トルコリラ/円(4時間足)
直近1週間のポイント
☆利下げペース鈍化期待
・米ISM景況指数の悪化で景気不安が再燃
☆トルコ軍のシリア越境攻撃への懸念が浮上
足元のトルコリラ/円は19円台回復も伸び悩む展開
リラ/円は25日に一時19円台を回復。
トルコ中銀のウイサル総裁が「(前倒しの利下げで)緩和余地が乏しくなっている」と発言した事などが手掛りとなりました。
その後も、米中貿易摩擦への懸念が和らぐ中で底堅く推移すると、1日には19.156円前後まで上昇して1カ月半ぶりの高値を更新。
しかし、この日は米9月ISM製造業景況指数の悪化を受けて欧米株式市場が全面安となった事でリスク回避のリラ売り・円買いへと転換しました。
また、トルコのエルドアン大統領がシリア北東部の「安全地帯」設置を巡り、米国抜きで進める考えを示した事が越境攻撃の示唆と受け止められた模様で、リラ売りに拍車がかかると18.70円台まで反落しています。
当面のトルコリラ/円の注目ポイントはインフレ率
3日に発表されるトルコ9月消費者物価指数は前年比+9.70%が予想されており、約2年ぶりにヒト桁台の上昇に落ち着く見通しです。
インフレの落ち着きはトルコ経済にとっては歓迎すべき事で、景気を支える追加利下げにも動きやすくなります。
とはいえ、一時的なインフレ鈍化で大幅な利下げに動いてしまえば、リラ安圧力が再燃しかねません。
こうした見方が先日のウイサル・トルコ中銀の慎重な姿勢に繋がったと見られます。
ただ、「金利を最短でヒト桁に」と息巻くエルドアン大統領がインフレ鈍化を見逃すとも思えません。
仮に、9月消費者物価指数が予想以上の鈍化となれば、24日のトルコ中銀理事会に向けて利下げ圧力を強める口実になりそうです。
トルコリラ相場が、9月消費者物価指数の結果にどのような反応を示すかは読みにくいところですが、エルドアン大統領の口先介入があればリラ売り材料になる可能性が高いでしょう。
その他、シリアを巡る問題やロシア製ミサイル問題など外交面でもエルドアン大統領の動きが注目されそうです。
来週までのトルコリラ/円の見通し
予想レンジ
18.250~19.250円
基調
方向感模索
来週までの注目ポイント
☆10/3 トルコ9月消費者物価指数
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