FXを始めたばかりの初心者には、勉強すべきことがたくさんあります。
テクニカル分析や手法、チャートの見方…その中でも、まず覚えたいのが「ローソク足」の見方です。
利益に直結しやすいと考えて、難しいテクニックを覚えたがる初心者の人が少なくありません。
しかし、FXトレードにおいて、ローソク足は相場情報を知る上ですべての基本となるものであり、たとえ難しいテクニカル分析を知らなくても、ローソク足の動きや形状を材料にトレードを行い、利益を獲得していくことは十分に可能です。
そこで今回は、初心者が知っておきたいローソク足についてご説明してみたいと思います。
ローソク足は実体とヒゲで構成されている
一口に「ローソク足」と言っても、その形状や並び方、組み合わせには、さまざまなパターンがあります。
だから、そのすべてを覚えようと思ったら大変になります。
そこで、初心者でもトレードですぐに使えるローソク足の基礎と、トレンド転換などの重要なポイントで出現するローソク足の形状から覚えるようにしましょう。
ローソク足とは、ある一定期間の為替の値動きをチャート上で表した図形のことです。
その形状がローソクに似ていることからこう呼ばれます。
1本のローソク足が示す値動きの期間は、チャートの設定によって異なり、「○○足」と表します。
例えば、5分間の値動きを1本のローソク足で示したものは、「5分足チャート」と呼ばれます。
1本のローソク足は、「始値(期間の始まりの価格)」「終値(期間の終わりの価格)」「高値(期間中の最も高い価格)「安値(期間中の最も低い価格)」という4つの値で構成されています。
そして、ローソクの太い部分を「実体」、実体から上下に伸びるヒゲのような細い線を「上ヒゲ」「下ヒゲ」と呼びます。
実体の上端と下端が、それぞれ「始値」または「終値」を表し、上ヒゲの先端が「高値」、下ヒゲの先端が「安値」を表します。
(外為どっとコム「川口一晃の基礎から学ぶテクニカル教室」より)
このように、ローソク足はシンプルな形ながら、一目で「始値」「終値」「高値」「安値」が判断できるという非常に便利なものなのです。
また、ローソク足には、始値よりも終値が高い「陽線」、始値よりも終値が低い「陰線」の2種類があり、一般的なチャートでは陽線は赤色、陰線は青色となっています。
(外貨ネクストNEOのチャートから)
つまり、赤色の長いローソク足が連続して出現している場面は、高値を更新し続けている上昇トレンド、逆に青色の長いローソク足が並んでいるときは、下降トレンドと判断できるわけです。
ローソク足が示す代表的なトレンド転換のサイン
ローソク足の基礎を理解したら、次はチャート上に特定の形状のローソク足が出現したとき、「トレンド転換」と判断できる代表的なサインをふたつご紹介しましょう。
まず、実体が短く、極端に上ヒゲまたは下ヒゲが長いローソク足です。
例えば、下降トレンド中に、陽線のローソク足で極端に下ヒゲが長いローソク足が出現した場合、「下降トレンドが終わり、上昇トレンドへの転換サイン」と見ることができます。
陽線で極端に下ヒゲが長いということは、一度は大きく安値を記録した後に反発して、終値が始値を超えたということです。
つまり、下降トレンド中であるのに、下落の勢いよりも反発した上昇の勢いが強くなったと判断できるので、トレンド転換の可能性が考えられるわけです。
もうひとつ、トレンド転換のサインとして知られるローソク足の形状に「同事線」というものがあります。
同事線とは、実体がほとんど無く、上ヒゲと下ヒゲの長さがほぼ等しいローソク足のことで、短い十字形をしています。
同事線が出現するのは、始値と終値がほぼ同価格であるときで、さらに両方のヒゲが短いというのは、買いと売りの注文が拮抗している状態ということです。
(外為どっとコム「川口一晃の基礎から学ぶテクニカル教室」より)
例えば、上昇トレンド中に同事線が高値付近で出現すると、買い圧力と売り圧力が同等になり始めたということから、下降トレンドに転換していく可能性が高いのであり、下降トレンドで出現すれば、その逆が起こるということなのです。
(外為どっとコム「川口一晃の基礎から学ぶテクニカル教室」より)
ローソク足は基礎ながら奥深いもの。正しい見方を学ぼう
テクニカル分析は、過去の価格変動から将来の変動予測を行うものです。
ところが、ローソク足が教えてくれるのは、現在の最新の価格変動です。
ローソク足を見るということは、相場の現状を正しく把握するということでもあるのです。
今回はFX初心者の方々にも参考になるようなローソク足の基本的な内容をご説明してみました。
ローソク足については、「抱き線」「はらみ線」「酒田五法」など、さまざまなチャート・パターンがあります。
ローソク足は、基礎的でありながら、奥深いものです。
ローソク足の基礎を覚えた後は、多種多様なテクニカル分析や手法を学ぶのもいいと思いますが、むしろ、ローソク足についてさらに深く学び、トレーダーとして成長する道もあると思います。
どちらの道を選ぶかは、あなた次第です。
PickUp編集部