本日のNY市場でのドル円は、やはり米雇用統計次第となるだろう。市場予想は、失業率が前月より0.1%改善して4.2%、非農業部門雇用者数は16.0万人増と前月の11.4万人増より拡大が見込まれている。平均時給は前月比0.3%/前年比+3.7%とそれぞれ前月から0.1%の上振れ予想となっている。
先月、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がジャクソンホールで「労働市場のさらなる冷え込みを防ぐため『政策金利を引き下げる時が来た』」と表明したことで、市場の関心はこれまでのインフレから雇用に移っている。2週後には米連邦公開市場委員会(FOMC)が控えてことも、結果への関心を高めている。
今回の雇用統計のポイントは、9月FOMCでの利下げ幅に影響を及ぼすか、であろう。
直近で発表された主な米雇用関連指標を振り返ると、改善したのはISM製造業景況指数の雇用指数や新規失業保険申請件数(8/12週)などであった。一方で悪化したのは、雇用動態調査(JOLTS)求人件数やADP全国雇用者数、ISM非製造業景況指数の雇用指数などであり、弱い材料が目立った。
CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」を見ると、9月FOMCでの0.50%利下げ確率が約4割、0.25%利下げ確率は6割弱となっている。本日の雇用統計が雇用や賃金の伸びを見て総合的に弱い内容となれば、9月FOMCでの0.50%利下げ観測が一段と高まると共にドル売りが強まる事が予想される。
ただし、ドル円は今晩の指標を前に本日の欧州市場序盤にて約1カ月ぶり安値水準まで下落している点を踏まえると、市場での大幅利下げ観測は前のめりとの見方もできる。雇用データが強い内容となった場合は0.50%利下げ確率が低下してドルが買い戻されることも十分考えられる。いずれにせよ、思惑が交錯する中で発表前後は荒れた展開となりそうだ。
また、8月米雇用統計と同時刻に、カナダで8月雇用統計が発表される。市場予想は失業率が6.5%、新規雇用者数は2.50万人増(前月:6.4%、0.28万人減)となっている。カナダドル円はドル円の影響も受けることが予想されるため、発表直後はドル円以上に神経質な展開となる恐れがある点には注意したい。
想定レンジ上限
・ドル円は現時点での本日高値143.48円。超えると日足・一目均衡表の転換線144.64円
・カナダドル円は日足・一目均衡表の転換線107.15円
想定レンジ下限
・ドル円は8月5日安値141.70円。割ると昨年12月28日安値140.25円
・カナダドル円は8月6日安値103.97円
(川畑)
・提供 DZHフィナンシャルリサーチ
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