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トルコリラ急落でチャートから確認する2019年の見通し

投資家から人気の高かったトルコリラ/円。
しかし、2018年夏の「トルコショック」以降に値段を戻しつつあったトルコリラ/円のトレンドが、2019年3月から転換したように見えます。
今回はトルコリラ急落の原因と2019年の見通しについて考えてみました。

FXで大人気!トルコリラ/円のスワップ運用

FXでは高金利通貨のトルコリラへの投資の人気が高まっています。
2019年4月26日現在、トルコの政策金利は24%です。
その高金利を反映したスワップポイントが非常に魅力的なため、トルコリラ/円の買いポジションを、低レバレッジで長期保有する投資家が多いようです。
トルコリラ/円の買いポジションを、1万通貨(10Lot)で保有していれば、1日に、100円前後のスワップポイントが受け取れます。

投資するなら把握しておきたいトルコの政治と為替チャートの動き

高金利通貨を長期保有でスワップポイント運用をするときは、投資対象となる通貨や国の基本的なことは、把握しておかなければなりません。
トルコの政治を、月足チャートを見ながらおさらいします。

トルコの政治とトルコリラ/円の月足チャート

2002年以来、穏健イスラム政党の公正発展党(AKP)が単独政権を維持

1)2003年〜2014年 エルドアン首相時代
2003年の首相就任当初から中盤までは、国内政治の安定、好調な経済、周辺国との友好な外交関係を実現させたエルドアン首相は、国内外から高評価を受けていました。
しかし、終盤から独裁色が強くなり、エルドアン政権に批判的なジャーナリスト・政治家・企業に対して圧力をかけはじめ、徐々に国際社会におけるエルドアンの評価は下がりはじめました。

2)2014年8月 エルドアンの大統領就任
トルコリラ/円の月足チャートを確認すると、2014年8月にエルドアンが大統領に就任してから下落傾向が強まったようにみえます。

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3)2016年7月15日 トルコクーデター未遂事件
独裁的な傾向が目立つようになり、トルコのイスラム化政策を推し進め始めたエルドアン大統領に対して、政教分離を重視していたトルコ軍の一部が、クーデターを画策しました。
ただ、クーデターは一部勢力の反乱であり、軍全体のクーデターではなく、国民および国際社会の支持も得られなかったので、すぐに鎮圧されました。

このときにトルコ政府はクーデター未遂事件に関与したとして、米国人の牧師を拘束しました。
これが2018年8月のトルコショックに繋がります。

4)2018年6月 エルドアンの大統領再選
エルドアン大統領が再選し、国内政治が議院内閣制から実権型大統領制へ移行します。

5)2018年8月 トルコショック
8月10日、トルコリラが米ドルに対して20%程度急落しました。
トルコショックです。
主な原因は、米国人牧師の解放を巡ってトルコと米国の関係が悪化し、トランプ政権がトルコへの制裁を発動したためです。

トルコリラ/円の日足チャートから判断するトルコリラの見通し

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2018年8月10日のトルコショック後は、リラ下落を抑えるために、トルコ中銀が金融引き締め政策を実施して、政策金利が引き上げられ、10月、トルコの裁判所が米国人牧師の釈放を決定しました。
このころにトルコリラ/円は、トルコショック前の水準に戻り、堅調に上値を伸ばしていました。

6)2019年3月22日 対米関係悪化懸念によるリラ急落
2018年末からの世界経済悪化の見通しによって、世界市場全体が"リスクオフ"ムードになり、トルコリラ/円も下落傾向でした。

そんな中、米国トランプ大統領の「ゴラン高原におけるイスラエルの主権を完全に認定するときがきた」という発言に、エルドアン大統領が抗議したことから、市場でトルコリラは全面安の展開となりました。
3月22日にはリラは対ドルで6.5%も下落しました。

7)2019年3月25日 トルコ政府がリラ売りの禁止策
さらなるリラ売りを防ぐため、トルコ政府はリラを売ることを、トルコ国内の銀行に禁じました。
その結果、リラは一転、2日間にわたって急騰しました。
しかし、「リラ売り禁止」の政策は、かえってリラを保有することへの懸念を強めることになります。
そのため、リラの売りの圧力は弱まらないでしょう。

実際に、トルコリラ/円は4月に入ってから下値を切り下げています。

トルコリラ/円の急落原因~今後どこまで下がるのか?

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トルコリラ/円の月足チャートにトレンドラインをひいてみました。
エルドアン大統領が就任してから、一貫して下落トレンドになっています。
相場の底打ちの兆しも明確になっておらず、「もう少し・・・」というよりも、エルドアン政権下ではこのまま下落が続くのではないかと感じています。

2018年8月10日のトルコショックも2019年3月22日の対米関係悪化懸念によるトルコリラ急落も原因は政治にあります。
エルドアン大統領の独裁的な政治手法や国際社会から共感を得られない金融政策などが、今後も続くと予想されるのであれば、この下落トレンドは変わらないと思われます。

トルコリラ/円での為替差益の見込み

下落トレンドは変わりませんが、外国為替は2国間の交換比率です。
トルコリラ/円であればトルコリラと日本円の交換比率なので、ゼロになることはありません。
トルコの政策変更やマクロ経済の好転によって、再びトルコが評価されるようになれば、またトレンドが変わって、トルコリラ/円の買いポジションでも、為替差益がとれる可能性が出てくるでしょう。

トルコリラ/円を新規で買おうと思っている投資家は、いまは下落トレンドであることをしっかりと理解してエントリータイミングをじっくりと考えてください。
また、トルコリラ/円の買いポジションをすでに保有している投資家は、エルドアン政権が続くあと数年間は、為替差益は期待せずに、ロスカットされない低レバレッジを守り、高いスワップポイントを享受していくと理解していたほうがよさそうです。