親からの相続で金融商品を手にしたことから、投資の世界に足を踏み入れたという介護福祉士のFさん。2019年1月のフラッシュクラッシュでの大損失という痛い経験を糧に「利益が出ていたらポジションはすぐに決済」という手法で、今や毎月約100万円の利益を手にしています。介護の現場で毎日忙しく働くFさんに、仕事の合間を縫ってインタビューする機会をいただき、FXトレードの極意を伺いました。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものであり、また、お客様の収支については、「取材依頼時点」のものとなり、その内容については、当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
Tさん プロフィール
年齢性別 :50代男性
職業 :介護福祉士
FX取引歴 :4年
収支 :約1年半で1,000万円超(2020年1月~2021年取材申込時点)
トレードスタイル:デイトレード
投資商品 :FX、個別株、投資信託
趣味 :ゴルフ、サッカー
▼目次
1.遺産相続が投資のきっかけに
2.FXはスマホだけ
3.動きのある「ポンド/円」が合っている
4.“フラッシュクラッシュ”で強制ロスカット
5.チャートは日足と1時間足
6.「利確」を先延ばしにしない理由
7.損切りも利確も必ず成り行きで
8.テクニカルは長期移動平均線
遺産相続が投資のきっかけに
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編集部: - 投資を始めたきっかけから教えてください。
Fさん:- 父親が亡くなり、遺産を相続したんですが、その中に株式があったんで、自分で株式投資をすることになりました。その後、以前働いていた会社の後輩がFXをやっていることを知り、なんとなく興味があったことから、「自分でもできそうだな」と思ってFX投資を始めることにしました。
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編集部: - FX投資は外為どっとコムが最初ですか?
Fさん:- 実は2社目なんです(笑)。株式投資の口座がある会社で、FX口座も開設したんですが、「外為どっとコムはスプレッド幅が狭いからコストがかからないよ」と、後輩から勧められたので、御社で口座を開いたんです。それ以来、FXは全部御社でやっています。
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編集部: - どうもありがとうございます! Fさんの後輩にお礼を言わないといけませんね(笑)。
Fさん:- いやいや(笑)。
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編集部: - FXと株式とでは、同じ投資でも全然違いますよね。FXを始めたときは、分からないことだらけだったんじゃないですか?FXの勉強はどのようにされましたか?
Fさん:- FXの初歩的なことは、後輩にすべて教えてもらいました。
FXはスマホだけ
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編集部: - FXの相談は、なかなか他人にはしにくいようで、書籍を読んだり、ネットで勉強したりする人も多いようなのですが、Fさんは後輩がいて良かったですね。ところで、最初から取引アプリでスムーズに売買できましたか?デモトレードなどは使いましたか?
Fさん:- 私は「デモトレには意味がない」と考えていました。自分自身の資金を実際に使っていないから、やっぱり「本気度」が違ってくると思っていましたから。
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編集部: - どのような環境で取引されているんですか?
Fさん:- 私は完全にスマホだけです。デスクトップPCなどはまったく使いません。チャートもスマホ画面でしか見ていませんよ。取引の全てをスマホだけで完結させています。
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編集部: - そうなんですか!スマホだけで、あれだけの運用成績を出されているんですか?それはちょっとお驚きました。
動きのある「ポンド/円」が合っている
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編集部: - FXを始めたときの通貨ペアはなんですか?
Fさん:- 「ドル/円」と「ポンド/円」です。
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編集部: - 「ポンド/円」を選ばれたのは、やはりボラティリティがあるからですか?
Fさん:- そうですね。イギリスのEU離脱が大きな問題になったころから、ポンド相場がどういう動きをするのかを見てきました。あのときはすごく動きましたよね。離脱が認められた年は、ポンドだけじゃなく、NZドル、豪ドル、カナダドルなど、いろいろな通貨ペアでやっていたんですが、最終的には、「ポンドが自分には合っている」と思い、今もポンドを重点的に取引しています。
“フラッシュクラッシュ”で強制ロスカット
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編集部: - FXを始めたときの運用資金はどのくらいでしたか?
Fさん:- 最初は70万円程度を口座に入金して始めました。その後、追加でまた70万円程度を入れて、運用資産を140万円程に増やしました。
2019年1月3日の「フラッシュクラッシュ」で、ポジションが強制ロスカットされてしまったんです。その結果、140万円の資金は70万円と半減してしまいました。 -
編集部: - 資金がいきなり半分ですか!そんなことが起きると、「怖いからFXはやめよう」と考える人も少なくないと思うんですが、Fさんはそうなりませんでしたか?
Fさん:- う〜ん、私はやめようとは思いませんでしたね。逆に「ポジションを持ち過ぎないようにすればいいんだ」と反省し「1年で損失を回復させよう」と決意しました。だからそのままFX取引を続けるこを決断しました。
チャートは日足と1時間足
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編集部: - それにしても、最近は毎月100万円くらいの利益ですよね。本当に素晴らしい成績です。ズバリ伺います。どのような取引手法をされているのですか?
Fさん:- チャートを日足で見て、「下がりそうだな」と感じたときに、1時間足で確認して、チャートが上がっていたら、「売り」を建てます。「日足で下がりそうなんだから、結局、相場はこれから下がるんだ」と私は予測します。
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編集部: - ちなみに日足チャートは、どのくらいの期間を表示させますか?
Fさん:- 過去2~3カ月ですね。相場が下がり基調なら、下がってきたら、次はだいたい上がりますから、いったん上がったところで、「売建」のポジションをとります。それを繰り返しています。
私は本業の合間にFX取引を実施していますので、私がFXをできるタイミングは、次の現場への移動や、休憩時間という仕事の合間だけなんで、ポジションを確認したときに、ちょっとでも利益が出ていたら、すぐに決済するように心がけています。
「利確」を先延ばしにしない理由
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編集部: - 利益が出ていたら、すこしでもすぐに決済してしてしまうんですか?「もう少し利益を増やしてみよう」「決済するのは我慢しよう」とは思わないんですか?
Fさん:- 実は「もう少し待ったら利益出るかな」と、決済せずにそのままにしておいたことがあったんです。そうしたら、利益が増えないどころか、何度も痛い目にあいまして(笑)。
それなら利益があるうちに、すべて確定してしまおうと思いました。それ以来、アプリを開いたときに利益が出ていたら、そのポジションは「即、決済」です。これをコツコツと繰り返しているんです。 -
編集部: - 「利確」のタイミングを見計らうのは、初心者でなくても、かなり難しいと思うのですが、Fさんはどのようにタイミングを判断されているのでしょうか?
Fさん:- 特別なことはなくて、FXのアプリを開いたときに、利益が出ていたら、その瞬間に「即、決済」なんです。これが私のルールなんです。
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編集部: - つまり、10円でも、1円でも、とにかく利益が出ていたら、「利確」ということなんですね?そういう「欲張らない」スタイルが、最近の好成績をもたらしているのでしょうか?ところで、そのルールに気がついたのはいつですか?
Fさん:- う〜ん、1年くらい前ですかね。
損切りも利確も必ず成り行きで
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編集部: - それから毎月100万円程度の利益が出るようになったんですか?
Fさん:- それが理由かどうかは、正直、自分ではよくわかりません(笑)。
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編集部: - ただ、「完全に割り切る」というのが、Fさんの最重要ルールなんですね?
Fさん:- そうそう、そうですね。500ロットのポジションの利益が7,000円程度でも、迷わずに決済しますからね。
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編集部: - 事前に「損切り」や「利確」の指値注文は入れておかないのですか?ご自身でその都度、成行注文で決済されているんですか?
Fさん:- 完全にそうです。去年は、OCO注文(「損切り」と「利確」の両方を事前に注文する方法)などを試してみたのですが、成績がちょっとマイナスになってしまって、自分には合わないなと感じ、結局、事前注文の活用はやめました。
テクニカルは長期移動平均線
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編集部: - 一目均衡表とか、ボリンジャーバンドとか、いわゆるテクニカル分析はされていないのですか?
Fさん:- 長期の移動平均線は見ていますね。これが下がってきたら、「まもなく下がるだろう」と判断しています。ボリンジャーバンドは見ていませんね。RSIとMACDは表示させていますが、実は、たいして参考にはしていません。
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編集部: - ただ、このところの運用成績を見ていると、今、説明していただいたチャートの見方だけじゃないような気がするんですが。何かほかに秘密があるんじゃないですか?
Fさん:- ええっ(笑)。そんなこと言われても、私はそれしか見ていないですよ(笑)。チャートの「週足」も「月足」も見ていませんからね。しいて言うなら、国際情勢には注意をしていますかね。「コロナは今後も広がるのか、それとも収束するのか」みたいなことは、やっぱりFX取引の上で重要だと思いますね。
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編集部: - テクニカル分析だけじゃなくて、ファンダメンタルズもチェックされているということですね?
Fさん:- 「しいて言えば」ということですよ。ほとんどはチャートで判断していますから。
(後編に続く)
PickUp編集部より
エントリーしたポジションが、次にアプリを開いたときに利益が出ていたら、大小にかかわらず、決済してしまうというやり方で着実に利益をだしている介護福祉士Fさんの言葉は、「欲張り過ぎると投資は失敗する」という「戒め」のように聞こえます。後編ではさらに詳しく投資方法の秘訣に迫るとともに、ちょっと変わったジンクスや今後の目標などについて伺います。
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】
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