以下の取材記事はトレーダー個人の経験やお考えに基づくものであり、また、お客様の収支については、「取材依頼時点」のものとなり、その内容については、当社が保証するものではありません。実際のお取引については充分内容をご理解の上ご自身の判断にてお取り組みください。
都内の私立大学に通う大学生FX氏は、子どものころからコツコツ貯めてきた「入学祝い」や「お年玉」をFX投資の運用資金に全額使ってしまう大胆な行動とは裏腹に、50pipsのストップ注文よりも素早い損切りで徹底的にリスクを管理して「損小利大」の実現を目指すという慎重なスタイルを貫いてきました。後編では、素晴らしい運用成績を収めている若き大学生トレーダーの詳しい投資手法や投資哲学、そして「お金持ち」になったときの「夢」などについて伺いました。
ハンドルネーム :大学生FX
年齢 :20歳
職業 :大学生
FX歴 :約2年
トレードスタイル:短期売買
金融商品 :FX、投資信託
運用成績 :4カ月で350万円超(2024年1月〜4月末・外為どっとコムの口座のみ)
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チャートを使ったテクニカル分析で相場を判断
編集部:- 「損小利大」にするためには、このポジションは「利益が伸びそうだ」「これは伸びない」っていう判断が大切だと思うのですが、どのようにしているのですか?
大学生FXさん:- 僕はローソク足の動きで判断しています。パソコンに張り付いて、チャートをずっと見ていたからこそ分かるというか、「こういう場合はポジションを持っていてもいい」とか、「こういうときは入るのを止めておこう」とか、ずっとチャートを眺めてきたから、何となく動きでわかるんですね。
編集部:- チャートの動き方ですか?
大学生FXさん:- チャートの動き方だったり、取引時間帯だったり、どのような価格帯にレートがあるかだったり、それらから総合的に判断しています。
編集部:- 具体的にはどんなチャートでトレードしているのですか?
大学生FXさん:- 1分足です。モニターに常に表示させています。最近はトレード時間を少しだけ長くする試みをしているので、5分足や1時間足といった上位足も見ています。
編集部:- ファンダメンタルズ分析は使いますか?
大学生FXさん:- 気にはしていますが、参考程度です。だから判断材料としての割合はかなり低いです。「こうなるはずだ」っていう先入観を持ってトレードすると、めちゃくちゃ損することがあるんで、僕はチャートを重視します。「ファンダメンタルズは気にし過ぎてはいけない」って思っています。
就活は「兼業トレーダーOK」が前提
編集部:- 大学3年生でしたよね。そろそろ就職活動を始める時期だと思います。大学生FXさんは就職活動はするんですか?それとも専業トレーダーの道を選ぶのですか?
大学生FXさん:- 基本的に就職内定は取っておいてもマイナスはありませんから、就職活動はするようにしています。ただ、就職してもFXは続けたいので、兼業トレーダーとして東京時間帯にトレードができるような企業がいいなと思っています。
編集部:- どういう企業だとそういう働き方を認めてくれるんですか?
大学生FXさん:- IT系企業だとオフィスには出勤しないで、リモートの自宅勤務が可能です。
編集部:- なるほど。とりあえず就職活動は始めたんですね?
大学生FXさん:- そうですね。始めました。でも、すごく身が入っているかというとそれほどでもありません(笑)。一応インターンの応募を出しました。
編集部:- FX投資をされていることを周りの人たちは知っていますか?
大学生FXさん:- 学校の友達は知らないですね。お金の話はしないほうがいいかなと思っています。
編集部:- ご家族はご存知なんですよね?
大学生FXさん:- もちろん知っています。
編集部:- 大学生FXさんがFX投資をされていることについて心配はされていませんか?投資経験がないと「FXは危ない」って思っている人も少なくありません。
大学生FXさん:- 18歳で口座開設するときは、めちゃくちゃ心配されました(笑)。うちの家族は結構「安定志向」で、「投資よりも貯金が大事」みたいな考えなんですよ(笑)。
編集部:- そうなんですね。そうなると、やっぱり就職して欲しいって言われるのでは?
大学生FXさん:- そうですね。やっぱり、「投資より貯金」のタイプですからね(笑)。まあ、僕自身もリスクに対しては慎重なタイプで、長い目で見ると、就職して兼業トレーダーになるのが無難だと思います。だから「専業トレーダー」に対するこだわりはありません。
失敗したら相場から離れる
編集部:- 話は変わりますが、大学生FXさんはトレードで失敗したときは、どのように対処されるのでしょうか?
大学生FXさん:- 先日、日銀が金融政策を発表すると、米ドルは上がりました。そのときに間違えてショートポジションを持ってしまい、1秒間で20万円くらい損失を出したんです。
編集部:- それは痛いですね。
大学生FXさん:- そういう場合は、一度相場から離れます。もちろん、精神的に落ち込みますが、「起きたことはしようがない」と割り切って、心を落ち着かせるようにしています。
編集部:- 「休むも相場」という言葉もあります。
大学生FXさん:- ミスしたことで冷静さを失い、暴走してさらに損を出してしまうよりも、散歩に出かけたり、別のことをしたり、冷静になってから相場に戻るのが大事です。
編集部:- 離れる時間はどれくらいですか?
大学生FXさん:- 僕は10分くらいです。FXで利益を出すためには、期待値を積んでいく必要があるので、「ちゃんと相場に向き合ってトレードしなきゃ」と思うんです。だから、心が落ち着いたら、すぐにトレードを再開します。
為替介入では得意のロングで一日数百万円の利益
編集部:- 一日で獲得した最大利益はいくらですか?
大学生FXさん:- 数百万円です
編集部:- それはすごい。ご利用されているFX業者3社合計で数百万円ということですよね?それはいつですか?
大学生FXさん:- 日銀が為替介入した日です。
編集部:- そのときは順張りですか?
大学生FXさん:- タイミングを逃して初動にうまくのれなかったら、値動きはめちゃくちゃ荒いですし、スプレッドもかなり広がるんで、ちょっと危なくて手が出せません。だから、「これ以上ドルは下がらないな」って判断したときにロング(買い)を入れます。その後もボラティリティが高いので、値を下げたタイミングでロングを繰り返します。
編集部:- 逆張りロングを何回も繰り返すんですね。
大学生FXさん:- そうなんですよ。ショートで入ることもあるんですが、ほんの一瞬でものすごい損失が出ますからね。それほどのリスクを取ってまで、相場に入るべきなのかなと思います。
編集部:- 枚数が多くなれば、取らなきゃいけないリスクも大きくなりますからね。
大学生FXさん:- もちろんリスク管理ができる人はトレードしてもいいと思います。やっぱり、相場が大きく動くときは、利益獲得のチャンスなんでね。ただ、もしそのとき、大きな損失を出して、「暴走スイッチ」が入っちゃうようなタイプの人は、やらないほうがいいと思います。
利益も損失も「常識の範囲」
編集部:- 大学生FXさんが一日に出した一番大きな損失は?
大学生FXさん:- 結構少ないほうだと思います。30万円くらいですね。
編集部:- さすがですね。
大学生FXさん:- その日はボラがなくて、枚数を増やしてトレードしていたんです。
編集部:- ボラのない相場は苦手ですか?
大学生FXさん:- ボラティリティがない相場は利益が伸びないので、トレードで発生した損失分を取り戻せないばかりか、スプレッド分だけどんどん損失が増えてしまうんです。
編集部:- そういう日はトレードも控えめに?
大学生FXさん:- そうですね。今はそうしていますね。気持ちを切り替えられるようになったので。でも利益が出せるようになるまでは、取引をしていないと不安で、ついポジションを持っていました。今は肩の力抜いて、相場はあまり見ないようにします。
編集部:- 常に利益を出し続けられるトレーダーはいません。枚数が増えていても、損失が30万円程度で抑えられたのは、やはり早い損切りを心掛けているからでしょうね。
大学生FXさん:- そうですね。でも「億トレーダー」として知られているような有名な人たちには、利益を出すときはめちゃくちゃ出すけれど、損失を出すときも、めちゃくちゃ出してしまうタイプが結構多いと思うんです。僕はそういうトレーダーが、最終的には利益を一番出すと思っています。
編集部:- 確かに有名トレーダーがX(旧Twitter)に掲載しているポジション一覧なんかを見ると、利益も損失も、ものすごい金額になっているときがありますよね(笑)。
大学生FXさん:- でも僕は、利益も損失も「常識の範囲」に収まっているというか(笑)、大きなリスクを取るのが嫌なんで、損失が増えてくると手が止まったり、逆に利益がたくさん出ているときも、「これ以上利益を出すのはどうなのかな」と考えてしまって、手が止まっちゃったりするんです。
編集部:- 手加減しちゃうってことですか?
大学生FXさん:- 良くないと思っているんですが、慎重な性格もあって「利益を出し過ぎず、損失も出し過ぎず」っていう感じです。ただ「早い損切り」を実行しているんで、収支はトータルでプラスになります。
編集部:- 謙遜されていますが、最後まで生き残るFXトレーダーは、そういうタイプだと思います。
大学生FXさん:- そうなんですかね。僕は数億、数十億円の利益をFX投資で獲得しているトレーダーは「今がチャンス」って思ったら、状況は気にせずに「最後までやりきる」ような「猪突猛進」タイプが多いと思うんですよね。
常に運用資金を一定にしてリスク管理
編集部:- FX投資の現在の運用資金を教えてください。
大学生FXさん:- 3社合計で4,000万円くらいですね。
編集部:- 2年前に94万円でFX投資を始めて、現在の運用資金が4,000万円というのはすごいですよ。大学生FXさんは運用益はそのままFX口座に残していらっしゃるんですか?
大学生FXさん:- 多くはありませんが、実際にはFX口座から普通預金の口座に移動させた資金もあるので、実際はもう少し運用益は出ています。4,000万円くらいで運用するのが、自分にはちょうどいいので、そのくらいがFX口座に残るようにしています。
編集部:- ちなみに1回のエントリーのlot数は?
大学生FXさん:- 明確には決めていません。入れられるときは、「できるだけ多く入れたいな」って思っていますが、それでも最大で500枚くらいですね。最低は200枚くらいかな。相場の値動き激しいとエンターキーを押すのが間に合わないんです(笑)。ゆっくり動いているときは500枚くらい入れられるけれど、間に合わないと200枚です。
編集部:- 物理的な理由なんですね。
大学生FXさん:- もっと利益を出すためには枚数を増やしてトレードするべきなんでしょうが、たくさん枚数を入れて損失を出すのが怖いんです。だから、自分の「身に余る」ような資金をFX口座に残しておくのは良くないと思っています。
編集部:- それで口座資金は4,000万円にしているんですね。リスク管理のひとつの方法ですね。
お金持ちになったら戸建ての家を買う
編集部:- ところでFX投資で獲得した利益は何に使うのですか?
大学生FXさん:- 僕は家が欲しいんです。子どものころ住んでいたマンションの部屋で暴れたら、すごく怒られたからです(笑)。
編集部:- えっ、何をしたのですか?
大学生FXさん:- 僕は運動が好きなタイプなんで、部屋でサッカーをしたら、下の階の人にめちゃくちゃ怒られまして(笑)。でも戸建てなら、少しくらい暴れても大丈夫でしょ(笑)。
編集部:- 「いつまでに購入」といった計画は立てていますか?
大学生FXさん:- そこまでは具体的な計画はありませんが、結婚するときには買いたいですね。家で子どもと楽しく遊ぶのが夢なんです。まだまだ先の話ですが、購入できるくらいの金額を貯めたいと思っています。
編集部:- 「これくらい資産が増えたら、FXトレーダーを引退しよう」みたいな考えはありますか?
大学生FXさん:- 5億円くらいになったら、「もうやめていいかな」と思うかもしれませんが(笑)、でも、収益が出せると思っていたら、僕はずっと続けてしまうと思います。まあ、5億円の収益があげられるかどうか分かりませんが(笑)。
編集部:- 仮に収益が5億円を超えたとしましょう。そのお金は何に使いますか?
大学生FXさん:- う〜ん、物欲がないんですよね(笑)。小さいころからの夢だった「戸建て住宅」以外に思いつかないんですが(笑)。今のようなやり方では、そんなに資産が増えないような気がします。まあ、何十年も続ければ達成できるのかな(笑)。
編集部:- いえいえ、素晴らしい運用成績ですから、そう遠くない将来に夢は叶うと思います。
大学生FXさん:- そうですかね(笑)。
FX投資は情報は絞り、複雑で難しいものにしない
編集部:- 大学生FXさんの投資対象はFXだけですか?
大学生FXさん:- そうですね。インデックス運用の投資信託は持っていますが、長期保有です。利益額もFX投資に比べたら、たいしたことはないですよ。
編集部:- 金や原油といった商品や先物などに興味はないんですか?
大学生FXさん:- 興味はあります。やってみたい気持ちもあります。でも「いつかやりたいな」っていう程度です。
編集部:- FXで獲得した利益を使えば、いつでも始められそうですね。原油や金の値動きを、為替相場の予測に使うFXトレーダーも少なくありませんから、相乗効果があるかもしれません。
大学生FXさん:- そうなんですか?僕は気にしたことがありませんでした。チャートだけでも利益が出せているので、他のデータはほとんど見ません。判断材料が多くなると、考えることが増えてしまい、FXが複雑で難しくなっちゃうかなって思うんです。たくさんの情報を処理できる人なら、本当は見たほうがいいのかもしれませんが、僕みたいな「凡人」は、あんまり複雑にしないほうがいいかなと思います。むしろ絞ったほうがいいかもしれません。
編集部:- 最初からそういうやり方ですか?
大学生FXさん:- デイトレードをしていたころは、いろいろ見ていました。米ドル/円以外の通貨ペアの動きも見ていましたし、日経平均も見ていました。でも、結局どれで判断すればいいのか絞りきれず、複雑なことをし過ぎた結果、うまくトレードできなかったという反省があって、短期売買になってからは、もう米ドル/円だけを見るようにしたんです。だからこそ米ドル/円のトレードを突き詰められたかなと思います。
編集部:- 最近、少し長めのトレードスタイルに切り替えてきたっていうお話をされていたと思うのですが、成績の良い取引手法から、あえて新しいスタイルを模索されている理由は?
大学生FXさん:- 長めのトレードにすると、握れる枚数が増えたり、取れる値幅も大きくなったりするからです。それにトレーダーが短期売買をすると、相手をするFX会社にも大きな負担がかかりますから。
編集部:- お気遣いいただき、どうもありがとうございます(笑)。
大学生FXさん:- 正直、今の0.2銭スプレッドって、いつまで続くかわからないと思っているんです。スキャルピングのような短期売買はスプレッド幅に収益がかなり左右されます。スプレッド幅が広がったら利益を出すのが難しくなるので、将来スプレッド幅が広がったとしても対応できるように、今から練習をしているということです。
編集部:- すでに準備を始めていると?
大学生FXさん:- ちょっとずつやっています。有名なFXトレーダーたちも、少しずつ長めのトレードスタイルに変えてきているようです。
FX初心者は枚数を抑えてできるだけトレードを続ける
編集部:- 「FXに興味がある」「これから始めたい」そういう人たちに、ぜひアドバイスをいただきたいのですが。
大学生FXさん:- まず、FXは誰でも簡単に利益を出せるようなものではないってことですね。それでも利益を出せるような人は、圧倒的な利益が出せるようになります。長く続けた結果、利益が出せるようになった人もいます。そうやって億トレーダーになった人も結構います。そういう夢が「FX」にはあります。だから、やってみるだけの価値はあると思います。
編集部:- 具体的にどのようなやり方をすればいいでしょうか?
大学生FXさん:- 途中で力が尽きてしまわないように、できるだけ長くやれるように、枚数を抑えてトレードするのがいいと思います。僕も短期売買で最初は損失を出しましたが、枚数を抑えて長く続けたことで、最終的に利益が出せるようになりました。
編集部:- 大学生FXさんが利益を出せるようになった理由はなんですか?
大学生FXさん:- FXで利益を出しているYouTuberの生配信だったり、取引履歴だったりを参考にしたのが良かったと思っています。「自我」を張らないようにする。「こうやるべきだ」と思わないようにする。とにかく利益を出しているトレーダーのマネをしました。
FXの運用益で祖母に退院祝いをプレゼント
編集部:- 最後の質問です。FX投資で普通の大学生が手にできないくらいの利益を獲得されてきました。差し支えなければ、これまでどんなことにお金を使ったのか教えてください。
大学生FXさん:- FXを始める資金は家族や親戚からもらった入学祝いやお年玉でした。実は祖母からたくさんもらっていて、先日その祖母が病気で入院してしまったんです。だから退院祝いに旅行をプレゼントしました。
編集部:- それはいい話ですね。すごく喜ばれたでしょ?
大学生FXさん:- はい、僕もうれしかったです。僕は「お金があったらできたのに」っていうことがないようにしたいんです。歳を取ってから後悔することがないようにしたい。ある方から「若いうちに、いろんなところを旅行したほうがいい」っていうアドバイスをいただいたので、これから自分も旅行資金に使おうと思っています。
編集部:- ぜひご自分にもご褒美をあげてください。今日は興味深いお話がたくさん聞けました。どうもありがとうございました。
マネ育PickUp編集部より
大学生では手にできないようなお金を、FX投資で手に入れた大学生FXさんのお金の使い道は、病気になってしまった祖母の退院祝いに旅行をプレゼントすることでした。そして、お金持ちになったら、子どもころに自分ができなかった「戸建ての家でワイワイ楽しく遊ぶ」ということを、自分に子どもにはさせてあげたい。大学生FXさんは投資スタイルだけでなく、FX投資の目的も20歳という年齢以上に大人でした。1日でも早く大学生FXさんの「素敵な夢」が実現するよう応援しています。
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