「ライブドア」ブームをきっかけに投資の世界に興味を持ち、会社経営などを経て専業トレーダーとなった「GENE」さんは、「FXは食事ができないほどストレスがたまる」と言いながら、「移動平均線の『形』を見る」という独自手法を用いて、約5年間に9,000万円超の利益をあげた人物。「GENE」さんに、FX投資の独自の取引手法や投資に対する考え方などを聞きました。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
GENE氏 プロフィール
年齢性別 :30代男性
FX歴 :約10年半
FX収支 :約5年間で9000万円超え(㈱外為どっとコムのみでの収支)
トレードスタイル:デイトレード
投資商品 :FX、株、CFD
趣味 :クルマ、ゴルフ、楽器演奏、レストラン巡りなど
▼目次
1.「ライブドア」ブームをきっかけに投資の世界へ
2.株はFXよりも簡単
3.運用資金を増やして収益額UP
4.専業トレーダーになりたかったわけじゃない
5.ポジションは持ち越さない
6.移動平均線の「形」を見る
7.利益追求できるトレードスタイルを洗練させる
「ライブドア」ブームをきっかけに投資の世界へ
編集部:- GENEさんの経歴を教えてください。
GENE:- 大学卒業後に就職した会社は9カ月で辞めました。その後はウェブ関係の仕事を個人で請け負ったり、広告関係の会社を立ち上げて経営したり、いろいろな経験を積みました。その会社も売却して、今は専業トレーダーです。
編集部:- そもそもFXを始めたきっかけは?
GENE:- もともと資産運用として株式投資をしていました。FXを始めたのは27歳の頃です。株は15時で取引が終わってしまいますが、FXは約24時間取引ができます。仕事をしている自分には、夜中でも取引ができるという点がよかったんです。
編集部:- 若い頃から投資に関心があったんですね?
GENE:- ライブドアが話題を集めていた頃ですね。当時、私はまだ大学生で、なんとなく「面白そうだ」と思って、株式投資を開始しました。ライブドア株は買いませんでしたが、IT関連の会社の株を買いました。
株はFXよりも簡単
編集部:- 成績はどうでしたか?
GENE:- 最初は全然利益が出せませんでした。ただ、しばらくすると本業の仕事がものすごく忙しくなって、株式投資は「お休み(休止)」してしまったんです。最近になってようやく再開しましたが、そこからは安定して利益を獲得できています。
編集部:- 株式とFXの両方を経験されていますが、どのような点に違いがあると思いますか?
GENE:- FXよりも株式投資のほうが、私は利益が出しやすいように思います(難易度が低い)。基本的に株は長期的に上がっていくものだと思うんです。たとえ今は「塩漬け」になっても、会社が倒産しなければ、いつの間にか、株価が上がっている。下手な「空振り」をしない限り、そうそう「大きな損失はない」と思うんです。ところがFXは、これから上がるのか、下がるのか、どちらにいくのかが分からない。
編集部:- なるほど。企業の成長にともない株価も上昇するという考え方ですね?
GENE:- でも為替は違います。今のトルコリラなら「当面は下がっていくだろうな」って、予想することができますが、主要国通貨の場合は、正直言って、どっちにいくのかが、よく分からない。FXでは「売り」も「買い」も上手にできないと、結局、利益は追求できないと思います。
運用資金を増やして収益額UP
編集部:- 初心者の頃、本番でのお取引を実践する前にバーチャルトレードなどは試されましたか?
GENE:- FXのシステムがどんな仕組みなのかを確認するために、バーチャルトレードを「一瞬」だけやりました。結局、トレードはメンタル勝負だと思うので、「実弾」で経験を積まないと意味がないと思うんです。スタートは30万円でした。でも私はFXで資金を増やしたわけではないんです。
編集部:- と言いますと?どういうことでしょうか?
GENE:- FXの運用益を出すことよりも、FXのための「投資資金」を増やすことに注力したんです。事実、始めた頃のFXの収支はトントンか、ちょっとマイナスでした。本業が忙しくなって、途中で資産運用は中断し、2014年に再開しましたが、そのときの資金は700万円です。収入が増えたこともあり、投資資金を少しずつ増やしながら、FXで獲得できる収益額を大きくしてきたのです。
専業トレーダーになりたかったわけじゃない
編集部:- 確かに、同じpips数でも利益額に差が出ますからね。そのために証拠金を増やす必要があるのは、その通りだと思います。ところで、仕事をしながらの兼業トレーダーから、専業トレーダーに転身したのは、何か理由があったからでしょうか?
GENE:- いや、専業トレーダーになりたくてなったわけでもないんです。会社売却はFXとは全然関係がなくて、会社が売れたので、結果的に専業トレーダーで生活費を獲得するようになったということなんです。ただ、この先一生FX一本で飯を食べていく自信はないですね。
編集部:- そうなんですか?それは意外です。これだけの成績を収められているので、専業でやっていく確固たる自信をお持ちなんだと思っていました。
GENE:- いつ資産がなくなるかと、毎日ビクビクしていますよ。FXはリスク性の高い投資ですからね。
ポジションは持ち越さない
編集部:- リスクコントロールは、どのようにされているのでしょうか?
GENE:- 感情で動くと、売買の結果はまったく違ったものになります。利益は長く持てずに、損はどこまでも引っ張ってしまう。利益は大抵1時間以内に確定していますが、逆に損は何カ月も持ってしまうのです。これではものすごくリスクリワードレシオが悪くなってしまうので、どこかで区切りをつけないといけない。だから、日をまたいであまり大きなポジションを持ち越さないようにと心がけています。ただ、なかなか思うようにはいかないのですが。
編集部:- 「損失額が何%に達したら、理由を問わずに損切りする」というような明確な損切りルールを設けているのでしょうか?
GENE:- パーセントではなくて、テクニカルチャートの「形」で判断します。相場は動いても、結局どこかでいったんは落ち着きます。リバウンドしたときの「リバウンドの勢い」から判断するんです。
移動平均線の「形」を見る
編集部:- テクニカル分析を使われているんですね。何か「お気に入り」のテクニカルはありますか?
GENE:- 私が使っているのは、単純移動平均線とボリンジャーバンドくらいです。ボリンジャーバンドも参考程度ですね。ほとんどが移動平均線です。移動平均線のラインの「形」を見るのです。「こういう形になったら、こういう動きになる」というチャートの傾向が頭の中に入っています。
編集部:- それは短期線と長期線の「形」をみているのですか?
GENE:- そうですね。
編集部:- チャート分析で教科書的に言われているような「デッドクロス」や「ゴールデンクロス」ではなく、独自に研究してきた短期・長期線の「形」にパターンがあるのですね?
GENE:- ゴールデンクロスなどはあまり気にしていませんね。言わば長い間チャートを見てきた経験からつかんだ法則です。
編集部:- 少しだけその法則を教えてもらえませんか?
GENE:- 簡単に言うと「拡張」と「収束」なんです。移動平均線には拡張期と収束期があって、それを見極めることが大事なんです。
編集部:- そこを見ると、次の動きが予測できて、高い確率で予想通りの動きになるということでしょうか?
GENE:- そうですね。かなり高い確率です。とはいえ、思惑通りにいかないときもありますから、そういうときは早めに諦めないといけません。
利益追求できるトレードスタイルを洗練させる
編集部:- FXでは自分なりのチャート分析方法を研究・確立することが大切で、やはり投資でリターンを得るには、それなりの努力が求められるということですね。
GENE:- トレーダーにはそれぞれのやり方がありますよね。FXを始めて、いつもチャートを見ていると「こういうときはうまくいく」「こういうときは失敗する」というノウハウが蓄積されていくと思うのです。それを洗練させていくんです。頭で分かっていても、感情をコントロールできなかったとすれば、それはまだ「洗練度が低い」のだと私は感じます。と言いながら、自分もまだ完璧には実践できていないので、偉そうなことは言えないのですが。
編集部:- そこまでたどり着くのに、いろいろな失敗や苦労を経験されていると思うのですが?
GENE:- FXを始めた頃は「逆張り」して、ちょくちょく大きく損失を出していました。最終的に利益は出ているのですが、かなり効率が悪いんです。特にここ数年はボラティリティが全然なくて、逆張りしようにもエントリーができないから、全然チャンスがない。取引できない状態が続いていたら、コロナショックが起きました。急にボラティリティが上がると、「逆張り」は相当なリスクにさらされます。案の定、結構痛い目にあいました。
編集部:- 大きな痛手を被ったわけですね?
GENE:- そのときになって、ようやく「自分のトレードスタイルを変えないといけないな」と思ったんです。ちょうど仕事をやめたタイミングだったこともあり、「専業トレーダーとして生活するのなら、こういうことばかりだと、いつかお金を全部失ってしまう」と思いました。
編集部:- どんな相場にも対応できるように、自分自身も変わらなければならないということですね?
GENE:- 最大の課題は「ボラティリティ」だと思います。利益が出せていたのは、ボラ(相場変動)があったからです。だからトレードが「下手」でも利益が獲得できた。ボラがなくてもエントリーできるようなトレードスタイルに変えました。
(後編に続く)
PickUp編集部より
短・長期移動平均線の「形」から相場を読むという、過去に取材したトップトレーダーにはなかった手法で好成績をおさめているGENEさん。それにもかかわらず、「専業で食べていく自信がない」という謙虚な姿勢をみせる背景にはどんな思いがあるのか。後半ではGENEさんの投資哲学に迫ります。
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】
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