パトさんは得意の”スキャルピング”で、短期間に250万円を超える利益を獲得している専業トレーダーです。大学卒業後の数年間、就職浪人としてつらい毎日を過ごしながら、必死にFX取引の研究を続けて2014年のスコットランド独立問題で起きたポンド乱高下をきっかけに、スキャルピングで利益を上げられるようになり、公務員ではなく専業FXトレーダーとして道を選びました。FX取引で「資産1億円」を目指すパトさんに、これまでの苦難の道のり、大事にしているトレードルールなどについて伺いました。
ハンドルネーム :パト
年齢性別 :30代男性
職業 :専業トレーダー
FX取引歴 :13年(専業7年)
収支 :約1年間で250万円超(2021年1月~2022年2月取材申込時点)
トレードスタイル:スキャルピング、デイトレード
投資商品 :FXのみ
趣味 :FX、サッカー
▼目次
1.子どものころからお金を増やす仕組みに興味があった
2.お年玉とバイトで貯めた100万円でスタート
3.資金のほとんどを開始数カ月で失う
4.利益を出し続ける方法を追求する決意
5.「この世に投資がなかったら」と恨んだ暗黒期
6.スコットランド独立問題でポンド乱高下が転機に
子どものころからお金を増やす仕組みに興味があった
編集部:- FX取引に興味を持ったきっかけは?
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パトさん: - 子どものころから、政治や経済、歴史など、いろいろなことに興味がありました。その中でも特に知りたかったのが、お金の仕組みでした。「世の中には働かないで暮らしている人がいる」ということに気付いたんです。ところがその一方で、学校や両親からは「毎日一生懸命に働くことが正しい」と、私たちは小さいころから教えられます。
編集部:- 自らの労働力を提供するのではなく、持っているお金に働いてもらう資本家という存在を小学生のころから意識されたんですか!パト少年の心に、資本主義の仕組みに対する疑問が膨らんだわけですね?
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パトさん: - ええ、だから、小学生のころから株や投資に興味を持っていました。高校生、大学生と大きくなり、「どうすればお金は増えるのか」という具体的な方法に興味を持つようになり、最終的にFX取引での資産運用に辿り着きました。
編集部:- お金を増やす方法なら、FX取引以外にもたくさんありますよね。その中でFXを選ばれた理由は?
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パトさん: - 昔(法規制前)はものすごくハイレバレッジでしたよね。だから「FX取引は『投機』に向いている」と思ったんです。ちょうどサブプライムローン問題が起きて、ものすごく円高が進み経済アナリストが「今が(外貨の)『買いどき』です」と言っていたんです。
高金利通貨の代表格である南アフリカランドは、以前は1ランド=30円程度だったのに1ランド=11~14円をうろうろしていました。「バナナのたたき売り」なんてことも言われていました。
当時の私は、FX取引で長期運用すると(金利差収入にあたる)「スワップポイント」がつくという仕組みすら知りませんでした。「金融商品にはこんな魅力的なものがあるんだ」と思ったんです。
編集部:- 短期的に利益を増やす方法として、FX取引は一番効率がいいと思ったんですね?
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パトさん: - 自分が研究し続けて発見した攻略法で運用益を獲得するということと、老後生活のための資金を作る資産運用の両方を私は追求したかったんです。その両方を満たしてくれるのがFX取引でした。
お年玉とバイトで貯めた100万円でスタート
編集部:- 実際にFX取引を始めたのはいつ頃からですか?
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パトさん: - 2008年の夏です。大学4年生のときでした。
編集部:- FX取引の運用資金はどうやって用意したのですか?
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パトさん: - 子どものころから貯めていたお年玉と大学1年生から始めた塾講師のアルバイトで、100万円以上の貯金がありました。
資金のほとんどを開始数カ月で失う
編集部:- 始めたころの運用成績はいかがでしたか?
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パトさん: - ドル/円で短期売買しながら、長期運用目的で南アフリカランド/円を保有していました。実は始めて数カ月で30万円の利益を上げました。これは本当にビギナーズラックなんです。当時の私はチャートもほとんど読めませんでした。利益が出たときに決済して、たまたま損切りもうまくできて、そこそこのレバレッジで運用していたからです。
ところがこの年に「リーマンショック」が起きて、南アフリカランドの損切りラインだった7円までランドが下がってしまったんです。結局、強制ロスカットになって、130万円くらいを失いました。
編集部:- 資金の大半を強制ロスカットで失ったんですね。コツコツ貯めてきたお金を運用で一気に失うというのは、かなりショックのような気がしますが、パトさんは大丈夫でしたか?
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パトさん: - う〜ん、実はお金を失ったショックは、あまりありませんでした。長い人生の中での100万円は、それほど大きなものではないと思いましたし投資は一生続けるつもりでしたので、「これから取り戻せばいい」と思いました。
編集部:- まだ大学生なのに、そう思ったんですか?
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パトさん: - そうですね。ただ、まだ自立もしていない身なのに、親やお年玉をくれた親戚に対して、「申し訳ない」という思いはありました。当時の私は21歳でした。今にして思えば、それでよかったのだと思います。若くして学ぶことができましたから。
利益を出し続ける方法を追求する決意
編集部:- なんだか凄く達観してますね。大学生とは思えないです。「もう怖いからやめよう」とはならなかったんですね。「失敗から学べば利益を獲得できる」という自信があったんですか?
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パトさん: - いや、実は自信はありませんでした。ただ、資産運用はどのみち必ずやることになるし生涯にわたって勉強するつもりでいましたから。FX取引の世界には数億円規模の財産を築いたトレーダーとか、専業トレーダーで生活している人とか、実際に実在しているわけです。彼らは利益を出し続ける方法が分かっているのだと思いました。つまり、「彼らの存在は『どこかに利益を出し続けるための答えがある』ということなのだから、失敗したからといって、FX取引をやめてしまうのではなく、むしろその答えを突き詰めていこう」と思ったんです。
編集部:- 大学卒業後に就職はされなかったのですか?
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パトさん: - 安定した公務員になって、趣味とFX取引を楽しもうと公務員試験を3年ほど受けたんですがリーマンショック後の不況で、公務員試験の倍率も高く、なかなかうまくいかなくて、結局あきらめてしまいました。
編集部:- 失業率も10%を超えているような時期でしたね。
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パトさん: - 収入も低く、好きでもない仕事をするために会社員になるくらいなら、自分で何か事業を立ち上げようと思っていました。将来への不安はありましたが、つらくてもやりがいがあって楽しい人生を選択したいと思っていたんです。他人から評価されるのが嫌いで自分の実力を証明したいとも思っていました。
編集部:- 手持ち資金の大半を強制ロスカットで失い、取引再開するための資金はどうされたのですか?
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パトさん: - わずかに残った資金にアルバイトで稼いだ分を入金しました。でも10万円くらいでしたね。公務員試験を受けている間も雇用統計などは必ず見ていました。データを取りながら、空いた時間で売買を続けていました。
「この世に投資がなかったら」と恨んだ暗黒期
編集部:- 公務員試験をあきらめた後は、どうされていたのでしょうか?すぐに資産運用開始ですか?
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パトさん: - 正直言って、20代半ばからの数年間は人生で最もつらい時期でした。公務員から行政書士に方向転換して、資格を取得するための勉強を始めました。そのときもFX取引は続けていましたが、昼夜が逆転する毎日で、あまり勉強に身が入らず、チャートを眺めては攻略法を考えて「これもまたダメか」と絶望する毎日でした。
編集部:- お話を聞いているだけでも胸が苦しくなってきます。
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パトさん: - FX取引の研究は、学校の勉強とは違って、1日ごとに成果を可視化できません。これまでやってきたことが、果たしてプラスになったのか。そして、自分が正しい努力を続けているのかもわかりません。あてもなく暗闇をひとりでさまよい続けている感覚でした。「もし投資というものがこの世になかったら、自分は幸せになれたのかな?」などと考えるくらいでした。
スコットランド独立問題でポンド乱高下が転機に
編集部:- それが今や専業トレーダーですね。転機はいつだったんですか?
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パトさん: - 27歳のときでした。2014年にスコットランド独立の可否を問う住民投票がありましたよね。ポンド/円相場が激しく動いていました。私は「これだけの値動きがあれば、秒単位の動きでもスキャルピングで十分な利益が取れるんじゃないか」と直感しました。そこで1分足の中の動きに着目し、かなりのサンプルを集めて研究を進めると、割と早い段階で自分の仮説が”ヒット”したんです。あとはリスク・リターンのバランスを考え、期待値を高め、エントリー、損切りの条件を決めて、実際にトレードしながら、少しずつ修正を加えていきました。
編集部:- なるほど、その手法の収益性が高かったんですね。
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パトさん: - そうです。その手法で続けてみると、3カ月後には利益が得られるようになりました。FX会社によっては、この手法で利益を上げすぎると口座を凍結してしまう方針のところもあるので「手加減」していたくらいです(笑)。もし普通にやれば相当稼いでいたと思いますね。
編集部:- なるほど、それがFX取引に対して自信を持たれるきっかけだったんですね?
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パトさん: - そうですね。それで専業トレーダーになることを決意しました。
マネ育PickUp編集部より
子どものころから「お金が増える仕組み」に興味があったというパト氏。そんな彼が「投資」よりも「投機」の研究に没頭したのは必然だったのかもしれません。後編ではより具体的な投資手法や将来の目標について伺います。
(後編に続く)
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】
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