総括
FX「人民元円とドル円チャートはそっくり。本日製造業PMI」人民元見通し
(通貨7位(7位)、株価15位(14位))
予想レンジ 人民元/円 18.9-19.4
(ポイント)
*本日製造業PMI
*人民元円とドル円チャートはそっくり 元がドルとペッグしているようなもの
*米中貿易不均衡は異常に大きいが人民元為替への圧力はない
*中国株は弱い
*経済安定化策を早期導入へ
*ウクライナ紛争に関し中露の結束が強い
*人民元は3月28日19.587と年初来最高値更新。2015年8月以来の高値
*1人当たりGDPが世界の「高所得国」入りに近づく
*消費者物価は低い0.9%
*2022年のGDP目標は5.5%
*軍を海外派遣する根拠法を整備へ
*中国の外資導入は昨年再び過去最大
*EU、中国と4月1日に首脳会談へ
*米国は中国の半導体企業に制裁を加えたため半導体が不足している
*海外投資家による中国国債保有高が最高
*21年のGDPは前年比8.1%増で、予想の8.0%増を上回った。
(人民元の柔軟性を唱えるも実現していない」
米中がいくら対立しようが人民元は安定している。香港ドルはペッグ制でドルとともに動く。人民元はドルの構成比率の高いバスケット制度を採用しているので、これもドルの動きに連れて動く。従って人民元円のチャートはドル円とそっくりになる。ただスワップは人民元が高いか。中国政府は常々人民元相場の市場化、柔軟性を唱えるもまったく実現していない。
(本日は製造業PMI発表)
本日は3月政府版製造業PMI、非製造業PMI、総合PMIが発表される。予想はそれぞれ
49.9、50.2、49.9と2月の実績50.2,51.6、51.2から低下する
(米中貿易不均衡は異常に大きいが人民元為替への圧力はない不思議)
2021年の米国の財の貿易赤字は1兆907億ドル、中国の貿易黒字は6764億ドル、米の対中赤字は3553億ドル。日本の貿易黒字が膨大でドル円を240円から120円へ円高にしたプラザ合意時代の日本の黒字は500億ドル程度。対米黒字は60億ドル程度であった。ただ米国は日本に課したように人民元を急激に上昇させる圧力はかけていない。これが日本と中国の国力の差か。米国は必ずしも合理的に動くわけではない。中国が日本の急激な円高での「失われた20年」の弊害を見ているからかもしれない。
(当局は人民元の柔軟性を強調するが実際はドルと共に動く)
中国国家外為管理局(SAFE)は、人民元相場の柔軟性を引き続き維持し、外的ショックによるリスクを積極的に防止・軽減するとの方針を示した。
SAFE「中国の金融市場は一段と開放的され、債券・株式は健全な投資価値を有している」と指摘。「外国人投資家が中国資産への配分を増やす余地は依然大きく、長期的で安定的な資金流入に適している」との見方を示した。経常収支について、新型コロナウイルスのパンデミックによる国際貿易への影響が弱まるにつれ、中国の輸出の伸びは高水準のベースから鈍化する可能性が高いとの見通し。
しかし経常収支の黒字は妥当な水準にとどまると指摘。2022年の経常収支は相応の黒字になるとの予想を示した。
(株価は弱い)
中国の株価は弱い。上海総合指数は年初来マイナス10.25%。コロナ感染拡大でロックダウンされ景気停滞観測がでたこと、ウクライナ問題でバイデン大統領が「中国がロシアを支援すれば、それなりの代償を負う」としたことで、中国への経済制裁も連想され急落した影響は続いている。
(中国、経済安定化策を早期導入へ)
政府は経済安定化策を可能な限り早期に導入する方針を示した。経済への下押し圧力が増大しているためという。中国では新型コロナウイルス感染が再拡大し、金融の中心地である上海でロックダウンが実施されている。
テクニカル分析(人民元/円)
ボリバン3σ上限から反落、連続陰線
日足、ボリバン3σ上限から反落。連続陰線は3月4日以来。3月28日-29日の下降ラインが上値抵抗。3月7日-15日の上昇ラインがサポート。5日線、20日線上向きだが5日線がなだらかに。はるか雲の上。
週足、上ヒゲが長くなった。ボリバン3σ上限を一時上抜く。3月14日週-21日週の上昇ラインがサポート。はるか雲の上。
月足、ボリバン2σ上限上抜く。1月-2月の上昇ラインがサポート。雲の上。
2020年8月より月足の陰線は2回だけ(18か月で、寄り引き同時が1回)。
年足、21年は大陽線。20年-21年の上昇ラインがサポート。15年-21年の下降ラインを上抜いて22年スタート、ここまで陽線。
チーファンラマ
中露協力
王毅外相は、ラブロフ外相との会談後、中国とロシアはウクライナ危機の中で二国間関係の発展と協力強化に関して「一段と決意を固めた」と述べた。
また、王外相は、中ロ関係は「国際的混乱の試練を克服」したとし、両国が「耐性を増した」関係を発展させる意思を強めたと述べた。「中ロ協力、覇権反対、安全保障の保護、平和達成への取り組みに制限はない」とし「中ロ関係は、非同盟、非対立的で、一切の第三者を標的としていない」とした。
ロシア外務省は「双方は、米国とその衛星国の違法で一方的な対ロシア制裁は非生産的な性質を持つと指摘した」と述べた。
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