第49回衆議院選挙が終わり、大方の予想に反して(?)自民党が国会の安定運営に必要な261議席を確保し、連立先である公明党の32議席を合わせて連立与党は293議席となった。
先週の静岡での参議院補欠選挙で敗れ、衆議院選挙でも連立与党の苦戦が心配されたが、終わってみれば自民党は議席数こそ減らしたが連立与党では12議席を失っただけで政権運営には殆ど影響は無いことが確認された。
週明けの東京株式市場では日経平均株価が午前中一時771円も上げる場面が有ったが、まあ連立与党勝利へのご祝儀買いか?
勝ったとはいえ現職幹事長や元閣僚が小選挙区で敗れて中身は決して褒められたものではないが、まあ良しとしよう。
ドル・円相場は政局云々よりは株価上昇を受けてリスク・オン相場となり、114.25まで買われる場面が有ったが、まあ選挙結果が余り影響を与えることは有るまい。
先週は113.26の安値までの調整を見たが、今週開催されるFOMC.を控えて“下がったら買いたい。”参加者が多いと見られる。
4週間ドルの売り持ちポジションに転じていた我が国個人投資家は再び、ドルの買い持ちに転じた。
矢張り、ドルの売り持ちは長くは持ちたくない模様である。
シカゴ・IMM.の投機筋は依然として円の売り持ち(ドルの買い持ち)を保有しており、その残高(10月26日時点で約117億ドル)は過去の実績から見ても殆ど上限に近い。
111円台から114円台へのドル高&円安を演じた主要因はFOMC.を前にして金利差拡大の思惑や原油高が挙げられるが、これらの要因は変わっていない。
中長期的なドル高&円安の流れは変わらないと思われるが、上述したポジションの偏り(特にシカゴ・IMM.)には注意したい。
先週面白い記事を目にした。
大手生保10社の運用担当者にヒヤリングをしたところ、8社が現在の円水準を“安過ぎる。何れ円高に修正されるだろう。”との相場観を持ち、新たな為替リスクを取った外債投資に慎重であると言う。
相場が急上昇した折の常で、輸出は既に売りたい分は売っており、輸入や資本筋は買いそびれる傾向にあり、前者は無理をして売らず、後者は何とか買いチャンスを探しており、これがドルを底堅くするだろうとの自分の相場観の根拠にしていたのだが、生保が無理をして買わないのであれば我々も慌てる必要は無いかも知れない。
今週はFOMC.が開催され、週末には9月米国雇用統計の発表が有る。
FOMC.ではテーパリングの開始時期についてより明確にされると思うが、市場は相当織り込んでいるものと見られ、Sell on fact.=(噂で買っておいて、それが実現すると売る。)の動きには注意したい。
今週のテクニカル分析の見立てはレンジを意識して、113.60を下切れば更なる下落に留意し、114.30を上切れば114.80までの上昇も有るが深追いはしない。