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FXの初心者は何ロットから始めるべきなのか

FX初心者に最適なロット数について考えてみよう

以下の取材記事は個人の経験や考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。

この記事は、2021年2月4日に掲載した「FXの初心者は何ロットから始めるべきなのか」を加筆修正したものです。

FXで売買をする際、必ず売買レートとロット数を決めることになります。売買レートは、成行注文であれば、売買する瞬間までチャートを見ながら決定するので、相場の動きを見て「売り」ポジションにするのか、「買い」ポジションにするのか、自分なりの根拠で判断されていると思います。

ところでロット数はどのように決めていますか? 「なんとなくこのくらいかな」で決めていませんか?ましてや、FX初心者が初めてエントリーする際、ロット数はどうすればいいのでしょうか。今回はFX初心者が安全にFXを始められる最適ロット数について考えてみたいと思います。

目次


FXのロット(lot)とは

まずFXのロットとは、FXで取引する際の数量や単位のことを指しています。

FX会社によって最小ロットの数量が異なります。ただ、「1ロット=1,000通貨」に設定している会社と、「1ロット=1万通貨」に設定している会社に大別されて、それ以外は少数派だと思ってください。ちなみに外為どっとコムは最低ロットが1,000通貨となっています。

例えば、米ドル/円の通貨ペアで為替レートが1米ドル=100円のとき、
100円×1,000通貨(1ロット)=10万円となります。

これが外為どっとコムで米ドル/円を売買する際の最小ポジション(最小金額)ということになります。10ロットにすれば、100万円で売買していることになりますし、100ロットなら1,000万円で売買しているということになります。

実際のアプリ画面でロットを見てみます。売買する際、ここにある①注文数量(ロット)を自分で決めて外貨を購入します。

外為どっとコム『外貨ネクストネオ』携帯用新アプリ

※(外為どっとコム『外貨ネクストネオ』スマートフォンアプリから作成)

米ドルを127.401円で、②5ロット(5,000通貨)売ったところで、③10円の評価損が出ています。

1回の売買のロット数を増やせば、大きな金額でポジションを持つことになり、得られる利益は大きくなりますが、その分、大きな損失を出すリスクも増えます。また、ポジションをたくさん持てば、その分、合計ロット数は増えることになり、損するリスクも高くなります。

「レバレッジ」と「ロット」と「証拠金」の“深い”関係

FXでロット数が重要なのは、FX最大の特長である「レバレッジ」に大きな影響をもたらすからです。いまさら説明の必要はないと思いますが、「レバレッジ」とは自己資金の何倍もの金額で運用ができる仕組みのことです。

レバレッジ10倍なら10万円の資金で100万円のトレードができるということです。

レバレッジ10倍のイメージ

国内のFX会社なら、個人投資家は最大25倍までのレバレッジが利用できるルールになっているので、10万円で250万円(25倍)の運用が可能です。

レバレッジ25倍のイメージ

実はこの「レバレッジ」が何倍になるのかということと、最初に説明した「ロット」数、そして、FXの元手となる証拠金はとても”深い”三角関係にあるのです。

というのは、そもそもレバレッジは、ロット数のように、自分で数字を選んでエンターキーを押して設定するのではなく、証拠金とロット数で調節するものだからです。
①FXに必要な証拠金が増減すると、②レバレッジが増減し、③ロット数が増減すると、同様に②レバレッジは増減します。
一般的にレバレッジの調整はロット数の増減で行い、証拠金を口座から出し入れして調節することしません。

①ロット数、②レバレッジ、③必要証拠金(※1)の三角関係を理解しておくことは、FXのリスクコントロールで非常に重要なのです。まず、FXの元手となる必要証拠金の算出方法から説明しましょう。

(※1)外為どっとコムの「外貨ネクストネオ」では、必要保証金のことを「取引保証金」としています。

(1)必要証拠金の求め方

1ロットの取引をするのに必要になる証拠金の計算式(※2)は以下の通りです。計算をわかりやすくするために1米ドル=100円という条件に統一します。

必要証拠金=売買レート×ロット数(取引数量)÷レバレッジ(25倍)

1米ドル=100円のとき、1ロット(1,000通貨)でポジションを持つためには、最低限4,000円の資金が必要になります。

100円×1,000通貨(1ロット)÷25倍(レバレッジ)=4,000円(必要証拠金)

10ロットで売買する場合は、証拠金として40,000円が必要になります。

ちなみに為替レートが101円になったら、以下のようになります。

101円×1,000通貨(1ロット)÷25(レバレッジ)=4,040円(必要証拠金)

だから、口座に必要証拠金以上の資金が入っていないと、資金が足りないために強制ロスカットで、そのポジションは決済されます。
(※2)さらに詳しく必要証拠金(取引保証金)の計算方法を知りたい人はこちら

(2)レバレッジの求め方

続いてレバレッジです。レバレッジの計算式は以下の通りになります。
レバレッジ=売買レート×ロット数(取引数量)÷証拠金

1米ドル=100円、取引数量1ロット(1,000通貨)、証拠金4,000円ならレバレッジは25倍です。
100円×1,000通貨(1ロット)÷4,000円=25倍

もし、口座に入れた証拠金が4,000円ではなく、1万円ならどうなるでしょうか。
100円×1,000通貨(1ロット)÷10,000円=10倍
レバレッジは25倍から10倍に減りました。

今度は取引数量を2ロット(2,000通貨)に変えてみます。
100円×2,000通貨(2ロット)÷10,000円=20倍
レバレッジは10倍から20倍に増えました。

このようにロット数と口座に入れた証拠金額が変化すると、レバレッジの倍率が変化します。つまり、レバレッジを低くして、リスクを抑えた運用をFXでするためには、証拠金を多めに用意するか、もしくは少ないロット数で売買しなければならないというわけです。

(3)ロット数の求め方

最後にロット数を求める計算式です。
ロット数=証拠金÷売買レート×レバレッジ÷1,000通貨

1米ドル=100円、証拠金1万円、レバレッジ10倍とした場合
10,000円÷100円×10倍÷1,000通貨=1ロット(1,000通貨)

口座に証拠金を1万円入れたトレーダーは、1米ドル=100円のとき、レバレッジ10倍で運用したいなら、1ロットのポジションしか持てないということです。ただし、為替相場は常に変動しているので、100円が110円になったり、90円になったりします。実際にトレードを続けるためには、資金的な余裕が必要になります。

FX初心者に最適なのは30ロット以下?!

さて、最後にFX初心者に最適なロット数について考えてみましょう。
外国為替や国際金融市場に関する調査・報告を行う外為どっとコム総合研究所が毎年発行する為替相場に関するデータをまとめた最新版の「外為白書2021」の第4章に興味深い調査結果がありました。

外為白書 | 外為どっとコム総研

それはFXトレーダーを対象にしたアンケートの必要証拠金に関するもので、証拠金30万円以下と回答した人たちの合計が59.3%と過半数を超えていました。また、実効レバレッジについては、10倍が19.7%と一番多く、続いて5倍が19%となっていました。

この数値を(3)ロット数の求め方で示した計算式に入れてみましょう。為替レートは、同じく1米ドル=100円です。実効レバレッジは高めの10倍を使います。
300,000円÷100円×10倍÷1,000通貨=30ロット(30,000通貨)

最大で30ロット保有できることがわかります。

FXトレーダーとしての経験から言えば、アンケートに答えた人たちが、30ロットで1ポジション持つようなトレードをしているとは考えにくく、恐らく3〜5ロットで3〜4ポジションを持ちながら売買している人たちが多いのではないかと推察されます。

このようにイメージしたトレーダーたちのレバレッジを計算してみましょう。証拠金30万円、1米ドル=100円、5ロット(5,000通貨)で3ポジション、合計15ロット(15,000通貨)持っているとするとします。

100円×15,000通貨(15ロット)÷300,000円=5倍
このようにレバレッジは5倍になります。

皆さんはここにひとつの答えがあるように思いませんか?

無理せず、自分の用意できる資金に見合ったロット数で

FX初心者の人たちへの提案は、もし、FXを始めるならば、レバレッジ5倍を超えないような証拠金とロット数でスタートしてみてはどうでしょうか。FXはハイリスク・ハイリターンの金融商品です。

初心者がいきなり高レバレッジでトレードしても、どこかで大損してしまい、市場からの撤退を余儀なくされてしまうでしょう。上記の計算から推測すると、すでにFXをしているFXトレーダーたちの多くはレバレッジ5倍以下になるロット数でトレードしていると思われます。証拠金が少ないトレーダーにいたっては、もっと少ないロット数で取引しているはずです。

先日、私が試してみた「らくらくFX積立」のレバレッジは最大3倍でした。それでも十分な利益が期待できました。最大でも3倍程度のレバレッジでトレードに慣れて、政治や経済などのファンダメンタルズ分析を覚えながら、FXの経験を積んでもいいのかもしれません。今回説明したロット数、レバレッジ、証拠金の関係を覚えて、自分の用意できる資金に見合ったロット数で、無理をせずにFXを始めましょう。

PickUp編集部K氏:大学卒業後、テレビ制作会社に勤務、NHKや民放局の報道番組でディレクターを務める。 その後、出版業界に転じて金融・経済誌の編集者や記者として、政治・経済・金融などの記事制作に携 わってきた。現在はフリーで活動中。FX歴は10年以上。実際にポジションを持って、FXトレーダーたちのトレード手法を確認する日々を送っている。

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