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FX/為替予想 豪ドル円は買いから!米ドル高の頭打ちも豪ドルにプラス「なっとく 豪ドル見通し」戸田裕大

なっとく豪ドル見通し

こんにちは、戸田です。

本シリーズでは、オーストラリアのマクロ経済政策などをもとに、豪ドルの現状や相場見通しについてお伝えしていきます。豪ドルの通貨売買のご参考にして頂ければ幸いです。

第25回目は「豪ドル円は買いから!米ドル高の頭打ちも豪ドルにプラス」です。

順を追ってご説明いたします。

目次

1.豪ドル相場の定点観測
2.RBAの政策と市場の利上げ見通しのポイント
3.AUD/JPYの買い持ちで攻めるのが吉

1.豪ドル相場の定点観測

まずは現在の豪ドル相場について状況を確認します。

豪ドル情報の一覧表
豪ドル情報の一覧表/Investing.comよりデータ取得し作成

AUD/USDは2週間で16Pips下落し、1AUD=0.6879USDとなりました。ただし、豪ドルが下落したとはいっても、下げ幅も小さいですし、他通貨と比べれば底堅い推移です。引き続き米ドル主導の相場で、9月7日まで米ドル高が続いたため、AUD/USDは一時0.67丁度付近まで下落しましたが、その後に米ドルの上昇が落ち着くと底堅く推移し現在のレベルまで回復しています。

AUD/JPYは2週間で3.73円上昇し、1AUD=98.27JPYとなりました。円安が加速しドル円が一時145円丁度付近まで上昇しましたので、その影響が大きいです。AUD/JPYはドル高でもドル安でもあまり振らされずに底堅くじわじわと上昇しています

コモディティの総合的な価格を示すBCOMは2.28%下落し118.90となりました。資源価格は緩やかに下落しているものの、まだまだ絶対水準としては高く、オーストラリア経済にとってプラスに働いています。コモディティ価格が大きく下落しなければ、資源国通貨である豪ドルは底堅い推移が期待できます。

IMM通貨先物は豪ドルショートポジションが2,748枚縮小しました。減ったとはいえ、まだまだショートポジションが大きく溜まっていますので、投資家の豪ドル心理は弱気とも言えますが、一方でひとたび豪ドルが上昇に転じれば、これらのポジションが新たな豪ドル上昇の着火剤となる状況でもあります

すでに随分と豪ドル/円は上昇してきましたが、豪ドル単体ではまだまだ買い遅れているわけではないので、この点は豪ドルを買う場合に前向きな材料と思います。

2.RBAの政策と市場の利上げ見通しのポイント

9月6日の金融政策決定会合において、RBA(オーストラリア中央銀行)は0.50%の利上げを実施し、政策金利を2.35%まで引き上げました。これでオーストラリアの政策金利はおおむね米国の政策金利と同水準に引き上がったことになります

RBAはロシアによるウクライナ侵攻、COVID-19、中国の政策変更などによる不確実性を指摘しています。そしてこれらの要因により、政策金利を引き上げることが適切かどうかは、実は手探りの状況であることを打ち明けています

インフレに関してはグローバルな影響が大きいものの、国内の強い需要、タイトな労働市場、生産能力の制限などによる上昇圧力についても指摘しています。今年の後半にインフレが年率7.5%前後でピークアウトし、その後は徐々に低下、2年ほどかけて、2~3%へと戻っていくように想定しているようです。こういった想定のもと、RBAは追加で段階的に利上げを行っていくことが適切と見ています

なお現在の市場参加者による米ドルと豪ドルの政策金利、利上げ見通しは以下の表の通りです。個人的には米住宅関連指標や物価指標を見ていると、米ドルの利上げ織り込みが行き過ぎていると感じます

将来の利上げ織り込み度合い
CME Group, ASXよりデータ取得し作成

ですから、もし私の見方が正しいのであれば、米ドルはオーバーバリューされているとみることができます。つまりドル売り、豪ドル買いのチャンスかもしれないとみます。

3.AUD/JPYの買い持ちで攻めるのが吉

本日は趣向を変えて、月足でチャートを見ていこうと思います。なぜそうするのかと言うと、相場の大きなチャートポイントに差し掛かってきているからです

まずAUD/JPYですがいよいよ100円が目前に迫ってきました。ここは心理的な節目になります。

AUD/JPYチャート、日足
AUD/JPYチャート、日足/外為どっとコム、外貨ネクストネオより

次いで、102.74円レベル、105.40円レベルです。これらはそれぞれ2014年、2013年の高値です。為替の世界では、こういった大きなチャートポイントを迎えると、それを1度は試しにいくようなことが多いです。したがってこれらを試す可能性があるということを念頭に相場と向き合っていくと良いと思います。

ではどこまで行くのか?ということですが、年内は100円前後が良いところかもしれません。ドル/円の上昇があまりにも急ピッチなので、ドル/円はそろそろ頭打ちするのではないか?と言う点を考慮しています。

ですがここ数年というスパンではむしろすべての地点を超えていく可能性が高いと考えています。なぜならば日本円が買われる材料が調整と為替介入以外になく、豪ドルはファンダメンタルズ的に非常に強く、利上げも控えているので、今後も買われる材料が残されているからです

現在AUD/USD相場については上値の重い展開が続いています。しかし下げ止まりの兆候が見られているとも感じています

AUD/USDチャート、日足
AUD/USDチャート、日足/外為どっとコム、外貨ネクストネオより

月足チャートでみるとここ3ヵ月のAUD/USDの傾斜が緩やかになってきています。これはファンダメンタルズ的に豪ドルが強いということに加えて、米インフレがピークアウトしそうで、そのために米ドル高がピークアウトしそうだという市場参加者の見通しを反映していると思っています

これ以上、米ドルに対して、豪ドルが売られる理由がなかなか見つからないので、そろそろAUD/USDについても反発が期待出来ると考えれば、やはりAUD/JPYは底堅く推移するように思います

USD/JPYで持っていると上下に振らされて、ストップが巻き込まれてしまう方も少なくないと思いますが、AUD/JPYであればドルストレートではないので、ドル高、ドル安への影響度が少なく、現在の相場展開では値幅が小さくなりやすいので、数週間程度べたっと持って、スワップポイント+値幅を狙えると思います。

その時に気を付けるべきは、高いところを買うのであれば反落を警戒しストップをタイトに使う、押し目買いであればストップをある程度下に置いて長く持つ、この2つを意識して豪ドル買いトレードに臨むと良いと思います。

本日は以上となります。

引き続き、みなさんのお役に立つ記事を作成してまいりますので、応援して頂けますと幸いです。


<参考文献>
文中に記載しています。


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株式会社トレジャリー・パートナーズ 代表取締役 戸田裕大氏
2007年、中央大学法学部卒業後、三井住友銀行へ入行。10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、 日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。2019年9月CEIBS(China Europe International Business School)にて経営学修士を取得。現在は法人向けにトレジャリー業務(為替・金利・資金)に関するサービスを提供するかたわら、為替相場講演会に多数、登壇している。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022 年)。
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