毎月の小遣い3万円のうちの1万円でFXを始めた会社員のY・Iさん。翌年には10年分の小遣いを奥様に前借りし360万円を元手に、Y・Iさんの快進撃は始まった。初心者向けの指南本に書かれたさまざまなトレードを試し、自分なりのルールを作り、それらを忠実に守ることで、2021年は年間収入3,000万円を視野に入れた。2022年には5,000万円、2023年には1億円を目指すという。Y・IさんにFXに対する姿勢や信念をうかがった。
(この記事は2021年3月25日に掲載した記事名『兼業トレーダーY・Iさん「10年分のお小遣い360万円を元手に、3年目で年間3,000万円を見込む」トップトレーダーに聞く!(前編)』を一部修正したものです)
Y・Iさん プロフィール
年齢性別 :30代男性
職業 :会社員
取引歴 :3年
収支 :2021年1月&2月(2ヵ月間)で600万円超 ※㈱外為どっとコムでの収支
投資商品 :FXのみ
通貨 :米ドル、ポンド、ペソ、南アフリカランド
趣味 :赤ちょうちん(居酒屋)で一人飲み
▼目次
1.お小遣い3万円のうちの1万円でスタート
2.開始1年で好成績
3.小遣い10年分を前借り
4.いきなり元手が増えて金銭感覚が狂うことも
5.南アランドはレバレッジ10倍で老後資金用に
6.寝る前にはOCO注文
7.自分で決めたルールを守る
お小遣い3万円のうちの1万円でスタート
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編集部: - FXとの出合いは?
Y・I:- 小遣いが月3万円で、これですべてやりくりするようにと妻に言われていました。自分に必要なものは毎月この金額でやりくりしてくださいという”お達し”が出ていまして(笑)。人によって「多い」「少ない」の感覚は違うと思いますが、自分は「少ないなぁ」と感じていて、それを「増やしたいな」と思ったんです。
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編集部: - なるほど。
Y・I:- そう思ったときに、株も考えたんですが、10万円とか、30万円とか、それなりの金額が必要だということがわかり、その一方でFXは少額からでもスタートできることを知ったので、FXを選びました。それが理由のひとつです。
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編集部: - 確かに個別株と比較するとFXは少額でのスタートが可能です。
Y・I:- 加えて、私は仕事をする時間が決まっていまして、仕事の時間帯に取引するのはちょっとまずいなと思い、そうなると、仕事が終わった夜の時間帯からでも取引できるFXかなと。
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編集部: - 基本的に平日は約24時間、いつでも取引ができますからね。
Y・I:- それと老後を考えたときに、自分が働けなくなったとき、どうやってお金を稼ごうかなと考え、どうやらFXが良さそうだと。そう思ったんです。その3つがFXを始めた理由ですね。
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編集部: - ありがとうございます。かなり具体的な理由からFXを始められたんですね。ただ、そう思ってもなかなか最初の一歩を踏み出せない人が多いのですが、Y・Iさんはスムーズにスタートできましたか?
Y・I:- 私の場合は、デモトレードができるサイトを利用して、要領をつかみ、「自分もできそうだ」と思ったんですね。FXは結局のところ、「上がるか」「下がるか」の二択です。「これならやってみてもいいんじゃないかな」と思いました。
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編集部: - デモトレから本番に移行されたときは、どのように始められたんでしょうか?
Y・I:- 最初は1万円からスタートしました。通貨ペアはドル/円でした。
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編集部: - 堅実なところから始めましたね。
Y・I:- いえいえ、お小遣いが3万円しかありませんでしたので、そうならざるを得なかったということです。最初は一日でプラス10円とか、マイナス20円とか、約1年間、そういう毎日が続きました。とにかく、やってみないことには、何も始まらないですから、毎月ちょっとずつお金を貯めて、少しずつ投資金額を増すようなやり方をしていました。当時は、「自分のお小遣いの範囲内でやっていた」ということです。
開始1年で好成績
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編集部: - なるほど、1年後はどうなりましたか?
Y・I:- 実は70万円弱まで資産を増やすことが出来たんです。
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編集部: - それはすごい!一体どんな勉強をされたのでしょうか?
Y・I:- ネットで「一番わかりやすい」と書かれていた初級のガイド本を3〜4回読み直して、そこで紹介されていたトレード手法を全部試してみたんです。
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編集部: - それはテクニカルですか?
Y・I:- 「雲(一目均衡表)」やボリンジャーバンド、RSIなどのテクニカルが多かったですね。ただ、すべてを覚えて、使いこなすことには挫折してしまい、今は雲(一目均衡表)しか見てないです(笑)。
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編集部: - それにしても少額でスタートして、好成績を残すのはすごいです。どうしてできたのでしょうか?
Y・I:- 本に書かれていた手法をすべて試してみて、8カ月目くらいに、自分なりのルールができてきたんですね。それからは、そのルールを守るようにしました。それがうまくいったんですかね。
小遣い10年分を前借り
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編集部: - FXに対して、不安とか怖さはありませんでしたか?
Y・I:- 正直、投資のために口座に入れた金額が1万円でしたので、怖さはまったくありませんでした。本には「好成績を続けられる人は数割しかいない」と書かれていたので、まず1年間FXをやり切ることを目標にしました。少額から始めたこと、そして続けられたことがよかったのだと思います。
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編集部: - それだけの成績が残せたわけですから、1年後にはかなり自信がついたのではないですか?
Y・I:- そうですね。「FXで勝てるかもしれない」と感じましたね。当時、私の毎月のお小遣いは3万円でした。元手が少ないと、運用しても増える金額に限界がありました。そこで、老後のことも考えた資産形成として、FXで資産を運用することを妻にプレゼンテーションしました。「家のお金に手をつけたくないから、お小遣い10年分を前借りしたい」と頼んだんです。
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編集部: - それで、奥様の回答は?
Y・I:- 「あなたの小遣いだから全然構わない。でも、何があっても絶対にそれ以上は出さないから」と、念書を書かされました(笑)。そうして手にした360万円の資金を元手に、再スタートしたんです。
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編集部: - ご自身なりに勝算があって、そのためには「資金が必要だ」と思われたのですね。
Y・I:- ええ、自分の場合、勝率が約7割ということがわかっていたので、「おそらく損を出し続けることはないだろうな」と思ったのです。ただ、運用する金額で得られる利益の金額が変わりますので。思い切って妻にプレゼンしました。
いきなり元手が増えて金銭感覚が狂うことも
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編集部: - 360万円を手にして、FXのトレードに変化はありましたか?
Y・I:- 2020年の「ブレグジット」で、ポンドが下がると思い、1日に50万~60万円のプラスやマイナスの繰り返しでした。そのときはちょっと金銭感覚がおかしくなりそうでした。強気に出て400万円くらいで運用していました。リスクを取り過ぎたんですね。その反省から、高額で運用するのはやめました。
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編集部: - そのときの通貨ペアは?
Y・I:- ポンド/円だけです。最初はドル/円でしたが、メキシコペソ/円、トルコリラ/円、ユーロ/円、ユーロ/ドル、スイスフラン/円、豪ドル/円など10通貨くらい試しました。大きく上がったり、下がったりしているところで、逆張りみたいなことがやりたくて。大きく動くタイミングだと利幅も大きくなりますよね。それを狙っていました。
南アランドはレバレッジ10倍で老後資金用に
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編集部: - いろいろ試して自分に合った通貨に絞ったのですか?
Y・I:- ええ、今は4つに絞りました。ドル/円とポンド/円とメキシコペソ/円で為替差益狙いのトレードしています。それとは別に、ドル/円と南アフリカランド/円はスワップポイントを目的にロングポジションで保有し続けています。将来の老後資金のために、利息を毎日もらっている感じですね。
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編集部: - つまり、外貨建て預金みたいな感じで、FXを利用されているわけですね。ちなみにレバレッジはかけていますか?
Y・I:- もちろんです。FXの利点は利用しないと。レバレッジは約10倍です。
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編集部: - レバレッジを使えば、外貨預金よりも効率よく貯められるという考えからですか?
Y・I:- 少額で大きな利益を得るのは難しいですよね。ところが、レバレッジというものは、例えばレバレッジ10倍の場合、1,000万円を持っていないとできない取引を100万円でもできるっていうことですよ。本当にものすごいメリットだと思います。
寝る前にはOCO注文
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編集部: - 現在の取引スタイルは?
Y・I:- デイトレですね。だいたい1日以内で、必ず白黒つけるようにしています。数時間とか、数分とかで決済することが多いです。
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編集部: - 日中は会社のお仕事をされていますよね。取引時間帯は?
Y・I:- 私は仕事で車移動が多いんです。時間があるときは、駐車した車のなかで、レートをチェックします。毎朝5時に起きています。ただ、5時から10時までは取引することはほとんどありません。損失を出すことも多いんです。
僕は一目均衡表の雲を見ていますが、その雲の動きしだいで、午前中に1、2回取引することがあります。午後はロンドンが開いて、ポンドやペソが動き始めたころに、いったん様子を見ます。20時くらいまでに、損切りするのか、利益を確定するのかを決めます。その後は、アメリカの経済指標の内容で判断ですね。
ニューヨークの時間帯は、21時にいったん見て、やる場合はOCO注文を入れます。最初はやり方がわからなくて、不安になって夜中の2時や3時に起きてしまったのですが、やり方を覚えてからは、ゆっくりと寝られるようになりました(笑)。
自分で決めたルールを守る
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編集部: - 週末もポジションを持ったままだったり、寝ているときにポジションを持ったりしないということですね?
Y・I:- 基本的にないですね。最初は怖くて多分、100Pipsをひとつの区切りとしていました。100Pips以上のマイナスになったら、どんな場合でも損切りします。一方、150Pipsの利益が出ていたら、「利確」します。
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編集部: - 自分で決めたルールを必ず守るというスタイルですね。
Y・I:- そうですね、怖かったので、最初は守っていました。ただ、最近は相場の”ニュアンス”がわかるようになってきて、持ち続けるケースも多くなりました。持ち続けていて、相場が下がったとき、もしくは上がったときに、さらに投資します。資金が潤沢になったので、その”差”を埋めることが、できるようになりました。
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編集部: - 自分のルールを守りつつ、相場が伸びると思ったときは、買い増したり、売り増したりするんですね。金融機関のプロディーラーみたいですね。
Y・I:- 自分で決めたルールを守るって、すごく難しいと常々感じます。僕も何回悩んだことか。最初の頃、損切りはなかなかできなかったです。
(後編に続く)
FX取引をスタートして、わずか1年後には約70万円にまで資産を増やすことに成功したY・Iさん。この運用成績は見事としか言いようがありません。それにしても、10年間分のお小遣い360万円で再スタートし、3年後の今年は年間3000万円の利益を視野に入れるなど、急成長ぶりは目を見張るものがあります。後編では、快進撃の理由についてさらに詳しく伺います。
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