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日銀介入も円安基調は変わらない!?米利下げは9月開始が最多|FX個人投資家が大予想【外為短観 第179回】

外為短観ロゴ

<第179回調査>2024年4月27日

外為どっとコムの口座開設者のお客様を対象とした投資動向等に関するアンケート調査です。

分析・レポート作成
外為どっとコム総合研究所

調査実施期間
2024年4月19日(金)13:00~2024年4月23日(火)24:00

調査対象
外為どっとコムの『外貨ネクストネオ』に口座を開設のお客様層。

調査方法
外為どっとコムの口座開設者にメールでアンケート回答URLを送付。
今回の有効回答数は595件。
※必要項目を全て入力して回答して頂いたお客様を「有効回答数」としました。

 

問1:今後1カ月間の米ドル/円相場の見通しについてお答えください。

「今後1カ月間の米ドル/円相場の見通し」については、「米ドル高・円安方向」と答えた割合が52.4%であったのに対し「円高・米ドル安」と答えた割合は25.7%であった。この結果「米ドル/円予想DI」は△26.7%ポイントと前月の△27.2%ポイントからややプラス幅が縮小した。

調査期間前後の米ドル/円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ開始時期が後ずれするとの見方からドル買いが優勢で154円台を中心に底堅く推移した。本邦当局による円買い介入への警戒感から伸び悩んだものの、個人投資家の米ドル強気・円弱気のスタンスに大きな影響はなかったようだ。

今後1カ月の米ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が160.00円、最安値が140.00円となり、高値の平均値は155.57円、安値の平均値は150.50円であった。高値の中央値は155.10円、安値の中央値は151.00円だった。実勢レートが前回調査時(最終日)から3円程度切り上がったのに対して、安値の予想中央値も前月調査時から3円程度ドル高・円安にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問2:今後1カ月間のユーロ/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間のユーロ/円相場の見通し」については、「ユーロ高・円安方向」と答えた割合が、36.1%であったのに対し「円高・ユーロ安方向」と答えた割合は27.2%であった。この結果「ユーロ/円予想DI」は△8.9%ポイントとなり、前月の△17.3%ポイントからプラス幅が縮小した。

調査期間前後のユーロ/円相場は、欧州中銀(ECB)による利下げが6月に開始されるとの見方が強まる中ではあったが円安基調が目立つ中で2008年8月以来の高値となる165円台後半へと上昇した。個人投資家の間ではユーロよりも円が弱い展開が続くとの見方がやや優勢のようだ。

今後1カ月のユーロ/円相場の高値と安値の予想については、最高値が170.00円、最安値が153.00円となり、高値の平均値は165.74円、安値の平均値は161.42円であった。高値の中央値は165.50円、安値の中央値は162.00円であった。前月調査時(最終日)から実勢レートが1円程度切り上がったのに合わせて高値と安値の予想中央値が0.5~2円程度、ユーロ高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問3:今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の豪ドル/円相場の見通し」については、「豪ドル高・円安方向」と答えた割合が、37.5%であったのに対し「円高・豪ドル安方向」と答えた割合は24.5%であった。この結果「豪ドル/円予想DI」は△13.0%ポイントとなり、前月の△20.1%ポイントからプラス幅が縮小した。

調査期間前後の豪ドル/円相場は、中東の地政学リスクが高まり軟化する場面もあったが一時的な動きにとどまり100円台を回復した。円安基調が続く中、個人投資家の豪ドル高・円安の目線が変わることはなかったようだ。

今後1カ月の豪ドル/円相場の高値と安値の予想については、最高値が105.25円、最安値が92.00円となり、高値の平均値は100.59円、安値の平均値は97.13円であった。高値の中央値は100.50円、安値の中央値は97.94円だった。前月調査時(最終日)と比べ実勢レートが1.5円程度切り上がったのに合わせて、予想中央値は0.5~2円程度、豪ドル高・円安方向にシフトした。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問4:今後1カ月間のポンド/円相場の見通しについてお答えください

「今後1カ月間の英ポンド/円相場の見通し」については、「英ポンド高・円安方向」と答えた割合が、36.5%であったのに対し「円高・英ポンド安方向」と答えた割合は24.4%であった。この結果「英ポンド/円予想DI」は△12.1%ポイントとなり、前月の△18.9%ポイントからプラス幅が縮小した。

調査期間前後のポンド/円相場は、192.00円を挟んでもみ合った。英中銀(BOE)による利下げ観測は根強いものの、個人投資家は円の先安観を強めているようで、対英ポンドでも円安の流れが続くとの見方が優勢だった。

今後1カ月の英ポンド/円相場の高値と安値の予想については、最高値が200.00円、最安値が180.00円となり、高値の平均値は193.49円、安値の平均値は188.50円であった。高値の中央値は193.00円、安値の中央値は189.00円だった。前月調査(最終日)から実勢レートが1.4円程度切り上がったのに合わせて予想中央値は前回から0.5~1.5円程度の上方シフトとなった。

※高値と安値が逆の回答や片方だけの回答などを無効とした上で、上位3%と下位3%の回答をカットしてデータを処理

問5:今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で買いたい、もしくは強くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「米ドル」と答えた割合が50.9%で最も多かった。次いで「円」が21.2%、さらに「メキシコペソ(8.2%)」、「豪ドル(4.5%)」、「トルコリラ(3.2%)」、「英ポンド(2.9%)」、「スイスフラン(2.7%)」と続いた。過半数の回答者が「米ドル」を最も買いたい通貨に挙げており、先高観の強さを物語る結果となった。一方、「円」の回答割合は前回に続き20%台にとどまった。「スイスフラン」が少数ながらも7番手に浮上したのは、調査期間中の19日にイスラエルがイランに対して報復攻撃を行ったことで、中東の地政学リスクを意識した回答が増えたためだろう。なお、「米ドル」と回答した向きはその理由について「CPI高止まりで利下げできない」「米経済が強く利下げのタイミングが先延ばしになる」などとして、物価や景気の状況から米国の利下げが後ずれするとの見通しを示した。また、「中東の地政学リスク」を挙げる声も少なからずあった。

問6:今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか

今後3カ月程度の期間で売りたい、もしくは弱くなると思う通貨はどれですか(ひとつだけ)と尋ねたところ、「円」と答えた割合が49.6%と最も多かった。次いで「米ドル」が16.6%、さらに「ユーロ(10.4%)」、「トルコリラ(5.9%)」、「中国人民元(5.5%)」、「英ポンド(4.2%)」、「スイスフラン(2.9%)」、と続いた。今回も「円」が大差を付けてトップの座を維持しており、引き続き円の先安観が強いことが示された。なお、「円」が最も弱くなると答えた向きからは「(日銀が)マイナス金利を解除しても他国の金利が高止まりしている」、「マイナス金利解除は利上げにはならず、追加利上げは入らない可能性が高い」などと、金融政策の面で円安圧力が続くとの声が多かった。そのほか、「介入はなんだかんだいってもできなさそう」、「介入しても円安基調は変わらない」との意見も見られた。

問7:FRBによる利下げはいつ開始されると思いますか

今回の特別質問として「FRBによる利下げはいつ開始されると思いますか」と尋ねたところ「9月に開始」が29.9%で最も多かった。次いで「6月に開始」が12.9%、「11月に開始」と「来年以降に開始」がともに12.3%で続いた。さらに、「7月に開始(11.6%)」、「12月に開始(9.6%)」の順になった。「9月に開始」がやや多かった以外は概ね同水準であり、個人投資家の米国の利下げ時期に関する見方が割れている事がわかった。なお、「利下げは当面ない」との回答も11.4%に上った。米国の雇用情勢が堅調を維持している点や、インフレが予想ほど鈍化しない点が投資家の米利下げに関する予想を難しくしているようだ。

問8:年内の米利下げ回数は何回になると思いますか

今回のふたつ目の特別質問として「年内の米利下げ回数は何回になると思いますか」と尋ねたところ「1回」が39.3%で最も多かった。次いで「2回」が32.8%、「0回」が20.2%、「3回」が5.9%、「4回」が1.0%、「5回」が0.8%と続いた。0~2回に9割以上の回答が集中したが、その中でも見方が割れている。利下げ時期と同様に、利下げの回数の見通しも立ちにくい状況のようだ。FRBの利下げ開始時期とそのペースを巡っては、日本のゴールデンウイーク中に2つの重大イベントが予定されている。4月30-5月1日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)と5月3日に発表される米4月雇用統計に注目したい。

問9:米利下げによってドル相場の流れはどうなると思いますか

今回のみっつ目の特別質問として「米利下げによってドル相場の流れはどうなると思いますか」と尋ねたところ「緩やかにドル安が進行」が38.5%で最も多かった、次いで「ドル安進行も一時的」が32.4%、「変わらずドル高が進行」が17.5%、「大きくドル安が進行」が11.6%と続いた。その理由を自由記述形式で尋ねたところ、「緩やかにドル安」と答えた向きからは「マーケットはある程度織り込み済みなので大きくは崩れない」「他の国も政策金利を下げてくると思うのでドル安になっても緩やか」との回答があった。「変わらずドル高」とした向きからは「アメリカの景気は底堅い」「実体経済の強さから」といった記述が目立った。景気後退を防止するための利下げであればドル安にはならないとの見立てだろう。なお、「大きくドル安」と回答した向きからは、「景気後退になると判断される」との意見や「これまで買われすぎた反動」との意見が出ていた。

本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終決定はご自身で判断されますようお願いいたします。また、本レポートに記載された意見や予測等は、今後予告なしに変更されることがございます。なお、本レポートにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、株式会社外為どっとコム総合研究所ならびに株式会社外為どっとコムは一切の責任を負いかねますことをご了承願います。 Copyright©2024Gaitame.com Research Institute Ltd. All Rights Reserved. https://gaitamesk.com/

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uehara.jpg 外為どっとコム総合研究所 調査部 研究員
宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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