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EUと3つの対立軸で下落、インフレ懸念 リラ安で株高

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総括

EUと3つの対立軸で下落、インフレ懸念 リラ安で株高

(通貨10位、株価3位)

予想レンジ トルコリラ/円 14.8-15.8

(ポイント)
*政策金利は据え置き。インフレ懸念が強まっている
*地中海のガス油田、リビア内戦、アヤソフィア問題でEUと対立。制裁も
*為替は弱いが株価は強い
*IMFや民間の成長予想は弱気、政府予想は強気
*外貨預金の準備率を引き上げ
*外貨準備は減少
*リラ売り銀行の取引停止、外貨購入税の引き上げ、輸入関税でリラ安阻止
*1Q・GDPは前年比4.5%とまずまず
*為替需給は悪化している
*預金準備率引き下げ
*VWは工場建設をコロナ感染で延期
*長期金利は12%台へ上昇
*6月製造業PMIは50回復
*カタールの枠増加に続きに続き中国ともスワップ協定締結
*シリアやリビアでロシアと敵対関係にあり
*5月は6か月ぶりに月足は陽線となった(対円)
*フィッチこれ以上の格下げはないと表明
*非居住者との間の為替スワップを制限

(3つの対外対立でリラ下落)
 EUはトルコの東地中海ガス田開発を巡って、外相らがこれまでに同国への制裁強化で合意した。
 マクロン仏大統領はこの対応を呼び掛けるとともに、リビア内戦への関与でも制裁を課すべきと主張している。
 これに加え、アヤソフィア問題も重し(後述)

(しかし株価は強い)
トルコ株価指数は昨日も上昇し、今年、世界でも数少ないプラス圏市場となっている。リラ安を好感。為替市場ほど悲観的ではない。

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(インフレ懸念高まるが利上げ出来ない苦しさ)
今月はメキシコペソや南アランドが対円で上昇しているが、リラは下落している。 ただ年初来では3通貨共に弱い。トルコ中銀は予想通り政策金利を8.25%に据え置いた。据え置きは2会合連続。また、年末の物価上昇率が現行見通しの7.4%を上回る可能性があるとした。中銀は7月29日に公表する次回の物価見通しで予想を上方改定するとされている。
 主要政策金利の水準は6月のインフレ率である12.6%を大幅に下回っている。中銀は、「ただ最近は物価上昇が見られることから、年末の物価上昇率予想は上振れリスクがある」と述べた。これまで景気を押し上げるために9回連続で利下げをし、金利は24%から低下してきた。景気回復に伴い消費も増え、需要が主導する形でインフレ圧力が高まった。リラは5月に過去最安値を更新。中銀の外貨準備が枯渇していることや中銀が外貨スワップ協定の締結で部分的にしか成功していない点について懸念されている。

(民間はマイナス、政府はプラス予想、2020年GDP)
  トルコの2020年の国内総生産(GDP)は09年以来11年ぶりのマイナス成長に陥る見通し。新型コロナウイルスの世界的大流行と感染拡大抑制策で需要が落ち込んでいる。ただ、来年はプラス成長への回帰が見込まれている。
 ロイターが内外のエコノミスト42人を対象に行った調査では、通年のGDP予測は4.3%減だった。2Qは12.2%減、3Qは3.1%減と予想されている。来年は4.5%のプラス成長が見込まれている。
トルコ政府は新型コロナ流行の前に今年の成長率見通しを5%とし、その後もプラス成長は可能との立場を堅持してきた。1Qは4.5%と大幅なプラス成長だった。
ただ、政府は新型コロナ対策として学校や一部の事業所の閉鎖や国境封鎖を決定し、週末の封鎖措置を導入したため、2Qに経済活動は大幅に落ち込んだ。
トルコ経済が通年ベースで最後にマイナス成長に陥ったのは2009年で、マイナス4.7%を記録。その後は世界的金融危機後に供給された低利資金が引き起こした建設ブームなどを背景に10-18年の平均成長率は5%を上回った。

(最近の指標)
*6月観光客来訪は前年比96%減少、5月は99.3%減少
*7月企業信頼感指数は100.7で6月の92.6より上昇
*7月29日には6月貿易収支、中銀議事録、インフレリポートの発表がある

 (外貨準備減少、さらに減少)
 おそらくリラ買い介入で外貨準備が減少しているのだろう。スワップ協定強化も効果なし 7月17日で492.3億ドル。

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テクニカル分析(トルコリラ/円)

ボリバン下限下抜き、一時15円割れ近くに。雲の下へ

日足、7月22日-23日の上昇ラインを下抜きボリバン下限も下抜く。7月24日-27日の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限は15.375。5日線下向き。雲の下へ
 週足、低迷続く。5月4日週-6月29日週の上昇ラインを下抜き下落。6月8日週-7月20日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン中位を割り込む。
月足、5月は6か月ぶり月足陽線。ボリバン内へ戻る。20年3月-4月の下降ラインを上抜く。6月伸びず。7月も陰転。5月-6月の上昇ラインを下抜く。2月-3月の下降ラインが上値抵抗。
年足 5年連続陰線、今年は陽転して始まるも陰転。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

世界から批判、アヤソフィアをモスクに変更した背景は

 エルドアン大統領が世界遺産のアヤソフィアを博物館からイスラム教の礼拝所であるモスクに変更したことを受けて、86年ぶりとなる金曜日の集団礼拝が7月24日に行われた。今回のトルコの措置にはキリスト教圏から失望の声があがっていて、今後、欧米との溝が深まることも予想される。
 トルコは国是として政教分離や世俗主義を掲げてきたが、エルドアン大統領は、そうした中でもイスラム教の価値観を重視する政策を進めてきた。
 以前は禁じられていた公の場でのスカーフの着用を解禁したほか、アヤソフィアをモスクに戻すことにもたびたび言及し、意欲を見せていた。ただ、このタイミングでモスク化に踏み切った背景には政治的な動機も指摘されている。
エルドアン大統領が率いる政権与党は、去年、首都アンカラやイスタンブールの市長選挙で相次いで敗れ、このところ人気にかげりも見えている。
 新型コロナウイルスの影響で国内経済が大きな打撃を受け、国民の不満も高まる中、エルドアン大統領にはアヤソフィアをモスクに戻すことで、保守的な支持層をつなぎとめるねらいがあったのではないかとみられている。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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