ドル円は2025年160円方向へ
動画配信期間:2024/10/30~
動画の概要
元外銀ディーラーで現在はマーケットについて幅広い投資情報を発信する和田仁志氏による為替相場の解説セミナーです。今、注目したい通貨ペアの動向や今後の展望とは!?マーケットの最新情報などに基づき、徹底解説します!
今回のセミナーでは、米国の政治情勢と為替市場の動向について詳しくお話しさせていただきます。特に注目したいのは、10月に入ってからの米大統領選に関する見通しの劇的な変化と、それに伴う市場への影響です。また、日本の政局変動による市場への影響についても、分析をお伝えしたいと思います。
米大統領選の動向:
10月に入り、注目している大きな変化についてお話しします。特に重要だと考えているのは、カマラ・ハリス氏の支持率の急落とトランプ氏の勝率の急上昇です。具体的な数字を見ていきますと、ある賭けサイトで10月13日時点ではトランプ氏の勝率が55.0%、カマラ・ハリス氏が44.4%でしたが、わずか1週間後の10月20日には63.5%対36.4%まで差が開き、さらに今朝確認した最新の調査ではトランプ氏66.5%対ハリス氏33.5%と、その差は一層拡大しています。
この劇的な変化の背景について、注目しているのは、カマラ・ハリス氏の一連の不手際です。実際に演説やインタビューの映像を確認しましたが、とりわけ気になったのは、演説時のプロンプター故障時の対応の問題や、フォックスニュースとの単独インタビューでの不適切な受け答えです。驚いたことに、バイデン政権の政策に対する国民の不満(70%以上が政策変更を望んでいる)について問われた際、質問に直接答えることなくトランプ氏批判に終始するなど、政策議論の回避が目立ちました。
市場への影響:
見ている限り、この政治情勢の変化は、金融市場に大きな影響を与えています。特に注目しているのは米長期金利の上昇圧力です。マーケットはトランプ氏勝利の可能性が高まることで、財政拡大や減税政策の実施を予測し、それに伴う金利上昇を織り込み始めていると考えています。
また、重要だと考えているのは、FRBの金融政策に対する見方の変化です。観測では、年内の利下げについて、一部で利下げスキップの可能性も出てきており、12月時点で21.8%の確率でスキップする可能性があると見ています。
日本の政局と市場動向:
日本では衆院選で与党の過半数割れという政治的な大きな変化が起きました。興味深いと感じているのは、市場が当初この政治的不安定性に懸念を示しながらも、むしろ中長期的には財政拡大への期待を高めている点です。見立てでは、これは少数与党となることで、岸田政権が目指していた増税路線から、減税・財政拡大路線への転換が必要になると判断されています。
特に注目しているのは、国民民主党の玉木代表の発言です。例えば、日銀の利上げについて「インフレ率が4%を超えてから検討すれば良い」との発言があり、これを非常に重要な発言だと考えています。
為替市場のテクニカル分析:
日々チャートを見ている中で、ドル円相場では重要なテクニカル上の水準突破が見られます。特に注目しているのは、10月21日の一目均衡表の雲上抜けと、23日の200日移動平均線突破です。分析では、これらの水準の突破は、相場の方向性が上昇トレンドに転換した可能性を強く示唆しています。
さらに、週足チャートを確認したところ、一目均衡表の雲を上抜けており、中期的にも強気相場入りの兆しが見えています。特に注目している水準は153.88円です。これは7月31日高値と10月28日高値が一致する重要な節目だと考えています。
結論・まとめ:
総合的な分析では、現在の市場は米大統領選の行方と金利動向を主要な材料として、基本的にドル高・円安方向への展開を示唆していると考えています。ただし、懸念しているのは、日本の政局の変化や日銀の金融政策の動向です。これらも重要な変数となるため、十分な注意が必要です。特に、注目しているのは11月上旬に予定される特別国会の動向や、日銀の金融政策に関する発言です。これらが市場の方向性に大きな影響を与える可能性が高いと見ています。
1968年長野県生まれ。立命館大学卒業後、米シティバンク・英スタンダードチャータード銀行で十数年間に渡りインターバンクディーラーとして一線で活躍。その後は、証券会社などで外国為替証拠金業務を立ち上げるなど、当業界にも精通している。2006年8月からはニューヨークからホットな金融情報を提供する。グローバルインフォ代表取締役社長を経て、2017年8月よりDZHフィナンシャルリサーチ常務執行役員に就任。
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