総括
上昇一服。貿易黒字化利上げ観測で強いが、米中対立が懸念材料
予想レンジ 5.2-5.7
(ポイント)
*年内利上げ観測浮上 4月半ばのインフレは6%のせ
*来週はGDPの発表
*米中対立が懸念
*コロナ感染者数は日本を下回る
*3月失業率が改善
*ただ外需は強いが内需は弱い
*対米貿易依存度が頗る高い
*新油田発見
*米国は大型インフラ整備計画の財源として大型増税も案も表明
*財務省は2021年成長見通しを上方修正
*国営電力業者保護法案が民間業者や米加の不満を生む
*大麻を解禁へ 世界最大の市場に
*海外のメキシコ人労働者からの国内送金は増加し続けている
*経常収支は3Qに史上最大黒字に
(貿易黒字と利上げ観測浮上で強いが、米中対立が懸念材料)
メキシコペソは年初来高値圏でもみ合っていたが、若干反落した。これまでは米国の1.9兆ドル規模の追加経済対策と2兆ドルのインフラ投資計画はメキシコ経済への恩恵が大きいものとされた。またインフレ率が急上昇していることから、年内に利上げを行うとの観測が強まっている。市場ではこれまで、2022年まで利上げはないと予想されていた。3月25日の前回政策決定会合では、政策金利は4.0%に据え置かれた。ただ今後数カ月のインフレ率はこれまでの予想よりやや高くなる可能性が出てきたと指摘している。金利スワップ市場は、年内に0.3%の利上げを織り込み12月の利上げを予想している。
米中対立が強まった。日米共同宣言で台湾問題や香港・新疆ウイグル自治区の人権問題を取り上げたことから、中国が反発した。米中経済戦争にまで拡がれば、貿易を殆ど米国に依存しているメキシコにも悪影響が及ぶだろう
(3月失業率改善)
3月失業率は3.9%で2月の4.4%から大幅改善した。ただ前年同月の2.9%からは悪化している。
(4月半ばのインフレ)
4月半ばのインフレは前年比6.05%と予想の5.7%、前月の4.12%から大幅上昇した。
(今後の指標)
本日4月23日は2月小売売上、27日に貿易収支、30日に1Q・GDPの発表がある。
(コロナ感染改善)
4月21日付で7日平均の1日当たりでは3509人、2月のピークの1日平均17508人から減少している。日本は同平均で4365人である。同じく高金利の南アも改善し1197人。
(大統領がアストラ製コロナワクチン接種)
ロペスオブラドール大統領は、英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発した新型コロナウイルスワクチンの接種を受け、ワクチンを信頼するよう呼び掛けた。
アストラゼネカのワクチンは、まれな血栓症との関係が疑われ、複数の国で使用が制限されるなどしている。しかしロペスオブラドール大統領は、ワクチン接種の利点はリスクを上回るとの立場で、これが政府のワクチン戦略における中核方針となっている。
また接種後には「痛みはなかった。今は大変気分が良い」と述べた。
メキシコ保健当局は今月、アストラゼネカ製ワクチンの使用を制限する計画はないと発表したが、英国の諮問委員会からの情報を注視していると説明した。
テクニカル分析
ボリバン2σ上限での揉みあいから中位を割り込む
日足、横ばい続く。ただ4月14日-15日の上昇ラインを下抜く。ボリバン中位を下抜く。4月20日-22日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ下限は5.36。5日線下向く。
週足、雲の上に出てボリバン3σ上限へ。3月8日週-22日週の上昇ラインを下抜く。
4月12日週-19日週の下降ラインが上値抵抗。20年11月2日週-21年3月8日週の上昇ラインがサポート。
月足、雲下での推移が長い(2016年1月以来)。ボリバン中位は上に抜ける。21年1月-2月の下降ラインを上抜ける。20年11月-21年3月の上昇ラインがサポート。
年足、陽転。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。
VAMOS MEXICO
米副大統領、メキシコ・グアテマラ訪問の意向
ハリス米副大統領は、メキシコ国境からの移民流入抑制に向けた外交面の取り組みの一環として、近くメキシコとグアテマラを訪問する考えを示した。
バイデン大統領は移民の流入抑制に向け、中米の北部三角地帯と呼ばれるホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの3カ国とメキシコとの協力をハリス氏が率いると3月に発表している。また、移民の抑制には北部三角地帯の経済発展を促す必要があると指摘。多くの人々は自国を離れることを望んでいないが、雇用を満たす機会がないため、そうせざるを得ないのが現状だと述べた。
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