益を出せるようになったのか、正直に言うと、自分でもいまだにわかりません。
編集部:- なにか理由があるのではないですか?もう少し教えてください!
Kさん:- う〜ん、なんだろうな・・・。あるとすれば取引ルールで、必ず「損切り」をすると決めたことくらいかな。
編集部:- なるほど。損切りラインを必ず決めていらっしゃるということですね?
Kさん:- はい、その通りです。
編集部:- 初心者の方の中には「損切りしたくない」という気持ちが強く、なかなか決済できないまま損失額が膨らみ、損切りしたら、結局、相場が戻ってきたというケースが少なくありません。
Kさん:- まあ、僕の損切りもほぼすべて戻ってきていますからね。そもそも損切りとはそういうもので、相場は戻りますよね。私もそう感じています。
編集部:- では、Kさんの現在の損切りのやり方を教えてください。
Kさん:- 新規でエントリーするときに必ず逆指値注文を入れます。僕は7pipsに損切りラインを設定します。以前は10pipsにしていたんですが、「10pipsになる前に自分で切らないのはおかしいだろう」と思い7pipsに変更したんです。
編集部:- 相場の進んだ方向が予想と違ったら、自分のミスを認めて適切な方向にエントリーし直すということですか?
Kさん:- 正直、適切かどうかはよく分かりませんが、自分が「進みそうだな」と思った方向に、もう一度エントリーし直すということです。
編集部:- 強制ロスカット等の経験はありますか?
Kさん:- 実は、僕は強制ロスカットの経験は一度もありません。
編集部:- 損切りラインの設定はFX取引を始めたときからされているんですか?
Kさん:- いや、始めたころは損切りなんかしませんでしたよ。ただ、利益が出せるようになってからは、絶対に損切りするようになりました。エントリーの際に、絶対に逆指値注文を入れるようになりましたね。この辺りは初心者の頃と大分変わった点かな。
テクニカルもファンダメンタルズも使わずエントリーは感覚で
編集部:- では、新規のエントリーポイントの決め方はどのように決定されているのか、教えてください。
Kさん:- これは感覚的な部分が強いんです。「上がりそうだ」と思ったら買いますし、「下がりそうだ」と思ったら売ります。ただ、感覚に頼り過ぎているせいか「あっ、逆だ!」って思うことが多いのも事実です(笑)。
編集部:- 利益を出されるようになった今でも、エントリーした後は、そう思われるのですか?
Kさん:- ほぼ毎回そう思いますね。
編集部:- それは自動売買のEAをいろいろと研究されて、ボリンジャーバンドを見ながら「逆張り」することで、利益が出せるようになったとおっしゃっていたので、そのやり方だと、どうしても逆に動くことが多いのではないでしょうか?
Kさん:- そういうことではないですね。ボリンジャーバンドは今でも見ています。でも、常に逆張りするわけでもないんです。当時とはエントリー方法が変わりました。上にいきそうなら買いますし、下にいきそうなら売ります。
編集部:- とても興味深い回答です。自動売買のEAをいろいろと研究され、利益を出されるようになったということでしたから、そうやって身につけたテクニカル分析に基づくエントリールールがあるのかと思えば、むしろ自分の感覚でエントリーをされているという・・・。
Kさん:- 移動平均線も表示させていますが、表示させているというだけで、特に使ってないですね。
編集部:- では、ファンダメンタルズ等は参考にされていますか?
Kさん:- いやあ、僕は割とテキトーなんで朝9時くらいに「今日って指標あったかな?」って確認するくらいなんです。ただ、ツイッターなどで結構いい情報を発信されている方がいるので、そういう方がつぶやいたときは通知がくるように設定してあります。それくらいかな。
編集部:- そうなんですね。意外です。
Kさん:- ですから、ファンダメンタルズ分析はほぼやっていないですね。
編集部:- 運用成績を拝見しますと、ものすごく緻密に分析されて、きっちり利益を獲得されているものと勝手に思い込んでいました。週末も時間をかけて翌週のための準備されているのかなと思っていましたが、かなり違うのですね?
Kさん:- まったく違いますね(笑)。真逆です。チャートの分析等は一切していませんし、週末も相場は見たくないですから。それどころか、たまにオンラインゲームをしながら相場を見ていますからね。
編集部:- いやいや、これは衝撃的です(笑)。今回のインタビュー記事を読んだ読者の中には「そのやり方でそんなに利益が追求できるのか!自分もKさんみたいになりたい!」っていう人が続出しそうです。
Kさん:- 過去のトップトレーダーインタビューの記事を読ませていただいたんですが、みなさん、すごくハイレベルで驚いていました。「僕が取材を受けていいものなのか」って悩みましたもん(笑)。
マネ育PickUp編集部より
テクニカルもファンダメンタルズ分析も使わず感覚でトレードするというKさん。「僕はテキトーです」と言いながらも、エントリーの際には必ず損切りのための逆指値注文を入れるなど、損を拡大させないためのリスク管理を徹底しています。KさんがFX取引で優秀な成績を収めてこられた最大の理由かもしれません。後編では更に詳しく感覚トレードについて伺うとともに、今後の目標なども伺います。
(後編に続く)
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】
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