ドル/円、円売り加速で2週間ぶりの150円…日銀は異次元緩和政策の修正へ
東京市場のドル/円は、150円台を回復する展開。日銀会合でマイナス金利の解除などを決定するも、事前の観測報道通りだったため「材料出尽くし」との見方から円売りが加速しました。午後には約2週間ぶりの150.40円台へ上伸しています。
その後の植田日銀総裁による記者会見では、「緩和的な環境を維持しつつ政策運営を行っていく」としたうえで、今後の追加利上げの可能性については慎重な姿勢を示しました。欧州市場では150.50円台まで上値を切り上げました。
<日銀会合 主な決定内容>
・マイナス金利策を解除
無担保コールレートを0~0.1%程度で推移するよう促す
・イールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃
・ETFおよびJ-REITの新規買い入れ終了
・CP等および社債等について、買い入れ額を段階的に減額し、1年後をめどに買い入れを終了
・長期国債の買い入れを継続
日銀会合後の円安基調は海外市場でも続きそうです。NY市場で年初来高値150.88円前後を試す展開となるか注目です。ただ、明日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて反応が一時的となる可能性もあります。様子見ムードから伸び悩むことも考えられるため注意が必要です。
ドル/円をテクニカル分析で見ると、10・20・80日線がやや上向く中で150.00円を突破しました。RSIが50ライン上で上向いているため上昇の勢いが強まっていることが分かります。そうした中で目先は年初来高値150.88円前後を試す動きとなりそうです。同水準を上抜くようだと昨年高値151.90円台を睨んだ展開となる可能性もあるでしょう。
ドル円 日足チャート
この後の経済イベント
3/19(火)
19:00☆独3月ZEW景況感調査
19:00 ユーロ圏3月ZEW景況感調査
21:30 カナダ2月消費者物価指数
21:30 米2月住宅着工件数
21:30 米2月建設許可件数
26:00 米20年債入札(130億ドル)
29:00 米1月証券投資
※☆は特に注目の材料
経済指標・イベントの結果について
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宇栄原 宗平(うえはら・しゅうへい)
国際テクニカルアナリスト連盟 認定テクニカルアナリスト(CFTe) 2015年から金融業界に参入し、顧客サポートなどに従事。また金融セミナーの講師としても活躍する。2022年2月(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。これまでの経験や知識を活かしながら、FX個人投資家へ精力的な情報発信を行っている。経済番組専門放送局「ストックボイス」や、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』でのレギュラー解説ほか出演多数。マネー誌『ダイヤモンドZAi(ザイ)』にてドル円・ユーロ円見通しを連載中。
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