「10月19日までにEUとの離脱協定再交渉がまとまらない場合は来年1月まで離脱を延期することを英首相がEUへ伝えるよう強制する」旨の法案について、英下院で採決され賛成が327票、反対が299票で可決された。これを受け、英上院での可決も必要となるが、成立は確実視されている。
直後にジョンソン首相は議会の解散を提案したが賛成が298票、反対が56票、棄権が288票で実現しなかった。解散には下院の2/3の賛成が必要で、その434票に届かなかったためだ。
マーケットは、当面のハードブレグジット懸念が和らいだと捉え、ポンドが上昇している。
早期のEU離脱を主張しているジョンソン首相にとっては望まない展開になっている。
ジョンソン首相が、あくまでも10月末離脱を行う場合、EU離脱期限の延期を求める法案の英上院の可決を何らかの形で阻止することや、可決した法案自体に従わない(EUへ延期の打診をしない)ことなどが考えられる。
ジョンソン首相は、英下院の5週間休会という「奇策」をとった実績があるため、今後思わぬ展開もありえることは注意しておきたい。
「為替チャート|ポンド/円(GBP/JPY)|60分足」はこちら
「高機能チャート|ポンド/円(GBP/JPY)|60分足」はこちら