いま最もホットな通貨ペアを日々ピックアップ!
その動向や見通し、注目材料をコンパクトにお伝えします。
4月14日(火)トルコリラ/円
基調
下値不安
目先の注目材料
・主要国株価、国際商品価格
続落リスクを警戒
トルコリラの軟調推移が続いている。
昨日、対ドルでは6.7936リラ前後まで下落して史上最安値を更新(ドル/リラ相場は高値更新)。
トルコ当局のリラ売り規制措置などで下落ピッチは緩やかだが、売り圧力は根強い。
対円では一時15.795円前後まで下落して2018年8月の急落局面で記録した史上最安値(15.504円前後)に接近した。
トルコでも、新型コロナウイルスの感染が拡大しており、昨日(13日)時点で6.1万人以上のウイルス感染が確認され約1300人が死亡した。
トルコ経済への打撃は避けられずリラ売り材料となっている。
それ以上に深刻なのは、世界同時不況による新興国からの資金引き上げの動きであろう。
トルコでも資金流出が続いていると見られ、当局は対抗措置としてリラ買い介入を実施している模様。
これにより4月3日時点の外貨準備高は582億ドルと前週から60億ドル近く減少した。このペースだと、10週間ほどで外貨準備が枯渇する計算だ。
また、昨日はエルドアン大統領が「国際通貨基金(IMF)の計画をはじめ、我が国への偽善の押し付けには屈しない」と述べて、金融支援を拒否する姿勢を示した事もリラの重しになった。
市場は本来、IMFなどの公的支援を嫌う(通貨売り材料視する)傾向にあるが、リラは逆に支援を拒否した事で下落した。
市場には、トルコ経済はもはやIMFの支援なくしては回復困難との見方が多いという事かもしれない。
当面は、トルコリラの続落リスクに警戒が必要だろう。
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