ドル/円:ドルの反発余地を探る動き。ドルの戻り売り戦略は変わらず。
直近の日足は小陽線で終え、単体では上昇余力の強いものではないが、先週末の値動きの中で105.90-00にやや強い下値抵抗が出来ており、これを支えとして反発余地を探る動きが強まる展開が予想される。105.90割れで終えた場合は105.50以下の足元の強さを確認する動きが強まり易くなるが、104.60~105.00ゾーンに中期的に見た強い下値抵抗が控えており、下値余地もまだ拡がり難い状態にある。一方で、新たな中期ドル下げトレンドに入っていることや、短期トレンドも弱い状態に変わりないことからドル急伸にも繋がり難いと見られ、基本戦略はドルの戻り売り方針継続となる。可能性がやや低いと見ているが、107.70-80の抵抗を上抜けて終えた場合は日足の形状が改善して上値余地を探る動きが強まり易くなるが、この場合でも108.10~108.80ゾーンの抵抗が厚く、109円台を回復して終えない限り、短期トレンドは大きく変化しない。日足の上値抵抗は106.70-80、107.20-30、107.70-80に、下値抵抗は105.90-00、105.10-20、104.60-70にある。21日、120日、200日移動平均線は、107.15、109.45、110.11に位置しており、短・中期トレンドは“ドル弱気”の流れに変化が認められない。 一方週足は、前週足から下寄りのスタートとなったが、下値を攻め切れずに陽線で切り返している。上値余地を探る動きが先行すると見られるが、上昇余力の強いものではないことや、3手前の陰線が新たなドル下げトレンドに入った可能性が高いことを示しており、戻り余地を試した後の反落により警戒する必要がある。この週足の上値抵抗は108.80-109.00にあり、これをしっかり上抜けてくるまでは下値リスクを残した状態となる。今週の週足ベースで見た上値抵抗は、107.30-40、108.80-109.00に、下値抵抗は105.90-00、105.00-10、102.50-60にある。31週、62週移動平均線は109.49と110.59に位置しており、中期トレンドは“ドル弱気”の流れに変わりない。 今週の戦略は、ドル買いは引き続き様子見か103.90に損切りを置くなら104.60-70以下の押し目があれば軽く試し買い程度に。ドル売りは106.70-80で戻り売り。吹き値があった場合の上値余地を107.20-30まで見ておく必要がある。損切りは107.60で一旦撤退。 上値は、106.50-60に軽い抵抗が、106.70-80、107.10-20、107.40-50、107.70-80に強い抵抗が控えており、全てをクリアし切れない可能性が高いと見ているが、107.80超えで終えた場合は日足、週足ともに形状が若干改善して上値トライの動きが強まり易くなる。この場合でも108.10-20、108.50-60、108.80-90に一段と強い抵抗が控えており、簡単には上抜けそうもない。下値は、106.10-20に軽い抵抗が、105.90-00に強い抵抗が出来ているが、これを割り込んで終えた場合や105.50-60の抵抗を割り込んだ場合は105.10-20、104.60-70、104.20-30にある一段と強い抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。104円割れで終えた場合は102~103円方向への一段の下落リスクに要注意。
ドル/円【日足】期間:2018/12/13~2019/08/16(移動平均線は21、120、200日、以下日足は同様)
ドル/円【週足】期間:2016/07/01~2019/08/16(移動平均線は31、62週、以下週足は同様)
ユーロ/円:“ユーロ弱気”変わらず。日足は下げ渋り。週足はユーロの戻り売りを支持。
直近の日足は値幅の小さい陽線で終え、下げ渋りの形となっている。トレンドが弱く下値リスクにより警戒が必要だが、117.50-60の下値抵抗に再三跳ね返されており、これを支えとして再度上値余地を探る動きが強まると見られ、突っ込み売りにも注意する必要がある。短期トレンドは120円台を回復して引ければ、ニュートラルな状態に戻すが。121.50超えで越週するまでは下値リスクを残すことになる。日足の上値抵抗は119.10-20、119.50-60、119.90-00に、下値抵抗は117.60-70、117.00-10、116.00-10にある。21日、120日、200日移動平均線は119.53、122.95、124.31に位置しており、短・中期トレンドは“ユーロ弱気”の流れにある。 一方直近の週足は、実体が小さく上ヒゲの長い陰線引けとなり、2週連続して上値トライに失敗した形で越週しており、下値リスクが高い状態にあることを示している。現状は117円台の下値抵抗を守っているが、今週も上値トライに失敗する可能性がより高く、一段の下落リスクに警戒する必要がある。週足が120円台を回復して越週した場合は下値リスクがやや後退するが、中期トレンドが弱い状態にあることや、週足ベースで見た強い上値抵抗が121.50-60に控えており、これをしっかり上抜けて越週するまでは下値リスクを残すことになる。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は119.00-10、120.00-10と121.50-60に、下値抵抗は116.50-60、114.80-90にある。31週、62週移動平均線は123.28と125.96に位置しており、中期トレンドは“ユーロ弱気”の流れに変化ない。 今週の戦略は、ユーロ買いは引き続き様子見か、116.90に損切りを置くなら117.60-70で軽く試し買い程度に。ユーロ売りは119.00-10で戻り売り。損切りは浅い場合で119.60、深い場合は短期トレンドをニュートラルな状態に戻す120.10に置く必要がある。 上値は、118.10-20、118.30-40に軽い抵抗が、118.60-70、119.10-20、119.50-60に強い抵抗があり、これらを上抜け切れない可能性が高いが、120.00-10の抵抗を上抜けて終えた場合は短期トレンドをニュートラルな状態に戻して、下値リスクが若干軽減される。この場合でも中期トレンドが弱いことから、ユーロ急伸にも繋がり難く、121.00~121.50ゾーンに散在する日足、週足の上値抵抗を一気に上抜けるにも無理がありそうだ。下値は、117.60-70に強い抵抗が出来ているが、117.50割れで終えた場合は揉み合いを下抜けた反動で一段の下落に繋がり易くなり、117.00-10、116.50-60、116.00-10、115.60-70、115.00-10、114.80-90にある強い抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。112~114円ゾーンには長期的な下値抵抗が散在しており、簡単には下抜けそうもない。(川合 美智子)
ユーロ/円【日足】期間:2019/01/28~2019/08/16(移動平均線は21、120、200日)ユーロ/円【週足】
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