総括
FX「主要国有銀行がドル売り。6.90のせ阻止。製造業PMIは弱い」人民元見通し
(通貨7位(7位)、株価9位(10位))
予想レンジ 人民元/円 18.8-20.3
(ポイント)
*ドル売り元買いの介入の噂があった
*対円の日足で雲の上に出るか
*8月政府版の製造業、非製造業PMIは弱い
*本日は財新製造業PMIの発表
*人民銀行は利下げに踏み切った
*共産党大会、10月16日から開催
*人民銀行は1年物LPR、5年物LPRを引き下げた
*7月貿易黒字は1000億ドル超え
*7月CPIは2.7%
*台湾海峡緊張続く
*中国原油輸入、ロシア産が増加
*中国・EUの経済貿易ハイレベル対話が開催された
*ゼロコロナ政策が解除され経済は回復方向へ
*金融政策は穏健
*世界はQUADやIPEFで中国を切り離す
*米銀が2022年の成長見通しを下方修正 中国は5.5%目標堅持
(人民元は7位、対円で11.34%高、対ドルで8.48%安)
人民元は年初来では対円で11.34%高、対ドルで8.48%安で、12通貨中7位と中位に位置している。ただ景気が減速しているので、若干低め誘導している管理相場だ。
(工業利益減少)
8月28日に発表された1-7月の工業利益は前年同期比1.1%減少した。6月は前年同月比0.8%、今年1-6月(上期)では前年同期比1%増加していた。ゼロコロナ政策の長期化、ウクライナ危機、米中対立、熱波と干ばつによる電力不足、不動産危機などでは経済に活気も出ないだろう。
(主要国有銀行がドル売り、対ドル6.90のせを阻止か)
主要国有銀行が8月31日午後に国内市場で人民元買い・ドル売りを進めた模様。関係筋が明らかにした。これを受けてドル/元は1ドル=6.9元の節目を割り込んだ。
関係筋は国有銀が終値を6.9元未満にすることを狙っていたようだと指摘。
(8月製造業PMIなど)
8月の製造業PMIは49.4と、景況改善・悪化の分岐点となる50を2カ月連続で割り込んだ。新型コロナウイルスの感染再拡大や記録的な猛暑を受けた電力供給制限、不動産部門の低迷などが重しとなった。7月の49.0からは小幅に上昇し、予想の49.2も上回った。
8月の非製造業PMIは52.6と、前月の53.8から低下した。
製造業と非製造業を合わせた総合PMIは51.7。前月は52.5だった。
(利下げ)
人民銀行は先週、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(LPR)を引き下げた。引き下げ幅は住宅ローン金利の基準となる期間が長めの金利を大きくした。不動産危機や新型コロナウイルスの感染再拡大に見舞われている景気を下支えする。1年物LPRは0.05%引き下げて3.65%とし、5年物LPRは0.15%下げて4.3%となった。
(李首相発言、黄河と長江は逆流しない)
李克強首相の最近の発言は、習近平国家主席を暗に批判したものではないかと臆測を呼んでいる。習氏は今秋以降の続投が確実視されるものの、共産党内では習氏の強硬路線に対する反発は小さくないようだ。李氏は「中国の開放はまだ引き続き進めなければならない。黄河と長江は逆流しない」と強調し、故鄧小平氏が唱えた改革開放路線の堅持を訴えた。習氏は、集団指導体制を取り入れた鄧氏より、個人独裁を進めた毛沢東の政治手法に近いと見られている。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン3σ下限下抜きから2σ上限に近づく、雲の上に出るか
日足、ボリバン3σ下限下抜きから2σ上限に近づく。雲中。8月30日-31日の上昇ラインがサポート。7月14日-8月31日の下降ラインが上値抵抗。5日線、20日線上向き。
週足、7月11日週-8月22日週の下降ラインを上抜く。8月1日週-8月15日週の上昇ラインがサポート。
月足、7月は年初来高値から下落し陰線。8月は陽線。7月-8月の下降ラインが上値抵抗。6月-8月の上昇ラインがサポート。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
中国共産党大会、10月16日から開催
中国共産党が5年に一度の党大会を10月16日から開催する。この大会で習近平国家主席は前例のない3期目続投を確実にするとの見方が強い。
党大会の会期は通常1週間程度で、約2300人の党員が北京の人民大会堂に集まり、非公開で今後5年間の党指導部を選出する。
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