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FX情報収集のコツとその情報の活かし方「元大手邦銀ディーラーが教える FX実力アップ教室」戸田裕大

FX実力アップ教室 戸田裕大

こんにちは、戸田です。

本シリーズでは、「負けないFXトレーダーを育てる」をコンセプトに、過去に為替ディーラーとして様々な失敗を経験してきた私が、どういった工夫をして少しずつ上達していったのか体験談をお伝えしていきます。新人ディーラー(新人の個人投資家)にありがちな落とし穴と、その対策などを通じて、読者のみなさまの実力UPの参考にして頂きたいと考えています。

第1回目は「FX情報収集のコツとその情報の活かし方」です。

さっそく始めていきます。

目次

1.分からないことはレベルアップの機会と捉えよう
2.アウトプットの場を設けることで急成長を目指そう

1.分からないことはレベルアップの機会と捉えよう

みなさんは、ツイッターなどのSNSで流れるマーケット情報、外為どっとコムさんのマネ育チャンネルの記事、日本経済新聞のマーケット欄などを読んで、十分にその意味を理解出来ていますか?また、スラスラと読み進めることが出来ていますか?

結構、難しいのではないかと思います。私が新人の頃を思い返してみると、わからないことが多かったですし、恥ずかしながら、読んでいると眠くなってしまうことも多かったです。

これはどういう状態かというと、そもそも知識を得るための「基礎体力」がない状態だったと言い換えることが出来ます。

この「基礎体力」が無い状態では、長く勝ち続けることは難しいです。なぜかと言うと、相場で今、何が起こっているのか、さっぱりチンプンカンプンな状態でたまたま勝っているに過ぎないからです。

FXで勝つということは、買って売るか、売って買うかだけですから、適当にやって勝つことも十分にあり得ます。しかしそれを間違っても自分の実力だと勘違いしないことです。

もしみなさんが、「なんだか小難しいことは読んでもわからん」「代わりに値動きだけをみて勝負してやる」と思っているのであれば、それは即座に失敗するか、どこかで壁にぶち当たるはずです。なぜそう思うかと言うと、昔のわたしが、まさにその状態だったからです。

毎日毎日、短期的な値動きだけを追って、そこからパターンや傾向を掴もうと努力するのですが、残念ながら「木を見て森を見ず」状態、こんな状況ではやはり収益は安定しません。

また値動きやテクニカル分析の有効性を否定するわけではありませんが、一方で値動きやテクニカルは万能薬ではありません。現在の金融環境がわからなければ、今この局面でどのテクニカルを使用するのが最適かを考えることも出来ないのです。

私はこれまで、仕事でたくさんの方とお話をしてきました。その中で驚かされたのが、自営業の方の相場理解が比較的に高い傾向にあることです。

おそらく自営業の方は相対的に「基礎体力」を鍛えられる機会が多いのだと思います。事業を経営するにあたって、必要な情報を自ら進んで取得していく、こういう事に慣れているので、FXを始めても早く上達する傾向にあるのだと思います。

ですからみなさんもまずは、新聞などの金融情報を読んで、すっと頭に入ってくるというところを目指して頑張ってください。そして知らない用語や内容と出会うことをチャンスと捉え、それを積極的に調べることを心掛けてください。

幸いなことに現在はインターネットがあって、グーグルを用いればざっくりどんな意味かを簡単に調べることが出来ます。分からないことをそのままにせず、一つずつ意味を調べて理解していく。それが唯一無二の情報収集の上達策です。

急がば回れ、まずは分からない言葉を丁寧に調べることからはじめて行きましょう。

2.アウトプットの場を設けることで急成長を目指そう

もっともっと飛躍的に成長したいと思う方もいると思います。そんな方におススメなのがトレーディング日誌(または週報)を作成することです。

トレーディング日誌とは、前日に何が起きたのか、そして明日は何のイベントがあるのか、自分は今どのように相場をみているのかを記していくことです。形式は問いませんが、自分が良く取引する通貨ペア、日米欧の10年債利回り、日米欧の株価指数の「始値・安値・高値・終値」などを固定して、そこに自分なりの言葉で相場を説明していくとよいでしょう。

外為どっとコム総研さんの「外為トゥデイ」が近いかもしれません。
https://www.gaitame.com/media/entry/2021/05/31/093948

それから私が書いているウィークリーレポートを参考にして頂いてもよいと思います。
(「戸田裕大の為替から世界を学ぶ」サイトの「記事一覧」をご参照ください)

「げっ、面倒くさい」と思ったみなさん、昔の私と全く同じです(笑)。

私は元サラリーマン銀行員だったので、上司に強制させられたおかげで、毎朝8時までには必ずトレーディング日誌を提出していました。今も、Twitterやブログで続けていますし、ここに書いているのも広義の意味で言えばトレーディング日誌みたいなものですから、かれこれ12年ほどこんなことを続けています。

すると知らないことも調べますし、だんだんと市場で何が起こっているのか、自分の中で確信めいてくることもあって、現状把握のスキルが上がっていく感覚があります。また自分自身がなぜ負けてしまったのかも振り返ることが出来ますので、着実にレベルアップをしていくことが出来ます

相場の「テーマ」、言い換えれば「特徴」と言うのは変わりゆくものです。「これ」と言う答えがなく、テクニカルで米ドル買いのシグナルが出た、米国の経済指標が強かったと言って、米ドルを買ってみても、意外と米ドルの価値は下がってしまうものなのです。

でも、そうなってしまった真の要因は何なのか、どこに相場の本質があるのか、そんなことを想像しながらまずは日誌(週報)にまとめてみると、少しずつ真実に迫ることができると思います。

これはとても伝統的なレベルアップ手法で、おそらくどこの金融機関でも新人向けに取り入れている手法です。絶対に外れないレベルアップ手法だと思いますので、ぜひ試してみてください。


本日はここまでとなります。

引き続き、みなさんのレベルアップに役立つ記事を作成してまいりますので、応援して頂けますと幸いです。

戸田裕大

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株式会社トレジャリー・パートナーズ 代表取締役 戸田裕大 (とだ・ゆうだい)氏
代表を務めるトレジャリー・パートナーズでは専門家の知見と、テクノロジーを活用して金融マーケットの見通しを提供。その相場観を頼る企業や投資家も多い。 三井住友銀行では10年間外国為替業務を担当する中で、ボードディーラーとして数十億ドル/日の取引を執行すると共に、日本と中国にて計750社の為替リスク管理に対する支援を実施。著書に『米中金融戦争─香港情勢と通貨覇権争いの行方』(扶桑社/ 2020 年)『ウクライナ侵攻後の世界経済─インフレと金融マーケットの行方』(扶桑社/ 2022年)。