“Sell on rumor, buy on fact.”

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ついにロシアがウクライナに侵攻した。

侵攻前からロシアが新ロシア派武装勢力が独立を宣言していたウクライナ東部の二つの人民共和国の独立を認めたり(リスク・オフ要因)、バイデン大統領がロシアと戦闘する意思はないと表明したり(リスク・オン要因)、米露の外相級レベルの会談や、フランス・マクロン大統領の斡旋による米ロ首脳会談開催のニュース(リスク・オン要因)などで市場は右往左往していたが、24日のロシアがウクライナに侵攻したニュースでリスク・オフの動きは最高潮となり、避難通貨と目されるドルと円が買われて欧州のユーロ、そしてポンドが大きく売り込まれることとなった。

原油価格も一時1バレル当たり100ドルを超え、ニューヨーク株式市場ではダウが朝方859ドル安まで急落した後92.07ドル高で引けるなど大荒れの展開となった。

24日、買われた通貨同士のドル・円は一時円買いが勝って114.42の安値を付けたが株価の上昇に伴うリスク・オンの動きでドル売り&円売りの動きとなって今度は円売りが勝り、結局は115.52の高値引けとなった。

ドル・円の動きに比べてユーロ・円のそれは極めて荒っぽいものであった。
リスク・オフのドル買いによるユーロ安、そして円買いによる円高でユーロ・円は127.93まで下げたが、その後の株高によるリスク・オンのドル売りによるユーロ高、そして円売りによる円安でユーロ・円は130.04まで急激に値を戻した。

24日の侵攻後のリスク・オフからリスク・オンへの急激なセンチメントの変化が起きた訳であるが、その理由として米国が発表した追加経済制裁の内容にプーチン大統領自身への制裁や決済ネットワーク(SWIFT.)からのロシアの排除が含まれなかったことや、市場の格言であるSell on rumor, buy on fact.=(噂で売って、事実で買う。)通りに、一旦下げ切ったところでの大きな買い戻しが入ったと思われる。

ウクライナでの状況に大きな変化が見られない中、リスク・オフからの巻き戻しは翌25日も続き、ダウは1日の上昇率としては2020年11月以来最大の上げを記録して834.92ドル高で引け、ナスダックとS&P.も大きく値を戻した。

週明け本日はリスク・オフの巻き戻しの流れが続くかと思われたが、一時はロシアのSWIFT.からの排除に反対したドイツとイタリアが賛成に回ってロシアがSWIFT.から脱退を強いられると言うニュースや、プーチン大統領が核兵器の使用の可能性を示唆したことが伝わると再びリスク・オフの動きとなり、週明けのオセアニア市場ではドル・円が115.10台で窓を開けて始まり、ユーロ・円に至っては2円以上の窓明けの128.10台で始まった。

SWIFT.問題はロシアにとって大きな痛手になろうが、輸出入決済が出来なくなるロシアだけではなく、ロシアから天然ガスや小麦を輸入している西側諸国もそれらの物資が入って来なくなりこちらも大きな痛手となる。
正にこれは諸刃の剣である。
成り行きが注目される。

本日、日経平均は一時210円以上下げたが、引けは凡そ50円高でリスク・オフは解消されている。
但しニューヨーク・ダウ先物は午後3時現在で凡そ530ドル安で取引されており、ニューヨーク株式市場での動きが注目される。

今週の2日と3日にパウエルFRB.議長の議会証言が予定されており、ウクライナ情勢悪化に伴うリスク・オフの動きを見て従来のタカ派的なスタンスの変更が有るか否かが注目される。
個人的には一時盛り上がった3月の0.5%の利上げの可能性は無くなったとみている。
パウエル議長の発言が思った以上にハト派的な物であれば金利は下落してドルにはネガティブであるが、株価にはポジティブとなってドルは売り難い。
ウクライナ情勢と共にパウエル発言にも注目したい。

余談であるがウクライナ侵攻を行っているロシア軍が相当な人的・物的損害を被っているらしい。
アメリカは自国軍は投入しないものの、ウクライナに対して最新兵器の提供を申し出た。
ウクライナは制空権は奪われたものの市街戦になれば双方に大きな被害が出る事は必至であるが、果たしてこの状況はプーチン大統領にとって想定内なのであろうか?

ロシア国内でも戦争反対のデモが激しくなりつつある。

窮地に陥り、戦術核の使用も辞さないと強がるプーチン大統領はこれからどう出るのか?

バイデン大統領の弱腰に付け込んで侵攻を続けるのか?
それとも内外の批判を考慮して停戦に応じるのか?(と言ってもロシアが一方的に始めた喧嘩なのだから、ウクライナとしても妥協に応じる筋合いは無いのだが..)

何れにせよ、ウクライナ情勢のニュースのヘッドラインに踊らされる現状では大きなリスクを取る価値は無いと考えている。


今週のテクニカル分析のドル・円相場の見立ては先週114.40のサポート・レベル(下値支持線)を切らずに上昇してきており、先週と違って今度は上サイドへのブレークに注意。
115.60を上切ると更なる上昇が見込まれるがウクライナ情勢を鑑みて、無理追いは慎みたい。

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