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景気減速で政策対応あるか 人民元は安定=月足見れば

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総括

景気減速で政策対応あるか 人民元は安定=月足見れば

(通貨4位 株価14位)

予想レンジ 人民元/円 16.7-17.2

(ポイント)
*人民元は対円で安定(月足はここまで寄り引き同時)
*景気減速で景気対策実施の可能性もあり
*7月の製造業PMIは4か月連続悪化
*7月財新サービス部門PMIは改善
*日本と比べるとコロナ感染者は少ない
*オンラインゲーム会社も締め付けの対象か
*企業締め付けで株が急落
*ハイテク産業、民間教育産業、フードデリバリー産業に対する締め付け強化
*一方、育児産業は優遇
*米中の制裁合戦は続く
*2QGDP、6月小売売上、鉱工業生産はまずまず
*人気の中国10年国債利回りは3%割れ
*米中首脳「遠からず」会談 秋か
*対米関係は悪化しているが貿易量は増加
*21年は8.4%の成長見通し
*経済問題でも政治問題でも外交で妥協しない姿勢が強い

(中国政府は海外投資家見通しを安定させようとするも、まだ効果なし)
ハイテク、不動産、学習塾産業に対する一連の規制が往々にして唐突に導入され、投資家の間に懸念が広がっている。7月は上海総合指数が5.24%、香港ハンセン指数が9.94%下落した。「改革開放の時代」から「統制の時代」へ移行する不安がよぎった。市場を閉鎖することもあるかとの恐怖もあった。ただ中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は、市場の対外開放を進め、外国人投資家の見通しを安定させる意向を示した。銀保監会は、予定通り完全に計画を実行し、海外投資家と国内投資家が公平に扱われる環境を確実に実現するとともに、外資の導入を禁止・制限するセクターの数を減らす方針を示した。
 中国政府は、先週の市場の混乱を受け、投資家の懸念払拭に動いており、海外証券会社に対し、規制の導入について「拡大解釈」しないよう呼び掛けている。

(7月製造業は4か月連続悪化)
7月の製造業・非製造業PMIが週末発表された。製造業は4か月連続、非製造業は2か月連続の悪化となった。今週の市場に影響するだろう。製造業の4か月連続悪化は、米中貿易戦争が始まった直後の18年9~12月以来だ。好不調の境目である50は上回ったが、コスト高が企業収益を圧迫し、景況感に影を落としている。

(7月財新サービス部門PMIは改善)
7月財新サービス部門PMIは54.9で、前月の50.3から上昇し、5月以来の高水準となった。景況改善・悪化の分岐点となる50を上回った。ただ、中国では新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染が拡大しており、景気回復の勢いをそぐ恐れがある。
7月のPMIは中国南部で新型コロナの抑え込みに成功した好影響があったと指摘。ただ、7月下旬以降のコロナ感染拡大が8月のPMIに響く公算が大きいとした。
 経済はいまだに非常に大きな下方圧力に直面しており、事業主の信頼感維持を図る必要がある。地方当局はコロナ感染予防のため、市民に外出を自粛するよう呼び掛けており、夏の需要期に望みをかけてきた旅行などの業界に打撃を与えるとみられる。

(人民元)
 人民元相場は株価のような下落はなかった。7月では対円で1.16%安、対ドルでは0.12%の上昇で、チャイナショックの影響はなかった。これこそ通貨バスケット制を採用しているゆえの安定だ。

(景気対策へ)
新型コロナウイルスのデルタ型変異株や洪水などのリスクが中国の景気回復を遅らせる恐れがある中、政策関係者はインフラ支出を加速させつつ、人民銀行が小幅な緩和措置で支援すると予想している。中国指導部は今年下期に経済成長が一段と減速し、解雇が広がる事態を阻止したい考え。しかし、債務リスク削減への長期の取り組みに逆行しかねない刺激策の拡大には消極的という。
中国経済は、予想以上に好調な輸出にけん引されてコロナ禍前の成長水準まで回復したが、消費や投資に弱さが見られ、景気拡大のペースは鈍化しつつある。
政府に助言する政策関係者は「経済への下向き圧力が増しているが、対応手段は十分にある」とし、「的を絞った景気支援を提供するには、財政政策のほうがより有効になる」と述べた。

(日本と比べるとコロナ感染者は少ない)
国家衛生健康委員会が8月4日発表した新型コロナウイルスの新規感染者数(3日報告分)は96人と、前日の90人から増加した。
新規感染者のうち国内で感染した人は71人で、前日の61人から増えた。
中国では7月下旬以降、感染力の強いデルタ変異株への感染が北京や武漢、重慶など少なくとも10以上の都市で確認されている。
8月3日時点で、中国本土の累計感染者数は9万3289人、死者は4636人。

テクニカル分析(人民元/円)

ボリバン下限から反発も中位へ届かず

 日足、 ボリバン中位と下限を往復。7月27日-8月4日の上昇ラインがサポート。8月2日-4日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
 週足、ボリバン2σ上限に達して下落。一時ボリバン中位を割り込む。4月26日週-7月26日週の上昇ラインがサポート。6月28日週-7月26日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、20年8月の対円15.11から始まった連続月足陽線は10か月で終り、11か月とならず。5月-6月の上昇ラインを下抜く。雲中。5月-7月の上昇ラインがサポート。
 年足、11年-20年の上昇ラインがサポート。18年-19年の下降ライン上抜く。 16年-18年の下降ラインも上抜く。

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チーファンラマ

テンセント株が急落、ゲームは精神的アヘン

 8月3日、テンセント・ホールディングス(騰訊)株が一時11%近く急落。国営新華社通信系の国営紙・経済参考報はゲームを「精神的アヘン」「電子薬物」だと批判し、テンセントはその後、12歳未満の子供に対する全面的なゲーム禁止に踏み切る可能性を示した。
 経済参考報による今回の厳しいゲーム批判などで、電子商取引や配車、オンライン教育産業を締め付けてきた中国政府がオンラインエンターテインメントを次の標的にするとの懸念が広がっている。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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