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FX/為替予想 豪ドル/円は押し目買いの好機!?オーストラリア史上最強のファンダメンタルズ「なっとく 豪ドル見通し」戸田裕大

なっとく豪ドル見通し

こんにちは、戸田です。

本シリーズでは、オーストラリアのマクロ経済政策などをもとに、豪ドルの現状や相場見通しについてお伝えしていきます。豪ドルの通貨売買のご参考にして頂ければ幸いです。

第22回目は「豪ドル/円は押し目買いの好機!?オーストラリア史上最強のファンダメンタルズ」です。

順を追ってご説明いたします。

目次

1.豪ドル相場の定点観測
2.過去最高を記録したオーストラリアの貿易黒字
3.強まる豪ドルの利上げ織り込み
4.AUD/USDよりもAUD/JPYの押し目買いに妙味あり

1.豪ドル相場の定点観測

まずは現在の豪ドル相場について状況を確認します。

豪ドル情報の一覧表
豪ドル情報の一覧表/Investing.comよりデータ取得し作成

AUD/USDはこの2週間で58pips上昇し、7月24日執筆時点で1AUD = 0.6908USDレベルで推移しています。米ドル高の勢いに呑まれて一時は6.70を割り込む時間帯もありましたが、このレベルでは買いが優勢となり、再び上昇しています。

AUD/JPYはこの2週間で0.61円上昇し、1AUD=94.00JPYとなっています。この間のドル円はほぼ横ばいですので、AUD/USDの上昇分が支えとなって上昇した格好です。なお、コモディティ価格が引き続き底堅く推移したことも、豪ドル買いにつながったものと考えています。

2.過去最高を記録したオーストラリアの貿易黒字

現在、オーストラリア経済の好況ぶりは目を見張るものがあります

7月に入って発表されたオーストラリアの5月貿易収支は159億豪ドルの黒字と過去最高を記録しています。貿易黒字の増加は外貨の獲得を意味し、その後に獲得した外貨を売って、自国通貨を買うため、直接的な通貨高要因となります。

オーストラリアの貿易収支
オーストラリアの貿易収支/Investing.comよりデータ取得し作成

また特に重要な雇用関連指標についても好調です。失業率はこちらも過去最低となる3.5%へと低下し、たしかな賃金上昇が見られています。

オーストラリアの雇用統計
オーストラリアの雇用統計/Investing.comよりデータ取得し作成

インフレ率も第1四半期は5.1%まで上昇していますので、7月27日の第2四半期の消費者物価の上昇幅にもなおさら注目が集まることでしょう。

3.強まる豪ドルの利上げ織り込み

こういった強いファンダメンタルズを反映する形で、豪ドルの利上げ織り込みも上昇しています。現時点では米ドルの政策金利水準が先行して上昇しているものの、金利先物市場に目を向けると、来年早々には両国の政策金利水準の逆転が起こり、以降は豪ドルの政策金利が先行する予測が大勢を占めています

豪州と米国の利上げ織り込みを比較した図
豪州と米国の利上げ織り込みを比較した図/CME GroupとASX よりデータ取得し作成

こういった利上げの見通しが投資家の間で共有されていることを考えれば、豪ドルが下押しする展開となる場合には相応に買いも入りそうですし、底堅い展開になりそうだと見ています

4.AUD/USDよりもAUD/JPYの押し目買いに妙味あり

オーストラリアのファンダメンタルズが非常に強いとは言え、米ドル高相場の中で、AUD/USDは引き続き綱引き状態にあります。豪ドルを対米ドルで買い持ちする場合にはスワップポイントがマイナスになってしまうこともあり、中期で保有することが難しいという点も積極的に豪ドルが買われにくい要因になっていると推測します

AUD/USDチャート、日足
AUD/USDチャート、日足/外為どっとコム、外貨ネクストネオより

チャートとしてはレンジの下限を0.67、上限を0.70でみています。0.70をクリアに上抜け定着してくるようだと、一段と底堅さが出てくるのではないかとみています。一旦は押し目買いの方針で、しばらくはあまり大きな上値更新は期待せずに取引していきたいと考えています

AUD/JPYは押し目買い方針で良いと考えます。スワップポイントも付きますし、オーストラリア経済と、日本経済のファンダメンタルズも対照的ですので、売る理由はあまりないです

AUD/JPYチャート、日足
AUD/JPYチャート、日足/外為どっとコム、外貨ネクストネオより


トレンドラインでも良いですが、90日の移動平均線をピンク色で描画しています。概ねこのラインで支えられて上昇していますので、ドル円が大きく崩れない限りはこの辺りで押し目買いを入れていくと勝ちやすいと考えています

本日は以上となります。

引き続き、みなさんのお役に立つ記事を作成してまいりますので、応援して頂けますと幸いです。


<参考文献>
文中に記載しています。

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株式会社トレジャリー・パートナーズ 代表取締役 戸田裕大氏
2007年、中央大学法学部卒業後、三井住友銀行へ入行。10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、 日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。2019年9月CEIBS(China Europe International Business School)にて経営学修士を取得。現在は法人向けにトレジャリー業務(為替・金利・資金)に関するサービスを提供するかたわら、為替相場講演会に多数、登壇している。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022 年)。
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