本日のニューヨーク為替市場でドル円は、経済指標を受けた米利上げ観測を見極めながら方向感を試す展開か。また、再び緊迫してきた中東情勢にも注意が必要だろう。加えて、160円台乗せでは政府・日銀による為替介入への警戒感が高まりそうだ。
経済指標では5月ADP全米雇用報告(予想12.0万人、前回10.9万人)と同月ISM非製造業指数(予想53.8、前回53.6)などが発表される。前月ADPは予想を上回ったものの「低採用・低解雇」の膠着状態が続いており、持続性への疑問は拭えない。5月ISM製造業が発注前倒しで一時的に強かっただけに、実態を映す非製造業の内容が景気の現状を判断する手がかりとなる。米エネルギー省の週間在庫統計も原油価格を通じてインフレ見通しに影響するため、あわせて注目される。
CMEが算出する「フェドウォッチ」では、10月米連邦公開市場委員会(FOMC)までは据え置きが優勢。今年最後となる12月会合で利上げを55%程度織り込む水準まで観測がじわりと高まっている。インフレ圧力が続くなかで景気の底堅さが確認されれば利上げ観測の前倒しにつながりやすく、ドルには追い風となりそうだ。一方、雇用や景況感が想定を下回れば、その観測を一気に巻き戻しかねない。
原油相場に大きく影響する中東情勢は再び不安定化している。米軍はホルムズ海峡近くのイランのゲシュム島を攻撃し、イランはバーレーンやクウェートを標的に弾道ミサイルを発射した。暫定合意の締結は不透明さを増しており、戦闘が続けばエネルギー価格を通じたインフレ圧力が長引き、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測を後押しする材料となり得るだろう。
欧州序盤には高市首相が「為替政策は経済を支えるうえで重要」と発言し、「投機を含む実需に基づかない取引が為替相場に大きな影響」との見解を示した。首相が「為替は必要に応じていつでも対応」と述べたことが伝わると、急速に円買い戻しが進んだ。ドル円が160円を付けた後なだけに、当局が依然として同水準を重要視していることがうかがえる。
想定レンジ上限
・ドル円、4月30日高値160.72円
想定レンジ下限
・ドル円、5月25日安値158.74円
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
