いま最もホットな通貨ペアを日々ピックアップ!
その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。
7月27日(月)ユーロ/ドル
基調
波乱含み
目先の注目材料
・7/27 独7月Ifo企業景況感指数
・主要国株価、米独長期金利、国際商品価格
まだ上昇か、そろそろ頂点か
ユーロ/ドル相場の上昇が続いている。
先週21日に強い上値抵抗と見られていた1.15000ドルを突破した事で上昇に弾みがついた。
本日は2018年9月以来の高値となる1.17250ドル前後まで上値を伸ばしている。
欧州連合(EU)首脳会議が5日間に及ぶ協議を経て、総額7500億ユーロのコロナ復興基金に合意した事が最大のユーロ買い材料だ。
基金からの資金配分によって、域内各国の景気が下支えされるとの期待が高まっている。
ただ、コロナ復興基金については、これから欧州議会と加盟27カ国の議会での承認作業が待っている。
その後、欧州委員会が資金調達を行い、実際に加盟国に資金が配分されるのは一年近く先になる公算が大きい。
コロナ禍からの復興で最も重要と考えられる「スピード感」には乏しいと言わざるを得ない。
EU首脳が「債務の共有化」に踏み込んででも結束を内外に示した事はユーロにとって朗報だが、肝心の景気下支え効果は期待ほど高くならない公算が大きい。
また、足元のユーロ高にはコロナ感染再拡大を受けた米国経済の先行き懸念によるドル安の影響もある。
そうした中、シカゴマーカンタイル取引所(CME)の通貨先物ポジションでは投機筋の対ドルでのユーロ買い越しが2018年4月以来の高水準に膨らんでいる。
当時の買い越しのピークにはまだ及ばないものの、潜在的・将来的なユーロ売り材料と見る事ができる。
加えて、ユーロ/ドル相場の日足RSI(相対力指数)は短期(9日)が86.7%台、中期(14日)でも79.9%台と買われ過ぎを示す水準にある。
今のところ上昇トレンドに陰りは見られないが、相場は静かに転換点に近付いている可能性もありそうだ。
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