総括
原油価格回復と経済活動再開で上昇
予想レンジ 4.5-5.0
(ポイント)
*経済活動一部再開へ
*原油価格回復がペソを支える
*政策金利は5.5%まで引き下げられた
*4Q・GDPは確報値でマイナス成長となりリセッションへ 1Qも前期比マイナス1.55%
*CPIは低下
*雇用減少
*追加格下げ懸念あり
*政府はペソ買い介入を示唆
*中銀は2020年上半期のGDPは前年同期に比べ5%を超える減少となる見通しとした
*FRBとの通貨スワップも活用
*大統領支持率が急落
*ペソは2月の通貨首位から最下位グループへ陥落
*2月21日の弊誌でメキシコペソ売りの推奨(現在買い戻している)
*2019年のGDPは10年ぶりのマイナス成長
*2019年は20年ぶりの貿易黒字
(経済活動再開へ)
メキシコ政府は、自動車・鉱業・建設分野の企業の業務再開に向けた指針を公表した。衛生対策の計画書を提出した企業に対し、72時間以内に業務再開の可否を伝える。
メキシコでは新型コロナウイルスの感染が拡大しており、一部の政治家からは経済活動の再開は危険だとの声が出ているが、メキシコのサプライチェーンに依存する米国は業務再開を求めている。
米自動車大手GMは、組み立て工場を再開する可能性を従業員に伝えた。GMの元従業員で構成するグループは、衛生対策を監視する独立委員会の設置を求めている。
ロペスオブラドール大統領は「建設、輸送、鉱業分野の企業は、今日から業務再開に向けた書類の手続きを開始できる。まずは衛生対策だ」と発言。
政府は今回の指針により、経済活動を段階的に再開できるとの見方を示している。
(マツダも再開)
マツダは3月下旬から停止していたメキシコ工場での車両生産を6月1日から再開すると明らかにした。
(原油相場回復もペソを支える)
原油は一時マイナス圏へ下落したが、その戻しも速くペソを支えている。バルキンドOPEC事務局長は、減産合意の順守状況や原油価格の上昇に勇気づけられていると述べた。
バルキンド事務局長は、「歴史的な減産合意、および合意の順守状況に原油市場は好意的に反応した」とし、「需給の逼迫は段階的ではあるが安定的に収束している」と述べた。
OPECとロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」メンバーが5月前半に原油輸出を急減させた。新たな減産合意が順調に開始されたことが示された。
(米・カナダ・メキシコ、不要不急の渡航禁止を6月下旬まで延長)
米国、カナダ、メキシコは5月19日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため実施している3カ国間の不要不急の越境を禁止する措置を6月22日まで30日間延長すると発表した。3月中旬に始まった3カ国間の不要不急の渡航禁止措置は、これまで何度か延長されている。
カナダのトルドー首相は、米国との渡航規制について「両国の国民を守るための重要な決定だった」と指摘。カナダの10州は措置延長を望んでいたとし、米政府も延長に「極めてオープン」だったと述べた。米国土安全保障省とメキシコ外務省も30日間の延長を確認した。
(メキシコ・ボリバル株価指数も小反発)
まだ年初来18%安だが、他国と同様に3月半ばから上昇
テクニカル分析
なべ底から這い上がれるか
日足、前回は陽線が多くなってきたと書いたが、ボリバン上限を上抜き、雲中へ上昇。5月20日-21日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、3月9日週-5月11日週、2月17日週-24日週の下降ラインを上抜く。5月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。ただまだボリバン下位。
月足。19年10月-12月の上昇ラインを下抜く。1月、2月は上ヒゲが長く3月は急落。まだボリバン下限以下だが今月は3月-4月の下降ラインを上抜いて陽線スタート。
年足。16年-19年の上昇ラインを下抜く。15年-20年の下降ラインが上値抵抗。
VAMOS MEXICO
メキシコ首都のコロナ死者、政府発表の3倍か
非営利団体「汚職と免責に反対するメキシコ人」は、新型コロナウイルスによる首都メキシコシティでの死者が4577人にのぼる可能性があると明らかにした。同団体がデータベースにアクセスし、医師が死因を新型コロナの可能性を指摘しているケースも含めて集計した。メキシコシティの政府が18日時点で公式に発表した死者数(1332人)の3.4倍に相当する。
メキシコの新型コロナを巡っては、米紙ニューヨーク・タイムズも死者数は過小だと報じている。
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