専業トレーダーとしてやっていく自信がないと言いながら、約5年間で9,000万円超もの利益をあげる「GENE」さんは、コロナショックで一時1億円もの損失を出しながら、わずかな期間で損失を回復させた。その理由は「移動平均線の『形』を見る」独自の分析方法よりも、感情に逆らわず、感情と相談しながらトレードするというメンタルマネジメントにあるのかもしれません。その投資哲学と今後の目標などについて聞きました。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものであり、また、お客様の収支については、「取材依頼時点」のものとなり、その内容については、当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
GENE氏 プロフィール
年齢性別 ：30代男性
FX歴 ：約10年半
FX収支 ：約5年間で9000万円超え（㈱外為どっとコムのみでの収支）
トレードスタイル：デイトレード
投資商品 ：FX、株、CFD
趣味 ：クルマ、ゴルフ、楽器演奏、レストラン巡りなど
▼目次
1.最重視するのは1時間足
2.FXはストレス？！
3.投資家仲間はいなくても大丈夫
4.利益が出ている間は自分を変えられない
5.流れに逆らわず、今と今後を読む
6.毎日トレードが目標
7.長時間チャートを見続けられる人にFX投資は向いている
8.ルールに従うのではなく感情と向き合い相談することが重要
最重視するのは1時間足
編集部：- これまで「逆張り」主体でトレードしていたのを、「順張り」に変えたということでしょうか？もう少し具体的に、移動平均線の「形」でみる法則について教えていただけますか？
GENE：- 「長期足」に逆らわないようにしたんです。長期足にもいろいろありますよね。もし「1時間足」に逆らう場合は、それよりも長い「日足」に切り替えて移動平均線の「形」をみたら分かります。私がいちばん重視しているのは1時間足です。それよりも細かい値動きを取っていくために、「5分足」も出しておきます。
編集部：- 基本は「1時間足」なのですね？
GENE：- 最近の相場は円安の流れですよね。それに逆らわないように、「1時間足」が円安トレンドならその流れに乗っていきます。逆に、「1時間足」で円高トレンドのチャートになっている場合、移動平均線付近での「逆張り」はしないですが、乖離していたら、そこは本当にリバウンドしやすい。1時間足で逆張りでも、日足では順張りになっている。
編集部：- GENEさんは取引通貨ペアの種類が多いようですが、すべての通貨ペアで分析されているのですか？
GENE：- 「ドル/円」にしても、「クロス円」にしても、円に関しては大筋で似たような動きするじゃないですか。だから円は円で判断します。一方、「ドルストレート」はすべてチャートを見て判断します。
FXはストレス？！
編集部：- 専業トレーダーになって時間の使い方は変わりましたか？週末に分析を行い、翌週のトレードに備える等、なされるのでしょうか？
GENE：- いや、土日はまったく相場関係の情報は見ませんね。あんまり考えたくないんです。ストレスがたまっちゃうから（笑）。食事ができないときもあるくらいです。
編集部：- えっ、そうなんですか？
GENE：- FXを始めたころは楽しかったんですが、最近はまったく楽しくないんです。それでも数字を見たり、チャートを見たりするのは好きなので「24時間チャートを見ろ」といわれたら、ずっと見ていられます。そこは結構ポジティブなんです（笑）。でも、本当に毎日トレードするってなると、FXは結構つらいんです。
編集部：- それは収支を赤字にしてはいけないとか、必ず利益を出さなくちゃいけないとか、そういうプレッシャーを感じるからでしょうか？
GENE：- そういうことよりも、実際につらい経験をたくさんしてきましたし、将来そういう経験するのだろうなと思いながらトレードすると、なんだかFXがつらいものになるんです。
編集部：- 将来的にはFXをやめてしまうかもしれないということですか？
GENE：- 完全にやめるかどうかはわかりません。ただ、仕事を再開して、本業を営みながら前みたいに兼業トレーダーに戻る可能性は十分にあります。
投資家仲間はいなくても大丈夫
編集部：- ストレスの解消方法やメンタル面で何か意識して実践されていること等はありますか？
GENE：- そうですね。自分の部屋で大声を出して歌ったりします（笑）。声を出すと肉体的には発散されるものがあり結構お勧めです。気持ちはモヤモヤしたままですけれど・・・。
編集部：- 苦労を相談できるような投資家仲間はいますか？
GENE：- 投資家の友人は1人もいませんね。SNSもいっさいやりません。正直、SNSで情報発信しているようなトレーダーって、「ちょっとうさんくさいな」って思っているんです（笑）。投資でもうかっているようなフリをして、セミナーやサロンを開催しているんじゃないかなとか思っちゃうんです。本当はトレードで利益が出ていないかもしれない。私は正直かかわりたくないんです。投資とは関係のない、仲のいい友人が私にはいますので。投資家の友人が必要だとは思わないですね。
利益が出ている間は自分を変えられない
編集部：- これまでに起きた最大の失敗を教えてください。
GENE：- やはりコロナショックのときですね。完全に失敗しました。すでに損失を回復できたので問題はないのですが、ポートフォリオ全体で１億円程度の損切をしました。
編集部：- １億円の損切ですか。それは大きいですね。でも、そういうことを乗り越えてきたんですね？
GENE：- 失敗ばかりですよ。でも、失敗は起こるのが当たり前で、だからこそ、それをできるだけ減らすために、トレードスタイルや手法を変えていくことが大切なんです。
編集部：- リスクコントロールを常に考え、失敗を減らすために、やり方を変えていくのですね？
GENE：- 利益獲得が続いている間は、自分を変えることはできないでしょう。損失が出て初めてそれがきっかけになる。それの繰り返しなんだと、私は考え取り組んでいます。
流れに逆らわず、今と今後を読む
編集部：- 強制ロスカット等の経験はおありでしょうか？
GENE：- 一度もありません。でも、運がよかっただけだと思っています。
編集部：- 「運用資産」を増やすことに注力されてきたとのことですが、つまり、それは利益を出すために、高レバレッジにしなくてもいいようにしようという発想ですよね？
GENE：- そうです。2倍程度でも十分な利益を出せるようにするということです。
編集部：- FXでは「売り」でも「買い」でも利益追求できますが、どちらが得意とかはありますか？
GENE：- 先ほどもお話したとおり、長期足には逆らわないので、今なら「円売」です。ドルストレートも基本的にはロングポジション(買い)ばかりですね。長期足が下げトレンドになったら、今度はショートがメインになる。
編集部：- 逆の「形」になってくるということですね。大きな「流れ」に逆らわず、「今」と「この先」を、どうやって読んでいくかに重点を置かれているのですね？
GENE：- 「大筋」が間違っていなければ、トレードはなんとかなります。私は、そう捉え臨んでいます。
毎日トレードが目標
編集部：- FX投資で定めている目標等はありますか？
GENE：- 特にありません。目標を定めると、それを気にしてしまうので。だから数字的な目標はあえて考えないようにしています。あれこれ試算しても、絶対にそのとおりにならないですから(笑)。ただ、今は専業トレーダーなので、毎日トレードするようにしています。動かない日でもエントリーポイントは絶対にあると考えているので、なるべくそれを逃さないようにしています。
編集部：- 毎日トレードすることは大事ですか？
GENE：- そんなことは全然ありませんよ。「休むも相場」っていう言葉もありますしね。それは私の目標にすぎないので、おすすめしているわけでは決してありません。休むことも大事です。
編集部：- FX投資と向き合う日々は、どんな1日を送られているのでしょうか？
GENE：- 生活リズムはしょっちゅう崩れます（笑）。眠れないこともあるし、24時間起きっぱなしということもあります。ボラティリティ次第なんで、日本時間から「よし頑張ろう」ってときもあれば、ロンドン時間から取引開始するというときもあります。特に決まりはなく、その日の相場に合わせて日常生活が変わってしまっていますね。
編集部：- 相場次第なんですね？
GENE：- それでいうと、サマータイム中の日本時間16時から24時は必ず相場を見るようにしています。そこだけは外さないようにしています。それ以外の時間帯は相場情勢で異なりますね。
長時間チャートを見続けられる人にFX投資は向いている
編集部：- FXの楽しさを感じるときはどんな時ですか？
GENE：- エントリー後に、予想したとおりに相場が動いたときですね！
編集部：- これからFXを始めようか迷っている人から、「自分はFXをやるべきでしょうか？」と尋ねられたら、どう答えてあげますか？
GENE：- 絶対にすすめませんね（笑）。絶対にやめたほうがいいです。メジャーリーガーに交じって野球をするようなものですから。簡単に打てるわけがありません。FX投資で利益を追求するのは、それぐらいに厳しい世界なのだと私は捉えています。
編集部：- 「でも、みんな最初は初心者ですよね」って言われたら？
GENE：- 24時間チャートを見続けても苦痛を感じないなら、「やるだけやってみたらいいんじゃない」と、優しく伝えてあげます。初心者のうちに下手に「利益獲得できてしまう」と抜け出せなくなるんです。最初のうちは、そういう高揚感は、むしろ知らないほうがいい感情だと私は思いますね。
ルールに従うのではなく感情と向き合い相談することが重要
GENE：- よく「投資では自分なりのルールを作ってルールを破らないようにする」と言われますが、これって不可能だと思うんです。ルールを作るのは誰でもできます。でも、それを破らないことは、ほとんどの人ができないと思うんです。なぜなら感情が邪魔をするからです。むしろ、その感情とうまく付き合っていくことが大事だと思います。人間ガマンできないものはできませんから。それじゃあ、どういうことなら自分はガマンができるのか!?というのを、見つけることが大事じゃないでしょうか。
編集部：- なるほど。
GENE：- 実は、私は損切りが苦手です。だから、『損切りしなければいけない場面』で、自分の感情と相談して、どういうやり方で、どこまでだったら、「損切り」を許せるかを考えます。例えば「ポジションの半分までならいい」というようにです。感情をコントロールしようだなんて思わないほうがいい。絶対にできませんから(笑)。
編集部：- 本日は、貴重なお話をありがとうございました。
PickUp編集部より
人間の心は弱いものです。だからこそ、できないことをやみくもに守ろうとするのではなく、自分の感情と向き合いながら柔軟に対応する。客観的に物事を見つめられるタイプの人には、参考になる手法かもしれません。みなさんはいかがでしょうか。
【前編】
【トップトレーダーに聞く！インタビュー記事まとめ】
●免責事項
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
本サイトに掲載する情報には充分に注意を払っていますが、その内容について保証するものではありません。また本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであって、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスの閲覧によって生じたいかなる損害につきましても、株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承ください。
