100Pipsで損切り、150Pipsで利確という明確なルールで快進撃を続けてきたY・I氏。今では相場の“ニュアンス”を感じ取り、わずか3年で運用ルールに幅を持たせるまでになったそうです。どうしてそこまで急成長を遂げることができたのか、その秘訣について後編ではさらに詳しく伺いました。
(この記事は2021年3月30日に掲載した記事名『兼業トレーダーY・Iさん「兼業トレーダーY・Iさん「継続は力なり」トップトレーダーに聞く!(後編)』を一部修正したものです)
Y・Iさん プロフィール
年齢性別 :30代男性
職業 :会社員
取引歴 :3年
収支 :2021年1月&2月(2ヵ月間)で600万円超 ※㈱外為どっとコムでの収支
投資商品 :FXのみ
通貨 :米ドル、ポンド、ペソ、南アフリカランド
趣味 :赤ちょうちん(居酒屋)で一人飲み
▼目次
1.見ているのは”雲”だけだからスマホで十分
2.失敗に学び、ルールを作成
3.失敗して悔しいときは30分離れる
4.動きを見続けて読めるようになった
5.ニュースチェックは欠かさない
6.明確な目標はないが、今年は収益3,000万円を見込んでいます
7.今年の相場はわかりやすい
8.FXでお金に困らなくなった
9.継続は力なり
見ているのは”雲”だけだからスマホで十分
-
編集部: - 取引ツールはスマートフォンがメインなんですね。PCは使わないんですか?
Y・I:- 確かにスマホよりもPCのほうが見やすいと思います。ただ、スマートフォンの方が利便性を感じます。どこに行っても手軽にログインでき取引できますしね。
-
編集部: - ところで外為どっとコムのツールの精度はいかがですか?
Y・I:- 見やすいアプリですね。自宅に帰ってからも、基本的にはスマホでトレードしています。ただ、アメリカの指標のときだけはパソコンと両方で見ています。ロイターのニュースをいち早く見たいんです。それに合わせて、トレードを始めます。スマホでニュースを見て、パソコンでスピード注文、スピード決済です。
-
編集部: - スマホだけでトレードに役立つテクニカル分析はできますか?
Y・I:- 問題ないですね。そもそも私が見ているのは雲(一目均衡表)だけですしね、スマホでも十分に見やすいですよ。
-
編集部: - 雲(一目均衡表)の分析だから、画面が小さくてもいいわけですね。スマホ一台でも十分にFXトレードはできるということの証明ですね。
失敗に学び、ルールを作成
-
編集部: - ところで、これまでに大きな失敗を経験したことはありますか?
Y・I:- いっぱいありますよ。一番の失敗は、スプレッドのことが全然わかっていなかったことですね。トルコ情勢が悪化したときに、相場が50Pips近く下げたので、大きく買ったんですが、その瞬間に、さらに大きく下げて、スプレッドも急に広がったんです。そのときは、あっという間にロスカットされてしまいましたが、完全に勉強不足でしたね。あとはアメリカの重要指標が出るときに、スプレッドが大きく変わる場合があるじゃないですか。トレードを始めようとした瞬間にすごくスプレッドが広がって、「スタートラインがいきなりマイナス地点になる」みたいな感じ(笑)。それと寝ている間にロスカットになっていたみたいなこともありましたよ。
-
編集部: - 失敗経験は、トレードの仕方に影響を与えましたか?
Y・I:- 夜中のロスカットを経験したから、OCO注文を覚えました。また、指標が発表されるとき、相場が大きく動くので、その時間帯は、状況を見てトレンド(方向性)が確認できてからトレードを開始するようになりました。少しだけエントリーする時間をずらすんです。
失敗して悔しいときは30分離れる
-
編集部: - 失敗したとき、落ち込みませんか?モチベーションはどのように維持されているのでしょうか?
Y・I:- そもそも1万円から始まったのが、小遣いの前借りで360万円に増えて、気持ちに余裕ができたのか、少しの失敗ではへこむことがありません。「まあいいかな」みたいな感じです。ただ、すごくアグレッシブになるときがあって、そのときに損失が出ると、すごく悔しくなります。そういうときは30分間だけ相場から抜けるようにします。どんなことがあっても、一切見ない。30分後に入り直したときに、冷静に「もう1回やるべきか、それともやめるべきか」を判断して、やらないと思ったら、次の日まで完全に離れます。
-
編集部: - 30分ルールに何か根拠はあるのですか?
Y・I:- いえ、完全に自分ルールです。実はいったん離れて、すぐに戻り、再び失敗したことがあったんです。30分あれば、頭をFXモードから、普段のモードに切り替えられると思っています。だから、30分間は家事や仕事をして、自分を落ち着かせます。その後、自分の損切りは正しかったのかを検証してから、トレードを再開するかどうかを決めます。
動きを見続けて読めるようになった
-
編集部: - 30分で冷静になれるのも凄い特技ですよ。FXは楽しいですか?
Y・I:- 利益が出ていないときが、一番おもしろいと思っています。「どこで戻るのだろう」って、「いつ戻るんだろう」って、そのタイミングを予想するんです。私にはそれが凄く面白いです。
-
編集部: - 自分の運用成績を後で見直すこと等はしますか?
Y・I:- まったくしません!日々の経験で学んでいくタイプなんです。考えてみると、1年間で200日以上、チャートの動きを見ています。そうやって相場の動き方を覚えたんだと思います。
ニュースチェックは欠かさない
-
編集部: - テクニカルを重視する人の中には、ニュースなど一切見ない方もいますが、いかがですか?
Y・I:- 僕はしょっちゅう見ています。チャートとロイターニュースは暇があれば見ています。ニュースで相場の動きを予想するときもあります。
-
編集部: - 雲(一目均衡表)だけ見ているそうですが、チャートが雲の上にあるか、下にあるかを見て、トレードしているんですか?
Y・I:- そうですね。そういう見方もしますし、雲を見て「いいな」と思っても、ニュースをチェックしてやめることもあります。テクニカル(雲)と情勢(ニュース)と相場(チャート)の3つを見極めながら、自分なりに考えてやっています。予測というよりも、結果が出そうな瞬間にかけて、ある程度(動きが)落ち着いたら売る」みたいな感じですね。「相場の振れ幅の中の”美味しい”真ん中だけいただければいいな」っていう考えです。
明確な目標はないが、今年は収益3,000万円を見込んでいます
-
編集部: - FXで何か目標は立てていますか?
Y・I:- ゴールは特に設定していません。老後に楽しい生活ができればいいなっていうことと、おいしい食事が食べられればいいかなっていう感じです。運用成績で何%の利回りを追求するみたいなこともありません。目標を達成してしまうと、「燃え尽き症候群」みたいになっちゃいそうで、負けなければいいかなと思っています。今年は2月の時点で利益が600万円ちょっと出ています。年末までに3,000万円、来年末までに5,000万円を超えればうれしいな(笑)。3年で1億円まで増やせたらいいなって思っています。
-
編集部: - 資金管理はどうされていますか?
Y・I:- 大幅に利益を追求できた場合は、老後資金用にロングポジションで保有しているスワップポイント狙いのドル/円や南アランド/円を買い増します。でも、基本的にはデイトレ用に残していますね。お金は動かさないと、やっぱりダメだと思っていますから。
今年の相場はわかりやすい
-
編集部: - 3年前の始めた頃の相場と現在の相場に違いはありますか?
Y・I:- トランプ大統領のときは、ドル/円の売買がしたくなくなりましたよ。発言でいきなり相場が動くんで、あれは本当に怖かった。
-
編集部: - 今年の相場はやりやすいですか?
Y・I:- トランプさんからバイデンさんになったんで、テクニカルでトレードされている方は、やりやすくなるんじゃないでしょうか。キレイな形のチャートで、わかりやすい年になりそうな気がしています。
FXでお金に困らなくなった
-
編集部: - ところで、3万円の小遣いはどうなりましたか?
Y・I:- 10年間分を妻から前借りしたので、もちろん今は一銭ももらっていませんよ(笑)。でも、お小遣いには困らなくなりました。家の近くにある1本80円の焼き鳥屋さんで、飲む回数が増えました(笑)。余裕ができたので、仕事を頑張っている後輩に食事をおごることもあります。そもそも、そんなにぜいたくをするわけでもないので、FXで利益が出たといっても、”羽振り”のいい生活はしていません。
-
編集部: - FXの話を共有できるようなご友人などはいらっしゃいますか?
Y・I:- 会社の人たちには話さないですね。確かに孤独ですが、赤ちょうちんで焼き鳥を食べながら、一杯やる時間が、自分に対するご褒美なので、とても楽しいです。SNSもやっていませんし、そこで交流するようなことはありません。僕は趣味みたいな感じで、FXを楽しくやっているので。
-
編集部: - FXをやってみて、よかったですか?
Y・I:- かなり生活が豊かになりました。「なんでもっとはやく始めなかったのかな」と後悔するほどです。もし大学生のころからやっておけば、今の生活は大きく変わっていたような気がします。
継続は力なり
-
編集部: - 最後の質問です。FX未経験者から、「FXってどうですか?やったほうがいいですか?」と、もし質問されたらどう答えますか?
Y・I:- 悩んでいるのだったら、絶対にやるべきだと答えます。「やらない後悔」は、ずっと後まで引きずるからです。もし、やるのだったら、まず、1年間を目標にしましょう。損を出して退場するのではなく、少ない金額でもいいからやり続けましょう。きっと自分のルールや利益を得るポイントが、わかってくると思いますよ。
-
編集部: - どうもありがとうございました。
(本文ここまで)
取引はほとんどスマホだけ、チャートは「雲」(一目均衡表)の活用だけで、素晴らしい成績を残しているY・Iさん。損が出ても退場するのではなく、1年を目標に少額でも取引をし続けるべきだという言葉が印象的でした。まさに「継続は力なり」ですね。
【前編】
【トップトレーダーに聞く!インタビュー記事まとめ】