総括
5円台へ乗せきれず、鉱工業生産の悪化に反落 次の焦点は3Q・GDP
予想レンジ 4.7-5.2 (通貨10位、株価12位)
(ポイント)
*5円の壁を破れず
*8月の鉱工業生産は伸び悩み
*来週は9月失業率、10月中旬のインフレ、8月小売売上の発表がある
*中銀によればここまでの景気回復は外部セクターに依存
*全国民にコロナワクチン接種を計画
*政府は、総額2970億ペソのインフラ投資計画を発表
*消費者物価は4%を超えている
*9月の車生産、2月以来の高水準に
*政策金利は11会合連続で引き下げられたが前回の利下げ幅は0.25%に縮小
*中銀が発表した調査では、20年の実質経済成長率はマイナス9.97%
*米、加、メキシコとのコロナ渡航制限継続
*中銀は流動性供給を延長
*5月からのペソ安定は貿易黒字と海外からの送金によるもの
*債務拡大でソブリン格付けの引き下げも話題になり始めている
*株価は安い、年初来12.59%安
*大統領は経済が4月と5月に「底を打った」と指摘
*対米貿易依存度が頗る高い
(5円台へ乗せきれず、鉱工業生産の悪化に出会う)
8月雇用統計、貿易収支、9月企業信頼感指数、9月製造業PMIと軒並み改善したことで、米国の追加経済対策不成立で世界的にリスク回避の流れとなった時もペソは底堅かった。ただ5円を目の前にした10月9日に発表された8月の鉱工業生産が、前月比3.3%上昇と、7月の上昇幅の半分程度となったことでペソは反落した。2カ月連続で伸びが鈍化した。6月の約19%増からも大幅に鈍化した。鉱工業生産は依然として新型コロナ感染再拡大の影響に対して脆弱で回復ペースが一段と鈍化する公算が大きいとされた。
(来週の指標は)
来週は9月失業率、10月中旬のインフレ、8月小売売上の発表がある
(メキシコ中銀金融政策議事録より)
現在はコロナ禍で景気の足取りは危ぶまれる状態だが、インフレは目標の3%を越え4%台なので金融政策のかじ取りは難しいところだ。
10月30日に3Q・GDPの発表があるが予想は前期比8%増、前年比10%減となっている
中銀議事録の要点は以下の通り
*景気回復は困難で長期化し、不確実性の影響を受ける
*経済持ち直しは外部セクターにより推進
*インフレのリスクバランスが不確実性のまま
*食料価格によりほとんどのインフレが上向き
*インフレが急速に下がるなら、金融政策の余地が広がるだろう
*政府の景気刺激策は十分ではない
(メキシコの外貨準備)
トルコの外貨準備が枯渇して400贈ドル台で推移し介入資金不足が懸念されている。
メキシコの外貨準備高は8月末で1990億ドルで若干であるが増加傾向となっている。
(注文状況、10月16日朝)
買いもしっかりしているが、5.0-5.15の売りはやや大きい。この壁を打ち破れるか。
(全国民にコロナワクチン接種を計画)
メキシコ政府は10月13日、新型コロナウイルスワクチンについて、欧米などの医薬品会社と購入契約を結んだことや、同ワクチンの開発と共同購入の世界的な枠組み「COVAX)」との取り決めにより、2021年末までにほぼ全国民に接種する計画を打ち出した。
ロペスオブラドール大統領の定例記者会見の席上、エブラル外相が国民の約90%に当たる1億1600万人以上に接種する方針を示した。12月から開始したい意向という。エブラル氏は「必要な供給量は既に確保している」と強調した。
米ファイザーが3440万回分、英アストラゼネカが7740万回分、中国カンシノが3500万回分を供給する見込み。COVAX計画からは5157万回分を予定するとしている。ロペスオブラドール氏は新型コロナでこれまでに、全国民向けのワクチンと医薬品と医療用品の供給を約束している。エレラ財務公債相はワクチン購入に16億5900万ドルを割り当てたとし、ワクチンは国民に無料で提供されると述べた。
テクニカル分析
5円の壁を上抜けず下落
日足、5円に乗せきれず、9月30日-10月7日の上昇ラインを下抜いて下落。10月13日-15日の下降ラインが上値抵抗。ただ15日は下ヒゲで抵抗。10月7-15日の上昇ラインがサポート。まだ雲上でもありボリバン上位でもある。5日線下向く。
週足、ボリバン下限から反発も上限近くから反落。9月14日週-21日週の下降ラインを上抜くも9月28日週-10月5日週の上昇ラインを下抜く。9月21日週-28日週の上昇ラインがサポート。
月足、8月は6月-7月の下降ラインを上抜く。6月-9月の下降ラインが上値抵抗。8月-9月の上昇ラインがサポート。
年足。16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。
VAMOS MEXICO
テキーラ VS 泡盛
ジェトロのメキシコ事務所は、沖縄の泡盛メーカーとメキシコの日本食レストラン経営者らが参加するオンライン商談会を開いた。現状ではほぼ知名度ゼロの泡盛だが、メキシコを代表する蒸留酒である「テキーラ」と同様に、熟成期間が長い製品もあり、参加者の関心を呼んでいた。日本食レストランDARUMAのマルティネス氏は「泡盛は初めて飲んだ。テキーラの代わりとして、カクテルに用いてみたい」と話した。
来年1月には九州の日本酒を紹介する同様のイベントを実施する予定で「中小企業の輸出拡大につなげたい」考えだ。
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