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9月12日(木) ユーロ/円
基調
波乱含み
目先の注目材料
・9/12 ECB政策金利、ドラギECB総裁会見
・主要国株価、国際商品価格
最後の「ドラギ・マジック」はあるか?
本日は、欧州中銀(ECB)の政策発表に市場の注目が集まっている。
ユーロ圏の景気悪化が懸念される中、第1の注目点は政策金利の引き下げ幅だ。
ECBは政策金利である預金ファシリティ金利(-0.40%)の引き下げに動く事が確実視されており、市場は10bp(0.10%)の利下げを完全に織り込んでいる。
現地エコノミストの中には20bp利下げを見込む向きも少なくない。
第2の注目点は量的緩和(QE)の再開だ。
ECBは昨年末でQEと呼ばれる資産買い入れを一旦終了させたが、その後の景気悪化でQEの復活を協議している。
ただし、独・仏・蘭など中核国の中銀総裁はこれに否定的な見解を示しており、市場の見方も再開と見送りで割れている。
当然ながら、QEの規模や期間にも明確な市場コンセンサスはない。
したがって、今回のECB理事会では10bp利下げに「プラスアルファ」があるか否かが焦点となる。
市場の期待値の最低レベルである10bp利下げのみでは、失望の欧州債売り(長期金利上昇)とユーロ買いを誘発する可能性がある。
ただし、市場にはそうした失望を見越した上で欧州債とユーロを買戻す動きも既に出ている模様だ。
このため「プラスアルファ」があれば金利低下とユーロ安に振れる事も考えられる。
そうした市場の期待と失望を、どのような「ドラギ・マジック」を使ってコントロールするのかにも注目が集まりそうだ。
来月の退任が決まっているドラギ総裁の会見が第3の注目ポイントと言えるだろう。