食品メーカー勤務の兼業トレーダーS.AさんはデモトレでFXを覚え、新しい通貨を売買する前にも必ずデモトレで練習してから、リアルなトレードを開始するという堅実派。現在22歳のS.Aさんは本業以外で収入を得る方法としてFXを選択しました。若い世代の多くが、就労、収入、そして将来の貯蓄に対して不安を抱いています。少額でスタートし、コツコツと着実に利益を積み上げていくS.Aさんの姿は、同世代の人たちに対するひとつのメッセージになるかもしれません。
S.A氏 プロフィール
年齢性別:20代女性
職業:食品メーカー勤務
FX取引歴:約10カ月
投資商品:FX
趣味:パソコンとRPGゲームの制作
↓↓↓前編はこちら
若手トレーダーS.Aさんに聞く!(前編)「新しい通貨はバーチャルで試してから売買します」
自分のなりの“マイルール”を守る
- PickUp編集部:
- 新しい通貨をバーチャルで試す以外に何か決めている“マイルール”はありますか?
- S.Aさん:
- 強制ロスカットされそうな通貨には手を出さない。ナンピンはしない。ボラティリティが高過ぎると感じたものは、とりあえず手を出さない。無理にテクニカル分析をして、それをもとに売買するんじゃなくて、「自分の感覚でわかるものに限る」という感じですね。私は「ニュース」と「要人発言」と「5分足のローソクチャート」で取引をしています。
- PickUp編集部:
- 判断材料は、自分にあったものを熱心に追求されるということですね。例えば、セミナー動画などもネットで提供されていますが、こういうものは見ていますか?
- S.Aさん:
- 見ないです。すいません(笑)。嫌いだから見ないのではなく、情報として意識していませんでした。取引用のアプリで提供されているニュースだけで十分だと思っていました。専門家のレポートなども読みません。ぶれずに自分の感覚でやったら、すんなりできちゃいました。無駄にテクニカルやって失敗した人もいるようですし。だったら、自分にとってやりやすい方法でやってみるのは“アリ”かなと思っています。
まわりの人には言いません
- PickUp編集部:
- 現在はおひとり暮らしですよね。ご家族やお友だちは、S.AさんがFXをしていることを知っていますか?
- S.Aさん:
- 家族や知人には言っていません。「やめたほうがいいよ」と言われそうだから(笑)。知り合いの人から借金した話を聞いているので、間違いなく「やめたほうがいい」と言われそうです。
- PickUp編集部:
- ただ、S.Aさんは、ポジションを持ったら、ストップ注文を入れるなど、リスク管理をしながら運用されていますよね。おそらく、借金するような事態にはならないでしょうし、「やめたほうがいい」という周囲の方々の発言は、むしろ「FXがよく分かっていないからだ」とは思いませんか?
- S.Aさん:
- はい、そう思います。ただ、実は私自身も「FXで失敗する場面はあるだろうな」と思っているんです。それというのも、私自身も一度だけ、大きな損を出しそうになったことがあるからです。米ドル/円でポジションを持っていたのですが、お風呂に入っている間に、偶然にも“ひょい”って相場が急上昇していて、お風呂上がりにチェックした瞬間に「ヤバい!」と思って、慌てて切ったことがあるんです。強制ロスカットにかかったことはありませんが、それでも、一番負けたときに、残高が1000円台になっていました。あのときは、「やってしまったな」という気持ちになりました。
それでも私はやめません
- PickUp編集部:
- ところで、ご自身の取引成績はどのように判断しているのでしょうか?例えば、毎月の目標利益などは決めていますか?
- S.Aさん:
- 目標は漠然としか決めていません。1カ月で5,000円の利益が出たら上々だと思っています。「利確」の注文を出したときはうれしいですね。「やった!儲かった!」という感じです(笑)。国際ニュースの内容が、自分が予想していたように動いたときもうれしいですね。
- PickUp編集部:
- FXは楽しいですか?
- S.Aさん:
- 楽しいときもあるし、やられたときは混乱してしまい、「精神的にキツいな」と感じるときもあります。ただ、そうしたことも含めて、まだ、FXをやめる気はないです。 儲かったらラッキーですし、楽しい気持ちのほうが勝っています。勉強は大変です。それでも、「勉強し続けたら、この先どこまで儲かるんだろう」なんて想像すると、楽しいじゃないですか!(笑)。
- PickUp編集部:
- FXは投資なので、負けるときもありますよね。もともと日本の投資家は「元本保証を強く望む傾向が強い」とされてきましたが、負けるときがあることも、 FX のひとつのおもしろさっていうことですかね?
- S.Aさん:
- 負けたときでも、「なんとか巻き返せばいい」という自信が、自分の中にあるのかもしれません。
- PickUp編集部:
- ところで、S.Aさんはギャンブルをされますか?
- S.Aさん:
- 一切やりません。例えばパチンコは音がうるさいし、たばこの臭いが嫌いなので行かないです。株もやりません。FXだけです。 周りの人たちにも言っていないので、FX投資について何か言われることもありません。特にそれで孤独感を感じることもないですね。
投資の最終目標はマンション購入
- PickUp編集部:
- 最終的な投資の目標はありますか?
- S.Aさん:
- いずれ、毎月10万~20万円の貯金ができるようになりたいです。それまではFXでコツコツと稼いでいきます。最初に10万円を取引口座に入れてFXを始めて、これまでに約9万円が儲かりました。なんとかプラスで運用できています。
- PickUp編集部:
- もしお金が貯まったら、何に使いたいですか?
- S.Aさん:
- マンションを買いたいです!今の仕事だけでは、自宅を買えないので、FXで獲得した利益を購入資金の一部に充てたいです。
- PickUp編集部:
- ところで、S.Aさんの趣味は何ですか?
- S.Aさん:
- パソコンでゲームを作るのが趣味なんです。今、ロールプレイングゲーム(RPG)を作っています。キャラクターデザインをしています。どちらかというとファンタジー系のゲームが好きなんです。家にいるときは、パソコンで FXをやっているか、動画を見ているかです。ご飯もパソコンの前で食べています(笑)。私は興味を持ったことに、本気で取り組む性格のようで、勉強熱心かどうかはわかりませんが、興味を持ったり、本気になったりしたものは、ずっと突き詰めてきました。
株は怖いのでFX一択!
- PickUp編集部:
- もし友達から「FXってどうかな?」って相談されたら、FXを勧めますか?
- S.Aさん:
- 「やめたほうがいい」って言います。それでもやりたいなら「自己責任でお願いします」と(笑)。失敗したときの責任を押しつけられたくないですし、やっぱり、始めるときは大変ですし、メンタル的なプレッシャーも強いですから。
- PickUp編集部:
- 投資はFXのほかにもあります。FX以外の金融商品については、どう思っていますか?
- S.Aさん:
- あくまでも個人的な感覚ですが、「危ない」という認識です。中でも株は「一番危ないかな」と思っています。理由は「落ちた瞬間が怖い」と思ったからです。おそらく、将来、資産ができてもやらないですね。株主優待があったとしても、私はやらないです。仮想通貨も人気がありますが、私はやりたくないです。FXよりもリスクが高くて怖いです。
- PickUp編集部:
- S.Aさんにとって、FXが「他の金融商品よりも安心だ」と感じられるのはなぜだと思いますか?
- S.Aさん:
- 「買い」と「売り」の両方があることですかね。売りからでも始められるは大きかったです。今のところ私は、「FX一択」です。10年後にどうなっているかは、ちょっと分からないですけれど、今のところは、他の金融商品に興味はありません。
来年はイベントがいっぱい!
- PickUp編集部:
- さて、FX歴8カ月のS.Aさん。今後、トレーダーとしてやっていけそうですか?
- S.Aさん:
- 数年後にどうなっているのか、続けられているのか、とても不安です。その一方で楽しみもあります。特に来年はいろんなイベントがあります。イギリスのEU離脱、11月にはアメリカの大統領選挙あります。2020年の夏には、東京オリンピックが開催されます。正直、相場がどう動くか、なかなか読めないです。来年はかなり動きそうな予感があります。
- PickUp編集部:
- 最後に後輩トレーダーたちにひとことお願いします。
- S.Aさん:
- 無謀なことはしないようにしましょう。レバレッジをかけ過ぎないようにして、知らない通貨に手を伸ばすときは、しっかりと研究してからにしましょう。よく知らない国の通貨ならなおさらです。相場の動向が読めないものには、そういう姿勢で向かうことが大事だと思います。
- PickUp編集部:
- 今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
PickUp編集部
PickUp編集部:FXの投資スタイルは人それぞれです。投資資金が少額なので、大きな利益が出ているとは思われない人も少なくないでしょう。しかし、投資効率という面から考えれば、資産運用において、FXは非常に有効な手段のひとつであることを、S.Aさんの事例は示しているようです。