タレントで個人投資家の杉原杏璃さんへのインタビュー、前半では投資をはじめるまでのいきさつ、またトレード方法について伺いました。
後半では投資と幸せについて、また投資情報との付き合い方、そして将来の夢について語っていただいています。
以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものです。その内容について当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
編集部:- 杉原さんは「お金の話をする大切さ」を説いていらっしゃいます。お金に好かれる、とはどのようなことでしょうか。
杉原:- 日本人の場合、とくに女の子がお金の話をすると「なにか下品だわ」「あの娘、お金の話ばっかり」などプラスのイメージが無いんです。 お金に汚いなど言われがちです。 ただ、お金の話をしないと、お金に興味のある方が周りに現れないのです。 お金のお話をすると、お金のいろいろな情報が得られます。
なので自分がまずは心を開いてお金について話す空気を作ることが大事ですね。 そうすると、思いがけないところから投資の会話が始まることもあります。 自分から話をしないと、世界が広がらない、ですよね。
編集部:- お金に興味のある人たちが引き合うんでしょうかね。心を開くことで道が開けることがあるのだと思いました。
杉原:- ええ。 お金の会話から、他の人が投資のアイディアを教えてくれたりします。なんでも一人で考える必要はないので 分からないことは詳しい方に教えていただく。 こっそりやるのは、寂しいかなと思っています。
編集部:- お金の話について、若手のタレントと話す機会はありますか?
杉原:- 投資をしている子は少ないですね。私がお金の話をすることで、知り合いの投資初心者などから相談を受けて答えることが出来たり、いいことが多いです。 投資やお金にまつわる話より、ファッションや美容の話しが大好きな子も多くて、そういう子にはお金の話をしても響かないので、その後はしないですね。
編集部:- おお・・・。
杉原:- ということで、女性へお金の話をしてみて、どれくらい響くかを図ることがあります。 興味無さそうな方は、それ以上話を膨らませません。 話に乗ってくる方には、こちらの知っていることを伝えるようにしています。
編集部:- お金の話に興味が無い方は、深追いをしない、とも読み取れました。さて、話が変わって、個人投資家へのメッセージについてです。杉原さんの書籍では「投資は自己責任の世界だから、自分の利益ばかり考えがちになる」「他の人をハッピーにすることが大切」と書かれていました。
杉原:- カッコつけて言っているわけではないんです。自分が幸せになるためには、家族や親友など、まわりが笑顔でないと、幸せじゃないと思います。 自分だけ高価なものを買って、ブランドで身を固めても、誰かのためにならないと幸福感を感じないんです。
ですから、誰かのために、あと自分の夢のためになど、お金を増やした後にどう使うかなど目的を決めればみんなのハッピーにつながると思います。 あと、誰かと一緒にお金を使うというのは目標にしやすいですね。 世界のお金持ちは、寄付をたくさんしています。そういう方は自分はすでに満たされているので、他の方に分けるという考えに行きつくのかなと思います。これって素晴らしいことですよね。
編集部:- アメリカの富豪は、よく寄付をしますよね。
杉原:- 周りをハッピーにすることで、自分が一番幸せになっているんだと思いますよ。 そういう意味でも、結果的にすべて自分に帰ってくる、と感じます。
編集部:- ありがとうございます。自分のことばかり考えがちになりますが、気を付けたいと思います。投資家としての成長の話に進みまして、杉原さん何より「実践で鍛えたほうがいい」と仰っています。まずはお金に働いてもらうことを実感することが大事だとお感じでしょうか。 杉原さんも、はじめは半分よくわからない中、株を買って、一カ月後に証券口座を見てみたらお金が増えていたのを確認し、投資が何なのか分かるようになったのはその瞬間だったと思うんですが。
杉原:- はい。習うより慣れろ、は何に関しても大切だと考えています。 よく英会話で例えるのですが、はじめは誰でも喋れるわけもなく、何もわからないで授業料を払って始めるので、 その感覚と一緒です。何カ月か経たないと成果は出ないものなので、最初はまず「受講する」を行う。
編集部:- 確かに。英語の本だけ読んでいても、しゃべれないですね。
杉原:- ええ。英語の学校で、先生としゃべってみる。投資に置き換えると、まずは買ってみる、だと思います。 私も投資をやってみたら、株を買って高くなったら売ればいいだけの話なんだなって理解できましたので。 本を読むことから始めると、スタートが遅くなるだけです。その時間が無駄だと思います。
編集部:- 確かにそうですよね。でも、失敗が怖いから、出来る限りの準備をしようと、勉強を続けてしまう方もいると思います。
杉原:- 自分の投資の失敗を、早い段階で受け入れるというのもタメになると思います。 なので、一年間の授業料だ、くらいの金額でスタートするのが良いと思います。
つまり、そのお金が無くなってしまったとしても、その間に経済の勉強ができたし、 トレードの方法、チャートの見方も分かったし、得るものがあればいいわけですから。
編集部:- そうですね。損しても我慢できる金額を先に決めておくのが良いですよね。
杉原:- ええ。実際、FXも株も、よっぽどのことがない限り、投資資金がゼロになることは考えづらいと思うので、 少しのマイナスは、時がたてば戻ると思うことですね。
編集部:- なるほど、わかりやすいお話です。あと「投資は本格的にやらなくてもいい」と書籍にございました。 「自分にとって簡単だと思う方法で十分」というような、投資とのかかわり方が決まった経緯を教えてください。
杉原:- 投資を本格的にやらない理由ははっきりしていまして、それは「投資は本業ではない」からです。 はじめから、いくつかある収入を得る手段の一つとしての投資と決めていたことが大きいかと思います。 なのではじめから分散したエネルギー分しか投下できなかった、ということですね。 また、投資ばかりしていたら、次に取り組む仕事や夢などの「種まき」ができませんので、結果的に投資に割ける時間は限られます。
編集部:- やはり計画って大事なんですね。また、先に投資の位置づけをはっきりさせておくことの重要さも分かりました。
杉原:- 投資の期間についても、10年スパンでやろうなど決めておけば、短期間に集中してトレードすることもないと思います。
編集部:- ありがとうございました。では話題を変えて、投資のための情報取得について伺います。「日経新聞の見方」を教えてください。
杉原:- 日経新聞を、隅から隅まで全部読むことはありません。一面と二面をサッと見る感じです。 最近は電子版をアプリでトップページをバーッと見るくらいです。 簡単な内容の新聞ではないですから全て読み込もうとすると毎日の購読が続かなくなりますので。 イメージとしてはYahoo!のトップページにあるニュースを見るような感じです。 それを日々行えば、それほど苦ではなくなります。 あとは、一面に企業名があればチェックします。 新聞社が、紙面を割いてでも大きく取り扱おうと決めたことですから 関連する企業の株価に影響が出ると考えます。
編集部:- なるほど。では、ニュースをさらりと確認して、実際はどのように投資判断をされるんでしょうか。
杉原:- ローソク足などは見ますが、株式投資では企業の決算内容を見たり、業績予想をしたりといろいろと行うので、一概にコレ、というのは言えないかもしれないです。 出来るだけ企業を長く応援したいので、業績を見ながら、年に4回ある決算の前に ポジションを考えることにしています。
編集部:- 今年はコロナ相場ということで、株価は乱高下したと思いますが、体感としてはいかがでしたか?
杉原:- マスクの会社や、バイオ銘柄などは上がりましたね。 コロナ禍で、社会になくてはならない企業の株価は倍くらいに上がりました。 ですので、新たに買った株もありました。
このような、社会や経済が大変な場面で、企業を応援する意味でも、株を買える方が資産形成をできる人なのかなあと思います。
編集部:- 杉原さんは、十数年の投資歴の中で、2008年のリーマンショックも経験されていますね。
杉原:- ええ。世界的に大変だという時、株価が下がった時こそ、自分は投資家だと割り切って、勇気をもって買って、自分の投資を支えるのも大事だと思います。 経済ショックが起きている時にお金儲けなんて、と思われるかもしれないですけど。
もともと健全な経営をしている企業が、市場のショックで一時的に株価を下げているだけならば、買うことで企業を応援することにもなりますし。 最終的に、平均へ戻っていくので、良い投資になることも多いと思います。
編集部:- 投資方針がわかりました。では次に「ネットの掲示板との付き合い方」も教えてください。
杉原:- 巨大掲示板の投資で盛り上がるページなどは、雑談をしている方が多く、私も息抜きで見ることが多いです。 決算日の情報や、投資のヒントになる発言など、有益な情報も寄せられるので、見ています。
編集部:- Twitterはどうでしょうか。
杉原:- よく活用しますよ。気になる企業名をリアルタイム検索して、どれくらいの数のツイートがあるのか見ています。
編集部:- おお、本格的なリサーチですね。
編集部:- 株式投資がメインの方にもFXは有望な投資商品だと思われますか?
杉原:- 輸出入に携わる企業でしたら、為替も見ていた方がいいと思います。 FXをやっていれば、例えばドル高になったときに、有利に働く企業の株が買えますのでね。強みが増えることになると思います。
編集部:- それではインタビューの最後に、杉原さんの投資のゴールをお聞きします。
杉原:- 10億円を貯めて、マンション経営をするのが夢になりました。 今行っている「投資」というものを、別の形で次につなげたいと思いまして。 投資家の方々に入居してもらい、共有スペースで、色々な投資をしている方が様々なコミュニケーションを行うんです。そんな中で日々暮らして行く、と。 わたしは大家さんとして、お茶をすすりながら、みんなの会話を聞くという感じです。それが最高の幸せだなって思っています。 10億円はたまらなくてもいいと思っています。5憶円なら、アパートになるだけですので(笑)。
こうやって、夢を持っていると、「次、10憶円貯めるのを頑張ろう」と思うきっかけになりますので。
編集部:- 夢を語る時の顔が輝いていらっしゃる。素晴らしいですね。本日は貴重な機会を、ありがとうございました。
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