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【ファイナンス】もうすぐつまらなくなるふるさと納税...。今、最もアツい自治体はここだ

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2019年2月、100億円のアマゾンギフト券をプレゼントするキャンペーンをぶち上げて、ふるさと納税の寄付金をかき集めようとしていた大阪府泉佐野市に総務省が激怒したことが話題となりました。
確かに高級食材や換金性の高い物品などを返礼品に据えての寄付金争奪戦は少々、過熱気味かもしれません。
総務省は2019年6月からは「返礼品の価値の割合が寄付金額の3割以下」、かつ「地場産品を使っている」という基準をクリアしてない自治体に寄付した場合は、税の優遇が受けられなくなるように法改正を進めています。
そうなると、今のうちに可能な限り、寄付しておくのが賢いお金の使い方です。
寄付する以上は、おいしいものを食べ、節税して終わりではなく、その自治体がどこにあるのか、どんなところなのかを知るのもいいのではないでしょうか。
ふるさと納税サイト「ふるなび」から、最新のランキングベスト5に挙がった自治体と、レビューの評価が高い返礼品を紹介します。

第1位)大阪府泉佐野市

2018年の年末に話題となったスマホ決済サービス「ペイペイ」の「100億円あげちゃうキャンペーン」。
この流れに乗った感もありますが、注目に値するのが、大阪府泉佐野市の「100億円還元キャンペーン」です。
2月1日~3月31日まで(なくなり次第終了)、返礼品に加えて最大で寄付額の20%のアマゾンギフト券がもらえるというもの。

総務省通達の法制化を前に、駆け込み的キャンペーンで、同市は「ギフト券は返礼品ではなくプレゼント」と位置づけ、「3割ルール」から逃げきりました。
この姿勢は、野田総務大臣から名指しで非難されましたが、そのバトルすら、話題づくりと集客に貢献することとなったようです。
市のふるさと納税特設サイトは現在(2019年2月25日時点)、アクセスが集中して、つながりにくい状態です。

泉佐野市は大阪南部に位置し、関西国際空港の開業に合わせて空港を望む沿岸部を埋め立てて造成した副都心「りんくうタウン」が有名です。
アウトレットや、大観覧車のあるレジャー施設で楽しむことができます。
ただ、こうしたインフラ整備が財政難を招くことになり、財政再建の活路を、ふるさと納税に見いだしているのだそうです。
2017年度は全国1位の約135億円を集めています。

そんな泉佐野市で、ユーザーの評価4.9を集めたのが、1万円の寄付でアサヒスーパードライ350ミリリットル缶が24本もらえるものです。
「味はもちろん返戻率も大満足」「確実に消費するものなのでありがたい」などのレビューが並びました。
また、同じく4.9評価は、LCCの「ピーチ」で、航空券が買えるポイント5000円分が、1万円の寄付でもらえるものでした。
次点の評価4.8は「肉コンシェルジュ厳選!肉の玉手箱」というもので、3万円の寄付で和牛の希少部位6種や牛たん塩、牛たんハンバーグなど計2.2キロなどがもらえます。

いずれも同市とは直接の関係はありません。
ただ、他の地域の産品も、積極的に取り入れるのが「泉佐野流」と言えそうです。

第2位)宮崎県都農町

宮崎県都農(つの)町は、宮崎県中部の人口約1万人の小さな海沿いの町で、高齢化や過疎化が進んでいる典型的な地方のエリアですが、宮崎牛の名産地のひとつであり、ぶどうやキウイなどの果物やトマトの栽培が盛んです。

その都農町は2016年に全国4位、58億円の寄付を集めて注目を集めました。
首都圏のテレビ番組や情報誌などで取り上げられたことで知名度が高まり、納税が増えたとみられます。
2017年度は2位に順位を上げています。

評価5.0と絶大な人気を集めている返礼品は、1万円の寄付でもらえる宮崎若鶏(もも肉・むね肉)3キロセットです。
「1万円で鶏肉3キロはどう考えてもお得」「味がしっかりして、本当に美味しい」などと、コスパとクオリティを絶賛するレビューが並んでいます。
このほか、2万円の寄付で、うなぎ蒲焼き5尾がもらえるのも評価4.9と人気です。

第3位)北海道根室市

北海道根室市は北海道本島の最東端で、納沙布岬からは北方領土が間近に望めます。
国内有数の水産都市で、花咲ガニやサンマ、エゾバフンウニの水揚げが多いことでも知られています。
また、日本を代表する数多くのジャズプレイヤーが、根室でコンサートを開催するなど、ジャズの街としても有名です。

評価4.9にホタテ貝柱400グラム、4.6にイクラ醤油漬け230グラム、4.5にお刺身サンマ750グラム(約20尾)があり、いずれも寄付額1万円でもらえます。
まさに北海の恵みをたっぷり味わえるラインナップです。

第4位)長野県小谷村

長野県小谷(おたり)村は、長野市や白馬村に隣接、新潟との県境にあります。
キャッチコピーが「みどりと雪と温泉のふるさと」というだけあって、面積の9割近くを森林が占め、冬は雪深く、スキーシーズンには、栂池高原スキー場、白馬乗鞍温泉スキー場、白馬コルチナスキー場などがにぎわいます。

特産品はそばや漬物ですが、評価5.0と最も人気があるのは、村内の宿泊施設で使える宿泊補助券です。
1万7000円の寄付で5000円分がもらえます。
補助券はこれより高額の寄付による返礼もありますが、還元率は変わりません。

第5位) 静岡県磐田市

静岡県磐田市は県の西部に位置し、Jリーグ「ジュビロ磐田」やラグビーの「ヤマハ発動機ジュビロ」の本拠地として知られています。
市内の至るところにはサッカー場があり、まさに「サッカーの街」です。
「磐田メロン」と呼ばれるマスクメロンや緑茶の生産が盛んで、工業製品はオートバイや自動車、楽器が有名。
ベルベット・コーデュロイといった繊維産業も盛んです。

ふるさと納税も、こうした地場産品のラインナップが人気で、他自治体よりも高額のものが多い印象です。
5.0評価には、寄付金5万5000円でもらえる最高級マスクメロンの「富士」、16万5000円でもらえるヤマハクラシックギター、27万5000円でもらえるカワイデジタルピアノなどがあります。



今回は、ふるさと納税の上位5自治体の特徴と人気返礼品について調べてみました。
決して全国区の知名度やきわだって優れた地場産品がない自治体でも、このように上位に食い込んでいるということは、販路拡大のために、それぞれの自治体が、工夫をこらしている様子がうかがえます。
返礼品を食べたり、使ったりして、終わりではありません。
「こんなヒット商品を作り出す自治体なら、ほかの返礼品も試してみようか」とか、「どんなところか、自分の目で確かめてみよう」とか、納税者自身が行動の幅を広げてこそ、ふるさと納税には意義があるのではないでしょうか。
とにかく、2019年6月までですが、「駆け込みの出血大サービス」を狙うのが、現段階では、一番賢いかもしれませんね。



PickUp編集部