2020.東京オリンピックが23日の開会式を経て開催される。
個人的には余り興味が無いので感慨も何も無いが、心配なのはオリンピックを境にして新型コロナ・ウィルスが再び猛威を振るうのではないのかと言うことである。
報道によると続々来日する選手団や大会関係者の中から陽性反応が出るケースが多発しているらしい。
既に入国した人達は未だほんの一握り。
これから入国する選手や関係者の間から更に陽性反応者が出るのは当然ではなかろうか。
同じく報道によると東京都の新規感染者数は5日連続して1000人を超え、一旦収まった感のあったイギリスやアメリカでも日々の新規感染者数が各々5万人、8万人とじわじわと増えてきているらしい。
増加の理由はワクチンを受けたがらない人々が増えてきたことと、デルタ変異株という感染し易いウィルスが蔓延してきたことによるが、もしかしたらこの傾向が春からのワクチン接種率の上昇による世界の景気回復の期待を萎ませることになるのではなかろうか?
先ずはイギリス。
新規感染者数が急激な勢いで増えだしたにも拘わらずロック・ダウンは解除された。
ジョンソン首相は閣僚の一人から陽性反応が出たという事で自宅待機となっている。
1.42で頭を打って下げ基調にあるポンドは更に下げる確率は高かろう。
次はアメリカ。
現在ホームラン本数でトップを走る大谷選手の活躍をオールスター・ゲームで見たが、マスクをしている観客は殆ど居なかった。
此方もコロナ・ワクチンの非有効性を述べるSNS.などの影響でワクチン接種率が頭打ちとなり、バイデン大統領も頭を抱える状況だ。
良くは分からないが10年物債券利回りが一向に上がるどころか下げている現在の状況は、債券市場ではコロナの感染状況などを含め、先行きのアメリカ経済に対して疑問を抱いているのではなかろうか?
彼らの懸念が正しければ6月のFOMC.以来上げてきたドルは下げる可能性が高い。
ドル・円相場の21日、90日、200日の移動平均線を書き入れた日足ローソク足チャートを見ると6月はサポート(下値支持線)であった21日移動平均線が7月8日からレジスタンス(上値抵抗線)となり、じわじわと上昇してきた90日移動平均線がサポートとなって、同じくじわじわと上昇してきた200日移動平均線が下に伺える。
現在のドル・円相場は21日移動平均線である110.50と90日移動平均線である109.50の間に挟まれたレンジ内に収まっている感が有るが、109.50を下切ると200日移動平均線である107.00近辺までの調整の可能性を考えておいた方が良いかも知れない。
シカゴ・IMM.の投機筋は先週ネットで約1万3千枚の円の売り持ちポジション(ドル換算で約15億ドル)を手仕舞い、全体でネット5万6250枚の円の売り持ち(ドル換算で約64億ドル相当のドルの買い持ち)となった。
彼らが更に現在の円の売り持ちポジションの圧縮を図る様であればドル・円相場はレンジを下切って、下げに転じようか?
それに反して我が国個人投資家は先週大胆にドルの買い持ちに転じて現在は約15億ドルの買い持ちポジションを保有する。
またもや日米の大きな為替プレーヤーが相異なる相場観に則って行動しているのが見て取れる。
今週は22日と23日が休日となって4日間の長い連休となり、市場の流動性の低下が見込まれるが、アメリカ長期債券の利回りの急上昇が無い限り、レンジを意識しながら下サイドへのブレークに留意したい。
今週のテクニカル分析の見立ては109.50~110.50でのレンジで、109.50を下切れば108.80までの下落も有り。