総括
トルコにもウィルス感染の波、中銀強気、民間弱気
(通貨8位、株価8位)
予想レンジ トルコリラ/円 15.8-16.8
(ポイント)
*トルコもコロナウィルス感染者数が増加
*政策金利は7会合連続引き下げ
*政府中銀の成長見通しは強気、民間は弱気
*3月経済信頼感指数は悪化
*新型コロナウイルスの感染拡大で影響を緩和するため、総額1000億リラ(154億ドル)の経済対策を発表
*3月消費者信頼感指数が改善
*シリア戦ではロシアと停戦合意
*インフレはやや高く12%台
*19年4Q/GDPは前年同期比6.0%増
*12月、1月と経常収支が赤字化
*20年は5%成長の政府見通しとなっている
*国営銀行がリラ買い支え
*非居住者との間の為替スワップを制限
*EUが対トルコ制裁を決定(キプロス沖での石油開発で)
*フィッチが格付け見通しを上方修正
*海外からトルコ国内への投資は増加
(トルコにもウィルス感染の波 リラ売りへ)
通貨8位、株価8位と新興国ではなんとか踏ん張っている。それは今年の成長率が5%程度と他国と比べれば高度成長が見込まれていることがある。ただトルコにもウィルス感染の波が押し寄せている。
トルコでは感染が確認された人がこの先週の1週間で8倍以上に増えて5000人以上にのぼり、政府はすべての国際便の運航を停止するなど、感染拡大を防ぐための対策を一層強化した。コジャ保健相は3月27日、新感染が確認された人がこの日だけで2000人以上増えて合わせて5698人になったと発表した。政府が検査を強化したこともあるようだ。エルドアン大統領は各県の知事の許可なく国内の別の都市への移動を禁止することや、外出禁止については、65歳以上の人に限定する措置を続けるものの、改めてすべての国民に不要不急の外出を控えるよう、強く求めた。
(製造業PMIに注目 指標多し)
今週は 経済信頼感指数 貿易収支 製造業PMI 消費者物価の発表がある。
3月経済信頼感指数は91.8で前回の97.5から悪化した
(中銀は強気)
トルコ中銀のオズバス副総裁は、新型コロナウイルスの影響が同国に広がる中でも、2020年1Qの経済成長率は高い伸びを示すとの見解を示した。副総裁は「1-2月の経済活動が堅調だったため、1Q全体として力強い成長を見込んでいる。旅行支出を除き、消費の減退を顕著に示す兆候は見当たらない」と指摘。「新型ウイルスの感染ペースが鈍るにつれ、トルコ経済は急速に回復する」との見方を示した。
感染拡大を受け、トルコ政府は、移動制限や公的施設の使用制限を課しているほか、総額150億ドルの経済対策を発表した。
(民間は弱気)
格付け各社は、トルコが新型コロナ流行で深刻な打撃を受ける可能性があるとみている。
ムーディーズは、トルコがG20の新興国の中で最も深刻な影響を受けると予想。2Q、と3Qで、経済が7%縮小すると見込んでいる。
フィッチは、今年の経済成長見通しの「大幅な下振れリスク」があると指摘。ゴールドマン・サックスとドイツ銀行も今年の成長見通しを下方修正している。
トルコ経済は2018年の通貨危機に伴うリセッションから昨年立ち直ったばかり。
(エルドアン大統領は檄)
エルドアン大統領は3月25日、新型コロナウイルスの感染拡大に関して、適切な措置によって打撃を最小限に抑えたうえで、今後2-3週間で克服すると言明した。
トルコ政府は、学校の休校措置の期限を4月30日まで延長した。
トルコは、国内で感染が始まってから2週間の間に、合計3万3000人分の検査を実施している。大統領は、トルコは感染に関するあらゆるシナリオに備えていると述べ、国民に忍耐と理解と協力を呼びかけた。
(すべての国際便の運航停止 )
トルコでは、新型コロナウイルスの感染が確認された人がこの1週間で8倍以上に増えて5000人以上にのぼり、政府はすべての国際便の運航を停止するなど、感染拡大を防ぐための対策を一層強化した。
エルドアン大統領は3月27日夜、演説し、「国民の健康や安全を守るため、これから実行していく対策を発表する」と述べ、すべての国際便の運航を停止したことを明らかにした。
トルコ政府はこれまで、アメリカの首都ワシントンやロシアの首都モスクワなど5つの都市との国際便に限って運航を続けていたが、感染の拡大を踏まえ、対策を一層強化した。
エルドアン大統領はさらに、各県の知事の許可なく国内の別の都市への移動を禁止することを発表した。
一方、外出禁止については、65歳以上の人に限定する措置を続けるものの、改めてすべての国民に不要不急の外出を控えるよう、強く求めた。
テクニカル分析(トルコリラ/円)
週足、月足がボリバン下限。年足6年連続陰線へ向かうのか
日足、3月23日-26日の上昇ラインを下抜く。3月9日-30日の上昇ラインがサポートだが今朝一時下抜いている。3月26日-27日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、3月9日週、16日週と長い下ヒゲを出すも上げ切らず。3月9日週-16日週の上昇ラインを下抜く。2月24日週-3月23日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、19年8月-20年2月の上昇ラインを下抜く。20年1月-2月の下降ラインが上値抵抗。ボリバン下限に到達。
年足 5年連続陰線、今年は陽転して始まるも再び陰転。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。
メルハバ
サッカーの元トルコ代表が陽性
サッカーの元トルコ代表GKリュシュトゥ・レチベル氏(46)が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示し、病院に搬送された。レチベル氏はトルコ代表で歴代最多120試合に出場し、日韓開催の2002年ワールドカップではベスト4に輝いた。かつてプレーしたバルセロナはツイッターで「リュシュトゥ、元気になって。私たちはあなたを愛しているし、あなたとともにある」と励ました。
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