
金(ゴールド)CFD(外為どっとコムの取引口座「CFDネクスト」の銘柄名:金スポット)について、直近の振り返りと今後の予想をまとめました。
金スポット週間見通し:ファンダメンタルズ分析 足元の状況
金スポットは現在1オンスあたり4,200ドル前後で推移しています。10月20日に記録した史上最高値4,381ドルから約4%下の水準ですが、過去1カ月で5%の上昇、前年比では実に58%もの上昇を遂げています。2025年は近年稀に見るパフォーマンスを記録する年となりそうで、高値圏を維持しながら次の上昇を窺う展開が続いています。
FRB金融政策と12月FOMC
来週最大の注目イベントは、12月10日に発表されるFOMCの金融政策決定です。執筆時点で、市場は25ベーシスポイントの利下げを8割ほどの確率で織り込んでいます。現行のFF金利は3.75~4.00%で、利下げが実施されれば3.50~3.75%となります。
ただし、FOMCメンバーの間では意見が大きく分かれています。インフレが依然として2%目標を上回っていることを懸念するタカ派と、労働市場の軟化を重視するハト派の対立が続いており、一枚岩ではありません。
利下げが実施されれば、金利を生まない資産である金(ゴールド)の相対的な魅力が高まり、金価格にとってはプラス要因となります。一方、据え置きとなれば一時的な売り圧力が生じる可能性もありますが、来年以降の追加利下げ期待は根強く残るでしょう。
米ドルの動向
ドルインデックス(DXY)は現在99ポイント付近で推移しています。2025年上半期には10.7%下落という1973年以来、最悪のパフォーマンスを記録しました。この歴史的なドル安は、金価格を力強く押し上げる要因となっています。
ドル安の背景には、米国の成長鈍化懸念、財政赤字の拡大、そしてトランプ関税政策を巡る不透明感があります。来週のFOMCでハト派的なメッセージが発信されれば、ドルは一段安となり、金価格をさらに押し上げる可能性があります。
金ETFへの資金流入
ETFの動向は、今年の金相場を語る上で欠かせない要素です。2025年は2020年以来最強の資金流入を記録しており、世界の金ETF保有量は約3,838トン(2025年9月末時点)と、2020年のパンデミック時のピークに迫っています。
特に注目すべきは、金ETFに記録的な資金流入が起きていることです。金ETFへの資金流入がなぜ金価格上昇につながるのかについて、金ETFは実物の金を裏付けとしているため、投資家から資金が流入すると、ETFの運用会社は市場で実際に金を購入しなければなりません。つまり、ETFへの資金流入は金の実需を生み出し、これが価格を押し上げる力となります。2020年から2024年半ばまでETFからは資金流出が続いていましたが、その流れが完全に逆転し、「再購入サイクル」に入ったことが今年の金相場を支える大きな柱となっています。
中央銀行の金購入
もう一つの構造的な支援要因が、各国中央銀行による金購入が増えていることです。この動きの背景にあるのは、脱ドル化戦略です。2022年のウクライナ侵攻でロシアへの金融制裁となり、ロシアの外貨準備が凍結されたことを目の当たりにした新興国は、制裁リスクのない資産として金の保有を増やしています。
今週の展望
今週の金価格を左右する最大の要因は、やはり12月10日のFOMC決定でしょう。現時点で市場は利下げを強く織り込んでいるため、25bpの利下げがあれば「材料出尽くし」で一時的な調整があり得ます。一方、据え置きとなればサプライズとなり、短期的にはドル高・金安の反応が予想されます。
しかし、中長期的な視点で見れば、金を取り巻くファンダメンタルズは依然として強固です。中央銀行の構造的な買いは今後も続く見通しであり、ETFへの資金流入も勢いを保っています。ドルの長期的な下落トレンドもまだ終わったとは言えません。
チャートが示す「上昇の前段階」という見立ては、ファンダメンタルズ面からも十分に裏付けられると考えます。短期的な調整があったとしても、それは押し目買いの好機となる可能性が高いでしょう。来週のFOMC後の値動きには特に注目です。
金スポット スプレッド大幅縮小のお知らせ

12月1日(月曜)より『CFDネクスト』にて「金スポット」の現在の提示スプレッド※を大幅に縮小いたします。非常に注目度の高い「金スポット」のお取引をぜひこの機会にお試しください。
■縮小開始日時
2025年12月1日(月曜)~2025年12月24日(水曜)
提示時間帯:18時~翌3時
■対象銘柄およびスプレッド
金スポット:0.20→0.15(25%縮小)
※2025年10月配信実績
『CFDネクスト』の提示スプレッドは固定化されたものではありません。市場の流動性が低い時間帯、主要経済指標の発表前後、ならびに天災地変または金融・経済関連の重大事件など予期せぬ突発的事象の発生時には、スプレッドが変動する可能性がございます。またスプレッド縮小の時期は告知なく終了する場合があります。
金スポット 日足チャート分析(2025年12月4日時点)

【現状:三角持ち合いの最終局面】
10月の高値(4,381)以降の調整局面は、明確な「シンメトリカル・トライアングル(対称三角持ち合い)」を形成しています。先週時点(11/27)では「煮詰まりつつある」状態でしたが、現在はその先端に限りなく近づいており、価格変動のエネルギーが凝縮されています。 上値抵抗線と下値支持線の幅が狭まり、次の大きな動き出しがいつ起きてもおかしくない形状です。
【直近のプライスアクション】
ローソク足は実体が短くなっており、市場参加者の迷いと、次のトレンド発生待ちの姿勢が顕著です。しかし、重要な点は「安値の切り上げが維持されている」ことです。売り圧力よりも、下がったところで拾いたいという買い意欲の粘り強さが勝りつつあることを示唆しています。
単純移動平均線(SMA 10)の分析
- 位置関係と絡み合い: 価格はSMA(茶色の線)を挟んで上下に細かく振れていますが、大局的にはSMAの上側を維持しようとする動きが見えます。これはトレンドレスな保ち合い相場の特徴ですが、SMA自体がローソク足の実体を下から支えるような位置関係にある点はポジティブです。
- サポート機能: 直近数日のローソク足の下ヒゲが、このSMA付近で止まっており、「短期的な需給の分岐点」として機能しています。ここを明確に割らない限り、強気目線は維持されます。
RSI(9)の分析
- 水準(強気レンジの維持): RSIは現在75付近で推移しています。重要なのは、調整局面でも50(ニュートラルライン)を明確に下回らずに推移している点です。これは、相場の地合いが「弱気」に転じておらず、上昇トレンドの中の一服であることを裏付けています。
総合的なテクニカル分析・見通し
【判定:ブレイクアウト待ちの「強気」維持 / ダマシに注意】 チャート形状は典型的な「保ち合い放れ(ブレイクアウト)」直前の形です。
戦略: 教科書的には、既存のトレンド(8月からの上昇)に対して三角持ち合いが発生した場合、それは「トレンド継続パターン」となる確率が高いです。つまり、上放れ(上方向へのブレイク)がメインシナリオとなります。
- 心理的背景: 高値からの売り圧力(利益確定など)を、安値切り上げによる新規買いが吸収しきった形です。もし売り手が枯渇すれば、価格は抵抗の少ない上方向へ跳ねる可能性が高くなります。
- 今後のポイント(トリガー): 1. 上放れ: 上値抵抗線(4,250付近)を、大陽線などの明確な形で実体が上抜けた瞬間が、上昇トレンド再開の合図(買いシグナル)です。ターゲットは4,380付近となります。 2. 下放れのリスク: 万が一、下値支持線を割り込み、かつSMA10を下抜けた場合はシナリオが崩れます。その場合は一時的な手仕舞い(撤退)が必要な局面となります。
テクニカル分析まとめ
現在は「嵐の前の静けさ」です。テクニカル的には買い目線が優勢ですが、持ち合いの先端では一時的な「ダマシ」が発生しやすいため、飛びつき買いは避け、明確にラインを抜けた事実を確認してからエントリー(または追撃)するのが最もリスクリワードの良い戦略となります。
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金(ゴールド)の上昇・下落変動要因
上昇要因
インフレの期待:物価上昇の予測が強まると、金を価値保存手段として買う動きが強まる。
経済的不安定性:経済危機や金融市場の不安定時には、安全資産としての金への需要が高まる。
実質金利の低下:金利がインフレ率を下回ると、金への投資が魅力的になる。
通貨価値の低下:特に米ドルが弱まると、金価格は上昇する傾向がある。
地政学的緊張:紛争や政治的不安が高まると、リスク回避のため金への投資が増える。
中央銀行による購入:中央銀行が金を買い増すと、供給が減り価格が上昇する。
下落要因
インフレ率の安定または減少:物価上昇の懸念が和らぐと、金への投資需要が減少する。
経済的安定:経済が安定し、リスク資産への投資が増えると、金への需要が減る。
実質金利の上昇:金利がインフレ率を上回ると、金に対する魅力が減少する。
通貨価値の強化:特に米ドルが強まると、金価格は下落する傾向がある。
地政学的緊張の緩和:地政学的リスクが減少すると、金へのリスク回避需要が落ちる。
中央銀行による売却:中央銀行が金を市場に売り出すと、供給が増え価格が下がる。
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