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3か月連続経常赤字、介入で外貨準備減少、感染拡大

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総括

3か月連続経常赤字、介入で外貨準備減少、感染拡大

(通貨10位、株価6位)

予想レンジ トルコリラ/円 15.3-16.3

(ポイント)
*製造業PMI、貿易収支、経常収支、失業率、自動車生産、経済信頼感が悪化
*3月CPIは低下
*外貨準備減少(リラ買い介入で)
*今週は銀行株が下落(外為規制やIMFからの融資否定で)
*民間の成長予想は弱気、政府予想は強気
*新型コロナウイルス感染拡大で外出禁止対象を拡大
*政策金利はここまで7会合連続引き下げ
*新型コロナウイルスの感染拡大で影響を緩和するため、総額1000億リラ(154億ドル)の経済対策を発表
*シリア戦ではロシアと停戦合意
*19年4Q/GDPは前年同期比6.0%増
*20年は5%成長の政府見通しとなっている
*非居住者との間の為替スワップを制限
*EUが対トルコ制裁を決定(キプロス沖での石油開発で)
*フィッチが格付け見通しを上方修正
*海外からトルコ国内への投資は増加

(コロナウィルス感染者数増加)
 先週の世界的リスク選好で株価指数は7.7%上昇、リラも上昇したが0.62%と小幅にとどまった。トルコでも首都アンカラや最大都市イスタンブールなど31都市の市民に対し外出禁止令が出された。新型コロナウイルスへの感染拡大に歯止めがかからない事態を受けた措置。4月10日発表ではウイルス感染による死者は過去24時間で98人増え、計1006人になった。感染者総数は4万7029人に達した。

(消費者物価の伸びが鈍化)
 3月の消費者物価指数は前年比11.86%上昇し、伸び率は2月の12.37%から鈍化した。トルコのCPIは2月まで4カ月連続で伸びが加速していたが、世界的な石油価格の下落によって一服した格好だ。
トルコは必要なエネルギーをほぼ輸入に依存しており、国際石油市場の下落により、輸送関連のCPIは1.91%低下した。

(2月鉱工業生産、小売売上はまずまず、3月自動車生産は悪化)
2月鉱工業生産は前年比7.5%増(1月は7.7%増)、2月小売売上は10.6%増(1月は9.4%増)でまだコロナウィルス感染の影響は受けていない。ただ3月自動車生産は前年比21.7%減と2月の7%増を大きく下回った。悪影響は3月からか。

(外貨準備減少)
 トルコ中銀の4月3日時点の外貨準備は271億4000万ドルと、1週間前の325億5000万ドルから大幅減少した。また、国内で新型コロナウイルスの感染が拡大する前の2月末からは110億ドル縮小した。
中銀の外貨準備はここ1年、通貨リラ相場を安定させるための国営銀行の介入に加え、新型コロナに対応するため最近打ち出された預金準備の引き下げなどにより減少している。

(3か月連続経常赤字)
トルコリラは経常収支が赤字となってからまた弱含み推移し始めていた、昨日発表された2月経常収支も12.3億ドルの赤字。5か月連続黒字の後、3か月連続赤字。


(12─2月トルコ失業率は13.8%、新型コロナ危機前に小幅上昇) 
 2019年12月-20年2月の失業率は13.8%で、19年11月-20年1月の13.7%から小幅上昇した。18年12月-19年2月の失業率は14.7%で10年ぶりの高水準だった。トルコ経済は18年のリラ急落によるリセッションから回復したものの、失業率は高止まりしている。3月に入り新型コロナウイルスの感染拡大が経済活動に深刻な影響を及ぼしており、今後も高失業率が続くと予想される。
12-2月の非農業部門の失業率は15.7%で11月-1月の15.8%から小幅低下した。
労働参加率は51%で16年2月以来の低水準となった。

テクニカル分析(トルコリラ/円)

もみ合いから下落

日足、4月9日-10日の上昇ラインを下抜く。4月9日-10日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン下位、下限は15円半ば。
週足、3月23日週の長い上ヒゲで下落。3月30日週-4月6日週の上昇ラインを下抜く。3月30日週-4月6日週の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限。
月足、19年8月-20年2月の上昇ラインを下抜く。20年2月-3月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限に到達。
年足 5年連続陰線、今年は陽転して始まるも陰転。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。

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メルハバ

今週は銀行株下落、外為規制などで

 4月13日は銀行株が下落。銀行の外貨スワップ取引の上限引き下げや、IMFによる融資の可能性を政府が否定したことが背景。
 トルコ銀行調整監視機構、金融安定化措置として、国内銀行による外国法人との外貨スワップなどの取引について、期間7日物の取引上限を銀行資本の10%から1%に、30日物を22%に、それぞれ引き下げた。また大統領府報道官は「信用供与や新たなスタンドバイ融資枠についてIMFと新たに合意することは検討していない」と述べた。

情報提供元:FX湘南投資グループ
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