世界中のFXトレーダーに人気のある「ブレイクアウト」というトレード手法をご存知でしょうか。
ブレイクアウトには、最も知られている「レンジブレイクアウト」をはじめ、タイミングによっていくつかのパターンがあります。
また、ブレイクアウト手法は、エントリーポイントが分かりやすいというメリットがある反面、「ダマシ」が多いなどのデメリットもあります。
そこで今回は、ブレイクアウト手法について、ご説明するとともに、FX初心者でも「ダマシ」を回避しながら、利益が出せるようになるためのコツを、わかりやすくお伝えしたいと思います。
なぜブレイクアウト手法は機能するのか?
まず、ブレイクアウト手法が機能する理由について考えてみます。
ブレイクアウトが機能する最大の理由は、損切り注文と新規注文が発生し、一気に相場を動かすようなエネルギーが集中するためでしょう。
下記のチャートのように、レジスタンスを大きく上抜けて、ブレイクアウトが発生するパターンを考えてみます。
それまでレンジ相場だったために、価格が上抜けることで、レジスタンス付近から売りで入っていたトレーダーの多くに、レジスタンスの少し上あたりに入れた損切り注文が、大量に発生することになります。
この場合の損切りは、当然のことながら買い注文になるので、価格は一気にブレイクします。
同時に、上抜けることを期待して、レジスタンス付近で待ち構えていたトレーダーたちが、一気に新規の買い注文を入れるため、チャートはさらに上昇します。
これがブレイクアウトです。
ブレイクアウト手法のメリット・デメリット
ブレイクアウト手法のメリットはおもに以下のふたつです。
1)エントリーポイントが分かりやすい
ブレイクアウト手法は、ほかの手法と比較してエントリーポイントが分かりやすいことです。
多くの場合、レンジやキリ番(「110.00円」など小数点以下がきりの良い数字)付近など、相場のエネルギーが蓄積されるような価格帯になります。
2)トレンド発生で利益が大きくなる可能性
ブレイクアウト手法のもうひとつのメリットは、上か下に大きく抜けると、そのまま大きなトレンドとなって、利益が大きく伸ばせるかもしれないということです。
ただし、トレンドを形成するほどの大きなブレイクアウトは、それほど頻繁に発生しません。
そのチャンスを見逃さないように注意する必要があります。
一方でブレイクアウトのデメリットは、「ダマシ」が発生しやすいことでしょう。
典型的なケースは、「上に行くと見せかけて、下に戻ってきたものの、しばらくして、やはり上抜ける」というパターンです。
ところが、「上抜けと見せてかけて、そのまま下に一気に落ちていく」というパターンもあります。
ひとつめのパターンは、入り直せば済みますが、ふたつめのパターンは、「下抜けしたまま」ということもあり、レンジ下限での損切りなどが必要になってきます。
なお、「ダマシ」は、ブレイクアウト手法に限らず、さまざまな取引手法で発生するので、注意が必要です。
利益を出すためのコツ
ブレイクアウト手法について、簡単に説明してきましたが、ここからは、実際に利益をあげるためのコツについて考えてみましょう。
1)「押し」や「戻り」をしっかり待つ
ブレイクアウト手法のコツで大切なのは、ブレイクアウト直後の初動で飛び乗らずに、「押し」や「戻り」を待つことです。
初動で飛び乗ると、「ダマシ」にあうリスクが高くなるからです。
また、ブレイクアウト発生後に「押し」や「戻り」が一切なく、そのまま抜け切ってしまうことが、しばしば起こります。
もし、途中で思惑通りにいかなかったとき、すぐに対応できるのであれば、「押し」や「戻り」を待たずに、ポジションを持ってもいいでしょう。
ただ、初心者のうちは、「ダマシ」にあうリスクを抑えるためにも、できるだけ引きつけて、有利な位置から仕掛けたほうが、リスク・リターンの点からも安心です。
2)ボラティリティの高くなりそうな取引時間帯を狙う
ブレイクアウト手法で成功するためのもうひとつのコツは、ボラティリティ(価格変動性)が高くなる時間帯を狙うことです。
ブレイクアウト手法で利益を出すには、レンジなどのエネルギーがたまっている価格帯や、キリ番付近で揉み合っている価格帯などに狙いを定めておきます。
そして狙いを定めた価格帯を一気に抜ける瞬間をひたすら待つのです。
その場面として最も期待できるのが、「ボラティリティの高くなる時間帯」です。
例えば、ユーロ/米ドルならロンドン時間の始まりと終わりの時間帯。
特にロンドン時間の終わりは、アメリカ時間の開始時間と交錯することもあり、激しい値動きを見せるときがあります。
ただし、ポジションを手仕舞うトレーダーも多いことから、抜けてほしい方向とは反対方向に動くこともあり、十分な注意が必要になります。
さて、今回はブレイクアウト手法で利益を得るためのコツについてご説明してみました。
この手法はうまく“ハマる”と、FX初心者でも大きく利益が伸ばせます。
そのためには、「ダマシ」にあわないように、「押し」や「戻り」を待って、できるだけ引きつけてからエントリーするようにしてみてください。
そして、レバレッジをかけ過ぎずに、何度も経験を積むことが、コツをつかむ近道です。
リスクに十分注意しながら、チャレンジしてみましょう。
PickUp編集部