本日のロンドン為替市場では、序盤は植田日銀総裁の定例会見を受けた円相場中心の動きとなりそうだ。米国は15%の高い関税率を日本製品に賦課するものの、日米の貿易協議はひとまず決着。最悪な展開は免れたとし、金融政策を遂行するうえで障害とされたトランプ関税による「不確実性」が薄まった。そういったなか植田総裁が、市場が次の一手とみる「追加利上げ」について、何かしらのヒントを示すのか注目される。
昨日のドル円は、好調な米経済指標やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の早期利下げ慎重スタンスを受けて149円半ばまで上昇した。一方ユーロ円はユーロドルの下げにより反応し、170円半ばまで下落。執筆時点では170円手前まで下げ幅を広げている。前回の日銀会合は6月17日であり、そこからユーロ円は今週初につけた173.97円まで約7円上昇した。ユーロ円のここ数日の下押しを調整とみるか、または天井を打ったとみるかは、本日の日銀金融イベントに左右されそうだ。
昨日の米指標やパウエルFRB議長の会見を受け、ユーロドルは1.14ドルに迫る水準まで5日続落した。本日はドイツやフランスの7月消費者物価指数(CPI)速報値や、ドイツの同月雇用統計が発表予定。相場の反応が鈍いときも多いが、ユーロ相場の地合いが弱いだけに、予想を下回るようだとユーロドルが下値余地を探る展開もありそうだ。
ただし、欧州午後(NY序盤)にはFRBが重要視する個人消費支出(PCE)デフレーターの6月分が発表される。結局は米指標の結果に市場は左右される、ということになるかもしれない。
想定レンジ上限
・ユーロ円、30日高値171.55円
・ユーロドル、ピボット・レジスタンス1の1.1518ドル
想定レンジ下限
・ユーロ円、2日安値169.04円
・ユーロドル、5月30日安値1.1313ドル
(小針)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
