ドル/円:上下の抵抗を抜け切れない状態。104.50割れで終えた場合は一段のドル下落へ。
直近の日足は実体が小さい陽線となり続落を食い止めている。単体では上昇エネルギーの強いものではないが、3手前の陽線が105.00-10にあった強い下値抵抗に跳ね返されており、これを下抜けて終えない限り、下値余地も拡がり難い形状となっている。一方で続伸に繋げた場合でも106.00~107.00ゾーンに強い上値抵抗が控えており、大幅続伸にも繋がり難いと見られる。足元では上値トライの可能性を残した状態だが、105円割れで終えた場合は下値リスクが点灯、104.50割れで終えるか、値動きの中で104.00割れを見た場合は、新たなドル下げトレンド入りの可能性が高くなる。この場合は101~102円方向への一段のドル下落へ。逆に可能性がやや低い状態だが、108.50超えで終えれば、短期トレンドが“ドルやや強気”に変化して、上値余地がもう一段拡がり易くなる。この場合でも長期トレンドがまだ弱く、109.50超えの抵抗を上抜けるには力不足と見ている。日足の上値抵抗は106.00-10、106.50-60、107.00~107.30に、下値抵抗は105.20-30、104.60-70、104.00-10にある。21日移動平均線は105.84にあり、これを挟んで上下動を繰り返しており、どちらに動き出してもおかしくないが、120日、200日線は107.25と108.04に位置しており、日足の上値抵抗とも重なっており、強い抵抗として働く可能性が高い。 一方週足を見ると、陽線を繋げられずに陰線引けとなったが、単体では下げエネルギーの強いものではない。また、3月に付けた101.19と7/31に付けた直近安値104.19を結ぶサポートラインも下抜けておらず、この週足の下値抵抗が104.70-80にあることから、これが最後の下値抵抗として働く可能性がある。一方で、上値を切り下げる流れから上抜けられない状態に変わりなく、強い上値抵抗が106円台から108円台まで段階的に控えており、ドル急伸にも繋がり難く、下値リスクがより高い状態に変わりない。今週の週足の上値抵抗は、106.50-60、107.60-70、108.10-20に、下値抵抗は前述の104.70-80、102.40-50にある。108.50超えの越週で一段のドル上昇の可能性が点灯、逆に104.50割れで越週した場合は、一段のドル下落に繋がり易くなる。31週、62週移動平均線は、107.73と107.90に位置しており、中期的な上値抵抗として働く可能性が高いことを示している。 今週の戦略は、ドル買いは105.20-30で軽く押し目買い。損切りは、浅い場合で104.90、深い場合は104.40で撤退。ドル売りは106.00-10で戻り売り。上値余地を106.40-50近辺まで見ておく必要がある。損切りは浅い場合は106.70、深い場合は107.30で一旦撤退。これが付いた場合でも108円はまだ壁となる可能性が高い。 上値は、106.00-10に軽い抵抗が、106.40-50、106.80-90、107.00-10、107.20-30に強い抵抗があり、大幅続伸にも繋がり難いと見るが、107.20-30の抵抗をクリアして、日足の実体を107円台に乗せて終えた場合は、上値余地が若干拡がり易くなり、107.50-60、107.80-90、108.10-20にある一段と強い抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きへ。可能性が低いと見るが108.50超えで越週した場合は、短期トレンドが“ドルやや強気”に変化して長期的な上値抵抗ポイントである109.50-60近辺までもう一段上値余地が拡がり易くなる。下値は、105.60-70に軽い抵抗が、105.50-60、105.20-30にやや強い抵抗が出来ているが、105円割れで終えた場合は下値リスクが点灯、104.50割れで終えた場合や、値動きの中で104.00割れを見た場合は、短期トレンドを“ドル弱気”に戻して103.10-20の抵抗を切り崩しつつ、101~102円方向への一段のドル下落に繋がり易くなる。下値抵抗は104.20-30、104.00-10、103.60-70、103.10-20、102.50-60、102.10-20。
ドル/円【日足】期間:2019/12/19~2020/08/21(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2017/07/07~2020/08/21(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:下値リスクが点灯中。124円割れで終えた場合は一段のユーロ下落へ。
日足は6手連続陰線引けとなり、上値を切り下げている。この間に直近の日足が125円割れで終えており、日足の形状が悪化して下値リスクが点灯中だが、124.40-50に日足の抵抗が、124.60-70に週足の抵抗があり、124円割れで終えない限り、“ダマシ”となる可能性を残している。一方で、上値も125.60-70、126.00-10、126.40-50に強い抵抗が出来ており、126.50超えで終えない限り、上値余地も拡がり難くなっている。短期トレンドは“ニュートラル”な状態に戻したが、上値余地が限られ易くなっており、125円台は売り場探しの戦略が有効と見ている。また、ユーロが対ドルで1.1750割れを見た場合も“ニュートラル”な状態に戻すので、ユーロ/円も上値余地も限られ易くなる。但し、この場合でもユーロが対ドルで1.1600を割り込んで終えない限り、“ニュートラル”な状態を保つので、ユーロ/円も急落にも繋がり難く、上下動を繰り返す可能性が高いと見られる。日足の上値抵抗は、125.40-50、125.70-80、126.00-10に、下値抵抗は124.40-50、124.00-10、123.00-10にある。21日移動平均線は124.92にあり、若干下抜けているが“ダマシ”の範囲内にある。また、120日、200日線は120.14と120.37で収束しており、中期トレンドが強い状態にあることを示している。 一方週足を見ると、高値圏から陰線が出ており、前週の上昇分を打ち消した格好となった。単体では下値リスクがやや高いものだが、3月に付けた114.43を直近安値として下値を急角度で切り上げて来た流れには変化が認められず、この週足のサポートラインの下値抵抗が、124.60-70に位置していることから、これを割り込んで越週しない限り、短期トレンドは大きく変化しない。日足の形状は悪化しているが、週足の抵抗を下抜けておらず、週初の突っ込み売りにも注意する必要がありそうだ。週足が124.50割れで終えるか、日足が124円割れで終えた場合は“ダマシ”の可能性を打ち消して、一段のユーロ下落に繋がり易くなる。この場合でも、週足ベースで見た強い抵抗が120.00±10銭にあり調整下げに留まるなら、押しは再び買い場となる可能性が高い。今週の週足ベースで見た上値抵抗は126.20-30、127.80-90に、下値抵抗は124.60-70、124.00-10、122.50-60にある。31週、62週移動平均線は120.17と120.13に位置しており、週足の抵抗とも重なっており、中期的な下値抵抗として働く可能性が高い。 今週の戦略は、ユーロ売りは、125.40-50で戻り売り。損切りは浅い場合で126.10、深い場合は“強気”の流れに戻す126.60に置く必要がある。買いは様子見か124.40-50で軽く押し目買い。損切りは下落リスクが生ずる123.80で撤退。浅い利食いも着実に。 上値は、124.90-00に軽い抵抗が、125.40-50、125.80-90、126.00-10、126.30-40に強い抵抗が出来ており、全てをクリアするのは難しいと見るが、126.50超えに実体を戻すことが出来れば、短期トレンドを“ユーロ強気”の流れに戻して一段の上昇に繋がり易くなる。この場合でも128.00~128.50ゾーンに月足ベースで見た長期的な上値抵抗が控えており、簡単には上抜けそうもない。下値は、124.40-50、124.00-10に強い抵抗があるが、124円割れで終えた場合は、短期トレンドが変化して一段のユーロ下落に繋がり易くなる。この場合でも中期トレンドが強い状態にあることから、調整下げに留まるなら120~122円ゾーンを大きく下抜けない可能性が高い。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2020/02/03~2020/08/21(移動平均線は21、120、200日) ユーロ/円【週足】
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