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FX/為替予想 豪ドル円の買い目線を継続、97円ブレイクで100円トライか!?「なっとく 豪ドル見通し」戸田裕大

なっとく豪ドル見通し

こんにちは、戸田です。

本シリーズでは、オーストラリアのマクロ経済政策などをもとに、豪ドルの現状や相場見通しについてお伝えしていきます。豪ドルの通貨売買のご参考にして頂ければ幸いです。

第23回目は「豪ドル円の買い目線を継続、97円ブレイクで100円トライか!?」です。

順を追ってご説明いたします。

目次

1.豪ドル相場の定点観測
2.豪ドルのファンダメンタルズは引き続き好調
3.AUD/JPYの押し目買い&ホールドがワークしそう

1.豪ドル相場の定点観測

まずは現在の豪ドル相場について状況を確認します。

豪ドル情報の一覧表
豪ドル情報の一覧表/Investing.comよりデータ取得し作成

AUD/USDは2週間で18pips上昇し、8月8日執筆時点で1AUD = 0.6926USDレベルで推移しています。7月末に米国の第2四半期GDPが公表され、2期連続のマイナス成長(テクニカル・リセッション)が確認されると米ドル高の調整が入り、その後に豪ドルは一時0.7050の手前まで上昇する局面も見られました。ただしその後にRBAで0.50%の利上げが公表されると、0.75%の利上げへと動いた米国との金利差が意識され、豪ドルは売られ0.6870レベルまで下落したのち、このレベルでは買い戻され現在の水準へと回帰しています。

AUD/JPYは2週間で0.30円下落し、1AUD=93.70JPYとなっています。8月の月初2営業日でドル/円に大きな調整が入り急落、このタイミングで豪ドルは90.50円レベルまで振り落とされて、買い持ちポジションを切らされた投資家も多かったと思います。一通りのストップを巻き込んだ後はするすると上昇し、結局2週間前とあまり変わらない水準まで戻ってきています。

ただし、このように豪ドルの水準が変わっていないにも関わらず、IMM通貨ポジションが大きく売り越された点は注目に値すると思っています。この点は豪ドルのファンダメンタルズと絡めてお伝えしていきます

2.豪ドルのファンダメンタルズは引き続き好調

本コラムではこれまでに現在のオーストラリア経済について歴史的にみて好調であり、非常に底堅いと繰り返しお伝えしてきました。この状況は現在も変わっておらず、引き続き非常に堅調な経済活動が観測されています

具体的にはオーストラリアの失業率は過去最低水準にあり、賃金上昇圧力は高まっています。また貿易収支は引き続き過去最高を更新し続け、外貨獲得が増え、実需の外貨売り、豪ドル買いが増えているはずです。

そう言った中で、国内の賃金上昇圧力や、グローバルなインフレ圧力の高まりから、徐々にオーストラリアもインフレ対策に迫られている状況です。

直近のRBA金融政策決定会合においては0.50%の利上げが実施され政策金利が1.85%まで引き上げられました。ですが、同報告において、2022年末の消費者物価指数の見通しが7.75%と高いことが確認され、RBAが更なる利上げに迫られていることが判明しました

これまで米ドルの利上げが豪ドルよりも先行していたこともあって、豪ドルに対しても米ドル高が進んでいました。また米株が軟調に推移する中で、リスク資産としてのイメージが強い豪ドルも対米ドルでは軟調な推移が続いていました。

このような相場の流れの中で、将来についても米ドルに対しては豪ドルが弱含むと見る向きも多く、IMM通貨ポジションでは豪ドルのネットショートポジションが大きく積み上がり始めています。

IMM豪ドル
外為どっとコム、ウェブサイトより

IMM通貨ポジションを確認出来るURL:https://www.gaitame.com/markets/imm.html

これら投資家は豪ドルが米ドルに対して下落すると思ってショートポジションを増やしているわけですが、一方で最近の豪ドルは少しずつ値上がりに転じていますので、徐々に投資家のポジションは「ペイン」、つまり傷み始めているということになります。したがって追加では売りづらいですし、さらに豪ドルが上昇する場合には損切りでショートポジションの買戻しをしなくてはなりませんので、上昇の着火剤となる可能性もあると見ています

これらを総合的に考えると、豪ドル上昇の機運は高まりつつあると感じています。

3.AUD/JPYの押し目買い&ホールドがワークしそう

まずAUD/USD相場については持ち直しの動きが見られており、直近は0.69あたりが底堅くなってきた印象です。ダウントレンドが続いていると見る方もいらっしゃるそうですが、例えば米国のGDPが2期連続のマイナス成長(テクニカル・リセッション)を記録するなど米景気が折り返しに入っていることや、前述の通りオーストラリア経済が極めて好調であることを考慮すれば、あまりチャートが下向きであることに拘っている必要はないかと思います

AUD/USDチャート
AUD/USDチャート、日足/外為どっとコム、外貨ネクストネオより

したがって私は損切りラインを決めて、豪ドル買いのオペレーションで臨む方針です。ただしAUD/USDの買い持ちはスワップポイントがまだマイナスになってしまいますので、本格的な買いが入るのはスワップポイントが逆転した時であろうと考えています。

AUD/JPYは買いから入った方が良いでしょう。スワップポイントも付きますし、チャートをご覧頂いても押し目では相応に買いが入ってきますので、安いところで買えれば数週間~のポジションを持つことも出来るはずです

AUD/JPYチャート
AUD/JPYチャート、日足/外為どっとコム、外貨ネクストネオより

ドル/円に調整が入ったところをAUD/JPYで拾っていくと、今後は、案外ドル/円よりも伸びる機会が増えていくとみています。米ドルがやや腰折れ気味の中では、AUD/JPYの買い持ちは有効な投資手段になると思います


本日は以上となります。

引き続き、みなさんのお役に立つ記事を作成してまいりますので、応援して頂けますと幸いです。


<参考文献>
文中に記載しています。


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株式会社トレジャリー・パートナーズ 代表取締役 戸田裕大氏
2007年、中央大学法学部卒業後、三井住友銀行へ入行。10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、 日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。2019年9月CEIBS(China Europe International Business School)にて経営学修士を取得。現在は法人向けにトレジャリー業務(為替・金利・資金)に関するサービスを提供するかたわら、為替相場講演会に多数、登壇している。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022 年)。
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