読む前にチェック!最新FX為替情報

読む前にチェック!
最新FX為替情報
CFD銘柄を追加!

スプレッド
始値比
  • H
  • L
FX/為替レート一覧 FX/為替チャート一覧 株価指数/商品CFDレート一覧 株価指数/商品CFDチャート一覧

FX初心者にオススメの通貨ペアは何?

f:id:navimedia:20191018142415j:plain

FXでは、通貨ペアによって、為替相場の動き方や変動要因が異なるだけでなく、スプレッドの幅、必要となる保証金まで、いろいろ違いがあります。
数ある通貨ペアの中で、初心者はどの通貨ペアを選ぶべきなのでしょうか。
ここでは、初心者におすすめの通貨ペアを紹介し、その通貨ペアから何を学ぶべきかを解説します。

FX初心者を「投資未経験者」と定義する

FX初心者といっても定義はさまざまです。
FXはやったことがないという人でも、株式投資や投資信託の経験はあったり、外貨預金をされたりしている人もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、株式投資も、投資信託も、外貨預金もやったことがない、これまで銀行預金しか経験がなかったような、まったくの投資初心者を前提に、その人たちがFXをする場合に、おすすめとなる通貨ペアを紹介しましょう。

FX初心者は米ドル/円から始めましょう

FXを始めた動機は人それぞれでしょう。
それでもFXは投資です。
利益が得られるときも、損失を出すときもあります。
「よくわからないけれども、とりあえずやってみよう」というスタンスでは、ビギナーズラックで勝てることがあるかもしれませんが、長期的にみると、痛い目をみる可能性が非常に高くなります。

そこで、FXについて、しっかりと知ることが必要になりますが、初心者にはまず、米ドル/円の通貨ペアをおすすめします。
これには明確な理由があります。

おすすめする理由① 「アメリカと日本のニュースは毎日確認できる」

為替レートとは、二国の通貨を交換するレートのことです。
米ドル/円の値は、米ドルと日本円を交換するときの乗数になります。

この乗数は一定の値ではなく、米ドルの需要と日本円の需要の大きさによって変動します。
また、日本円から米ドルに交換するときの乗数と、米ドルから日本円へ交換するときの乗数は別物なので、「Bid(売値)」と「Ask(買値)」と、二つが一緒に提示されています。

これらの為替レートは、基本的に、米ドルの需給が日本円の需給よりも、相対的に引き締まっているときに上昇し、「円安・ドル高」になります。

もう少し簡単に説明すると、米ドルが値上がりしたとしても「それでももっとドルがほしい」という人が多いと、ドルの価格がさらに値上がりするという状況です。

逆に、米ドルの需給が、日本円の需給よりも相対的に緩んだとき、つまり、日本円の需給が引き締まったときに、「円高・ドル安」になります。
円がどれだけ値上がっても、円をほしい人が多いと、円は値上がりします。

FXで利益を上げるためには、通貨ペアのそれぞれの動向を知る必要があります。
日本に住んでいると、日本のニュースはもちろんのこと、アメリカのニュースも、毎日のように入ってきます。

アメリカの政策金利の引き下げのニュースを知ったとき、米ドルは買われるのか、それとも売られるのか、日本経済の先行きが怪しくなってきたというニュースを知ったとき、日本円は買われるのか、それとも売られるのか、日本とアメリカのニュースは継続して見られるので、判断がしやすいのです。
また、判断に迷ったとしても、多くの専門家が需給動向を分析してくれるので、その情報を取得することも簡単です。

これに対してユーロやオーストラリアのニュースはどうでしょうか?EUの大統領、オーストラリアの首相はご存知ですか。
安倍首相やトランプ大統領と比較すると、この質問の正答率は、かなり低くなると思います。
それくらい日本とアメリカのニュースは、毎日大量に配信されているのです。

投資をするには、投資対象について、しっかりと情報を集め、知識をつけることが大切です。
そのため、米ドル/円のように、FX初心者でも情報が集めやすい通貨ペアから始めることがおすすめなのです。

おすすめする理由② 「取引手数料が安い」

二番目の理由は、米ドル/円は取引手数料が安いということです。

国内のFX会社の多くは、取引毎の外付け手数料をつけていません。
FX会社のホームページで、「取引手数料無料」という説明を目にすることがありますが、実際は「スプレッド」という実質的な手数料がかかっています。

スプレッドとは、Bid(売値)とAsk(買値)の差のことです。
スプレッド = Ask(買値)- Bid(売値)という式で計算できます。

投資にまったく馴染みのない人は、「売値」と「買値」というところで、混乱されるかもしれません。
そのような人は、古本屋さんを想像するとわかりやすいです。

古本屋さんはひとつの商品に対して、「売値」と「買値」という二つの価格をお客さんに提示しています。

例えば、大人から子どもにまで大人気のマンガが200円で売られていました。
もしあなたが同じマンガを持っていて、「読み終わったので売りたい」と思ったとき、古本屋さんは、本棚に並んでいるマンガと同じ200円で、仕入れてくれるでしょうか。

もし古本屋さんが200円で仕入れたら、200円で売っているので、利益はゼロになってしまいます。
店舗を維持したり、従業員の給料などを支払ったり、コストをまかない、利益を出さなければ、経営していけません。
そう考えると、20円くらいで仕入れていてもおかしくありません。

マンガの販売価格:200円
マンガの仕入れ価格:20円
利益 = 200円 – 20円 = 180円

FXのBidとAsk、スプレッドの関係は、古本屋さんの仕入れ価格と販売価格、利益の関係と同じです。

そして、この米ドル/円のスプレッドは、金融自由化でFX会社が多数登場し、価格競争が行われた結果、ものすごく小さくなっています。

多数の古本屋さんが市場参入し、「うちはどこよりも高く買い取ります!」「うちはどこよりも安く販売します!」と競争が続けば、
古本の平均的な販売価格:200円 ⇒ 100円
古本の平均的な仕入れ価格:20円 ⇒ 40円
平均利益 =100円 – 40円 = 60円
ということが起きて、古本屋さんの利益が小さくなることと同じです。

海外のFXシステムベンダーは「日本のFX会社のスプレッドは驚異的だ。こんなスプレッドでは利益が出せない」と驚いていました。

この価格競争は、米ドル/円で顕著に発生しています。
なぜなら、米ドル/円が一番取引されるからです。
そして、日本のFX会社は米ドル/円のスプレッドを特に狭めてきました。
このように、米ドル/円の実質的な手数料は安くなっているのです。

おすすめする理由③ 「取引量が多いのでテクニカル分析がはまりやすい」

3番目の理由は、米ドル/円のチャートは「テクニカル分析」がはまりやすいことです。

投資そのものをやったことがない人は、「テクニカル分析」と言われても、ピンとこないかもしれません。
FX取引では、大量の価格データから平均値や標準偏差など相場の実態を表すと考えられるさまざまな値を計算し、相場の流れを把握しようとするテクニカル分析がよく使われます。

相場の実態を表すと考えられている値は、価格データがあればあるほど、正確な値に近づくとされています(これを確率論や統計学では、「大数(たいすう)の法則」といいます)。

そのため、価格データが多い、つまり、取引量が多い米ドル/円は、テクニカル分析がよくあてはまると言われています。

事実、テクニカル分析をもとにしたFXの自動売買プログラムは、取引量の多い米ドル/円やユーロ/米ドル向けに開発されたものが圧倒的に多くなっています。

FX初心者におすすめしたい通貨ペアは米ドル/円

あなたがFX初心者でしたら、まずは米ドル/円から取引を始めるようにしてみてください。

1)日本とアメリカのニュースは毎日大量に取得できる
2)米ドル/円の取引手数料は安い
3)米ドル/円はテクニカル分析があてはまりやすい

米ドル/円で十分に経験を積みましょう。
そして、FX取引とはどういうものかを、十分に理解してから、他の通貨ペアにチャレンジしてみてはどうでしょうか。

FX投資が初めての方へ!FXの魅力や特徴(初心者編)はこちら

岩田仙吉(いわたせんきち)氏
株式会社タートルズ代表/テクニカルアナリスト
2004年、東京工業大学から一橋大学へ編入学。専門は数理経済学。卒業後、FX会社のシステムトレードプロジェクトのリーダーになり、プラットフォーム開発および自動売買プログラムの開発に従事。その後、金融系ベンチャーの立ち上げに参画。より多くの人に金融のことを知ってほしいと思い金融教育コンテンツの制作に集中するために会社を創業。現在は、ハイリスク・ハイリターンの投資手法ではなく、初心者でも長く続けられるリスクを抑えた投資手法を研究中。