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政策金利据え置きと介入で小康も、総裁解任後のトリプル安は改善せず

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総括

政策金利据え置きと介入で小康も、総裁解任後のトリプル安は改善せず

(通貨最下位、株価最下位、長期金利18%台)   

予想レンジ トルコリラ/円 12.8-13.8

(ポイント)
*政策金利は19%に据え置き
*中銀総裁を電撃解任した後はトリプル安が続いている
*2月鉱工業生産・小売売上は果然
*外貨準備の減少から見ると介入は実施しているだろう
*2月失業率は13.4%に上昇
*経常赤字、貿易赤字が継続
*格付け会社は格下げを示唆
*トルコ政府は資本規制を考えず
*中銀総裁解任理由は政治的背景と前総裁の利上げのパフォーマンスがある
*大統領は経済改革を打ち出した
*トルコは中国製やロシア製ワクチンを接種
*レアアースに望み
*EU加盟を諦めたわけでもない
*新憲法制定を画策
*米・トルコ関係は要注意 駐米大使召喚
*大統領はGDPを世界のトップ10に引き上げるとした

(政策金利は19%で据え置き)
中銀総裁電撃解任では金利を引き下げたかったのが一番の狙いだが、解任前の長期債利回りは14.1%だったが現在は18.10%。さらにリラは解任後、対円で11.41%下落、株価は9.93%下落と、何も結果を残していない。
リラの下落はインフレを加速するので新中銀総裁も19%という政策金利を維持するほかなかった。リラ相場は外貨準備の減少を見るとリラ買い介入を実施しているようで、解任前から10%下落の水準で小康している。
 今後も市場が信頼できる金融政策を打ち出せるかがリラ相場の先行きを占う。

(需給改善できるか 救いは景気回復途上)
政策金利より重要なのは、貿易・経常収支の改善だ。同じ高金利国の南アやメキシコの通貨が堅調推移しているのは、長年赤字だった貿易・経常収支が黒字転換したことにある。トルコにはそれがない。ただし金利差程度のリラの下落なら通常の金融政策を行えば実現する。トルコはそれが出来ないことと、外交でのトラブルの多さがリラ下落を加速させている。ただ一つの救いは貿易などの需給的な指標以外はリラ安で改善していることだ。先週は2月鉱工業生産が前年比8.8%増と1月の11.3%に続き改善、2月小売売上も前年比4.6%と1月の2.6%増を大きく上回った。

(トルコ中銀、早期利下げは可能性低い)
  エルテム大統領首席経済顧問は、中銀が政策金利を「早期に」引き下げる可能性は低いとの考えを示した。「中銀もカブジェオール新総裁も、いつ利下げするかは分かっていないと思う。なぜなら彼らは統計に基づいて行動するからだ」と指摘。「利下げについてコメントするのは時期尚早と考える」と述べた。
  物価に大きな影響を与えるような深刻な供給ショックがあれば、中銀は「必要な行動」に出るとも述べ、新総裁の下で利上げの可能性が排除されるわけではないとの見方をにじませた。その上で、「早期利下げの示唆も中銀声明から見て取れるわけではない」も語った。

(トルコ・ギリシャ、外相会談で非難の応酬)
 チャブシオール外相とギリシャのデンディアス外相が会談した。東地中海の資源開発などをめぐり鋭く対立してきた両国は、今回の会談で関係修復を図ったが、会談後の記者会見では両外相が非難の応酬を繰り広げ、かえって相互不信の根深さが浮き彫りとなった。
 会見は当初友好的な雰囲気で進んだ。しかし、デンディアス氏がトルコによる東地中海での「主権侵害」に言及すると、チャブシオール氏は「侵害はない」と主張した。さらに「メディアの前でトルコを非難するなら、私もやり返さざるを得ない」と憤りをあらわにした。
 これに対し、デンディアス氏は「何も問題がないようには振る舞うことはできない」と反論。チャブシオール氏は「緊張が続くことをギリシャが望むなら、われわれも同じようにする」と述べ、けんか状態になった。
 両国は今回の外相会談の成果次第で、首脳会談の開催も視野に入れていたが、展望は不透明になった。

(成長見通し)
 今年のトルコ経済成長率予想は4.8%と、新型コロナ禍による低迷から回復する見通しだ。一方、インフレ率は少なくとも2023年までは政府目標を大きく上回る水準で推移すると見込まれている(ロイター)。
 ウニクレディトは「トルコの当局は金融緩和と融資拡大を通じて短期的成長を優先する政策に回帰する可能性がある」と指摘し、今年の成長見通しを従来から上方修正した。コロナ対策の制限措置の緩和が続き観光業が回復すればサービス部門を下支えする可能性があり、輸出も成長をけん引するとみている。
今年末のインフレ率予想の中央値は14.1%に下がる見込みとなり、水準は前回調査の11.6%から切り上がった。トルコ中銀はインフレ率が23年末までに目標の5%に達すると予測しているが、これも調査では9.8%への低下予想にとどまった。

中銀の政策金利については、現在の19%から今年末までに段階的に15%に下がるとの見通しが中心になった。22年末までには12%になるとみられている。
経常収支については、国内総生産(GDP)に対する経常赤字の比率が今年で3.2%、来年で2.5%と見込まれている。コロナ禍で輸出と観光業の収入が減少したため、赤字幅はこのところ急激に拡大している。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

13.30-40近辺で小動き。20日線を上抜けず

 日足、4月に入っては13.30-40を中心に小動きが続いている。4月16日-19日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン2σ下限13.24、3σ下限13.13がサポート。20日線を上抜けず。5日線下向く。
 週足、3月22日週は下窓を開けてオープン。ボリバン2σ下限を一時下抜くも戻す。ボリバン下位。雲中から雲下へ下落。3月29日週-4月12日週の下降ラインが上値抵抗。
 月足、20年11月-21年2月の上昇ラインを下抜く。ボリバン下位。2月の長い上ヒゲが効く。21年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。5か月移動平均線はまだ上向き。20年11月-21年3月の上昇ラインがサポート。
 年足、6年連続陰線。今年は僅かながらも陽線スタートも中銀総裁の電撃解任で陰転。18年-20年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

暗号資産の使用禁止、ビットコイン下落

 トルコ中銀は、モノやサービスの購入決済で暗号資産(仮想通貨)を使用を禁止した。重大なリスクがあり、「回復不可能な」損害の可能性があるためとしている。
官報に掲載された法律で中銀は仮想通貨、その他ブロックチェーン(分散型台帳)技術に基づくデジタル資産の直接、間接の決済手段としての使用を禁止した。
 禁止の理由として、暗号資産が中銀などの当局の規制の対象外で、決済手段に利用して回復不可能な損害が出る可能性があると指摘した。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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