ドル/円：短期トレンドは“ドルやや強気”を維持。108.50割れで終えた場合は下値リスクが点灯。一方向へ抜け出す可能性にも注意。
日足は値幅の小さい足が連続しており、方向感を示せずに小幅レンジでの揉み合いとなっているが、値動きの収縮が強まっており、そろそろ一方向へ抜け出す可能性に注意する必要がある。日足の下値抵抗が108.50-60にあるが、これを割り込んで終えた場合や107.80-90の抵抗を下抜けた場合は下値リスクが点灯、107.00割れを見た場合は短期トレンドが変化して106円台にある週足、月足の抵抗の強さを確認する動きが強まり易くなる。逆に109.30-40の抵抗をクリアして109.50超えで終えた場合は上値余地がもう一段拡がり易くなるが、この場合でも週足の抵抗が109.80～110.20ゾーンにあり、ドル急伸にも繋がり難いと見られる。日足の上値抵抗は109.00-10、109.30-40に、下値抵抗は108.50-60、107.80-90、107.10-20にある。21日移動平均線は108.76に位置しており、若干下抜けているが“ダマシ”の範囲内にある。120日線は107.77にあり、短期トレンドをサポートしているが、強いものではない。また、200日線は108.96にあり、上値を抑え込んだ状態にある。 一方直近の週足は実体が小さく寄せ線に近い形の陰線引けとなった。下値を切り上げる流れを守る一方で109.10-20の週足の上値抵抗も上抜けておらず、上下の抵抗を抜け切れない状態が続いているが、値動きの収縮が強まっていることから今・来週にも新たな方向へ動き出す可能性に注意する必要がありそうだ。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は、109.20-30、109.80-90、110.10-20に、下値抵抗は108.60-70、107.00-10、106.20-30にある。週足の上値抵抗が109円台前半から110円台前半に厚いことから110.30超えで越週しない限り急伸にも繋がり難いと見ている。逆に、108.60以下で越週するか、日足が108.50割れで終えた場合は下値リスクが高くなる。31週移動平均線は108.16にあり、短期トレンドをサポート中だが、108円割れを見た場合は下値リスクが高くなる。また、62週線は109.86に位置しており、週足の上値抵抗とも重なって強い上値抵抗として働く可能性が高い。 今週の戦略は、ドル売りは109.00-10で戻り売り。損切りは109.60で一旦撤退。ドル買いは108.50-60で軽く試し買い。損切りは107.80で撤退。但し、日足が108.50以下で終えた場合は、下値リスクが高くなるので、ドル買いは一旦撤退して様子を見た方が良さそうだ。 上値は、108.70-80に軽い抵抗が、109.00-10、109.30-40に強い抵抗があるが109.50超えで終えた場合は109.80-90、110.10-20にある一段と強い抵抗をどこまでクリア出来るかトライする動きへ。この場合でも110.30超えで越週しない限り、上値余地も限られよう。下値は108.50-60、108.20-30に抵抗があるが、108.50以下で終えるか107.80-90の抵抗を下抜けた場合は、下値リスクが高くなり、107.50-60、107.10-20にある下値抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。107.00割れを見た場合は短期トレンドが変化して、月足、週足の抵抗である106.50～106.00ゾーンの強い抵抗をトライする動きが強まり易くなる。さらに106円割れで越月した場合は新たな下げエネルギーを得て102円方向への一段のドル下落へ。
ドル/円【日足】期間：2019/03/21～2019/11/22（移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様）
ドル/円【週足】期間：2016/10/07～2019/11/22（移動平均線は31、62週、以下週足は同様）
ユーロ/円：上値の重い展開続く。119円割れで下値リスクが点灯。
直近の日足は陰線引けとなり、上値トライに失敗して終えている。上値をゆっくりと切り下げており、上値の重い感があるが、119円台の下値抵抗も守っており、調整的な下げの範囲内に留まっている。但し、119円割れを見た場合は短期トレンドが変化して下値余地がさらに拡がり易くなり、118.00-10以下の足元を固め直す動きが強まり易くなる。この場合でも117～118円ゾーンに強い下値抵抗が控えており、ユーロ急落にも繋がり難いと見られる。逆に121円台を回復して終えた場合は、調整下げが一巡して一段のユーロ上昇に繋がり易くなる。日足の上値抵抗は120.10-20、120.50-60、121.00-10に、下値抵抗は119.50-60、119.00-10、118.00-10にある。21日、120日、200日移動平均線は120.42、119.86、121.75に位置しており、全てを下抜け始めており、下値リスクがやや高い状態にある。 一方直近の週足は、小陰線で終えている。下げ余力の強いものではないが、121円台を回復出来ずにゆっくりと上値を切り下げており、120.50に位置する31週移動平均線も下抜けて上値を抑え込んだ形となっている。一方で、9/3に付けた115.87を直近安値として下値を切り上げる流れを維持しており、この週足の下値抵抗が119.40-50に位置していることから、これを割り込んで越週するか、値動きの中で119円割れを見ない限り、反転、上昇に繋がる可能性を残しており、週初の売りも慎重に。今週の週足ベースで見た上値抵抗は120.60-70、121.00-10、122.80-90に、下値抵抗は前述の119.40-50、117.70-80、116.50-60にある。31週移動平均線は120.50と123.75に位置しており、中期トレンドは“ユーロ弱気”の流れにある。 今週の戦略は、ユーロ買いは119.40-50で軽く押し目買い。損切りは短期トレンドが変化する118.90で撤退。ユーロ売りは120.40-50で戻り売り。損切りは121.20で撤退。119円割れを見た場合は短期戦略をユーロの戻り売り方針に転換。逆に121.00超えで終えるか121.50-60の抵抗をクリアした場合は、ユーロの押し目買い戦略に転換としたい。 上値は120.00-10に軽い抵抗が、120.20-30、120.50-60に強い抵抗が出来ており、上値余地が限られ易い状態にあるが、121.00超えで終えるか121.50-60の抵抗をクリアした場合は、下値リスクが後退して上値トライの動きが強まり易くなり、122.80～123.20ゾーンまで上値余地が拡がり易くなる。下値は、119.40-50、119.10-20に強い抵抗があるが、119.00割れを見た場合は、短期トレンドが変化して118.00-10以下にある強い抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。下値抵抗は117.70-80、117.50-60、117.10-20、116.60-70、116.00-10。（川合 美智子）
ユーロ/円【日足】期間：2019/05/06～2019/11/22（移動平均線は21、120、200日）ユーロ/円【週足】
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